第18話:先輩とお泊まり②
リビングに向かうと、テーブルの上に色とりどりの料理が並んでいた。
「恵那ちゃん食べられないものとかある?」
先輩のお母さんが聞いてきた。
「大丈夫です。なんでも食べられます。」
「よかったわ〜。いっぱいあるからたくさん食べてね。」
椅子に座ってご飯を食べ始める。どれも味がしっかりしていてとても美味しい。
「この鶏肉すごい美味しいです。」
「ありがとう。それ紗凪も大好きなの。」
少し会話をしながらご飯を食べ終わると、時計の針はもうすぐ20時を回ろうとしていた。
流星群が見れるのは明日の明け方らしい。防寒着は持ってきたが大丈夫だろうか。
「恵那ちゃん、お風呂お先にどうぞ。」
「ありがとうございます。」
立ち上がって部屋に戻り、着替えをタオルを持ってお風呂に向かった。白が基調のモダンな雰囲気のお風呂場だ。服を脱いで浴室内に入る。先輩がドアの向こうから声をかけてきた。
「黄緑色のがシャンプーで、その隣の黄色っぽい色のがリンスね。で、ピンクがボディソープだから。」
「ありがとうございます。」
シャワーを出して髪を濡らす。おそらく、というか確実に先輩と同じシャンプーを使うことになる。つまり先輩と同じ匂いになるということ。そう考えると一気にドキドキしてくる。先輩は髪が短いから、匂いのする部分は少ないけれど、私は髪を下ろしたときは背中の真ん中くらいまであるから、その分先輩と同じ匂いを多く感じることができる。邪な考えに脳が支配されている。私はいつもより少し強く頭を洗った。
お風呂から出てリビングに戻ると、先輩はもう部屋着に着替えていた。真っ先に白い太ももが目に飛び込んでくる。細いし、真っ白だ。どうやったらあんなに綺麗に保つことができるのか、教えてほしい。
「ドライヤーあそこに置いてるからね。」
「はい。ありがとうございます。」
「やっぱり髪長いと大変?」
「もう慣れたのであんまり気にならないです。」
「私もちょっと伸ばそうかなと思って。せめて肩の下に届くくらいには。」
「今の短いのも似合ってて良いと思いますよ?」
先輩は少し照れくさそうに毛先を指でくるくるしている。
「それに、長いとなにかと不便ですよ?髪乾かすの時間かかるし。」
「さっきと言ってること真逆じゃん…」
先輩は多分長い髪も似合うけど、短い髪の方が可愛く見えると思う。私も昔は短かったが、気分転換に伸ばしてみたらそっちの方がよかったから再び短くすることはなかった。
「と、とにかく私お風呂行くから。風邪引かないように早く乾かしなよ?」
先輩はそれだけ言い残してお風呂場へ向かっていった。リビングに先輩のお母さんと二人になる。先輩がいないと思うように話せない。ドライヤーを済ませて部屋の隅にぽつんと立っていた。
「恵那ちゃん、アイスあるけどどう?」
「いいんですか?」
「紗凪がお風呂上がりにいつも食べてるから、たくさんあるのよ。」
「先輩が出てくるまで待ってます。」
私は普段アイスはほとんど食べないから、どんなアイスが美味しいのかもあまりわからない。まあでも多分先輩におすすめしてもらえるようなアイスは美味しいだろう。そう思ってまたリビングの隅で先輩が戻ってくるのを待っている。
「恵那ちゃんそんなに固くならなくていいのよ?ソファ、座ったら?」
「あ、はい。」
ソファの隅の方に座った。そのとき先輩が戻ってきた。髪が濡れてツヤを放っている。毛先から雫が一滴落ちた。
「先輩、まだ髪から雫垂れてますよ。」
「あ、ほんとだ。ちゃんと拭いたつもりだったんだけどな〜。」
先輩がドライヤーをするのを見ている。私と比べると時間が短すぎる。やっぱり短髪はそこがメリットなのかもしれない。
「恵那ちゃん、私いつもお風呂上がりにアイス食べるんだけど恵那ちゃんもどう?」
「食べたいです。先輩のおすすめどれですか?」
私は先輩がおすすめしてくれたチョコアイスの蓋を開けた。




