護国防衛隊 4
都市の内部に現れた暴走する護国獣を封じ込めるため都市へと戻る準備を進めるルツキ。
人が集まっている基地内では護国獣になってしまえば予期せぬ事故が起きる可能性があるため、ルツキは都市へと向かう車両の一つに相乗りさせてもらい施設の外まで連れ出してもらう。
『角光鋼螺、影刃青輝が戦闘中、ですが数的不利は変わらず。現在、無人護国獣、型幽浮晶の数は9体。うち3体は影刃青輝のバリアで行動を封じています』
移動中の車内は本部からの指示を受ける防衛隊員たち、ルツキもリウガンとの連絡を続けている。
「どんどん増えているわね、エネルギーがある限りどんどんこのまま増えるのでしょうね。おじい様、あの護国獣に弱点はあるのですか?」
『最終テストの段階では弱点ない、4脚の亀のような基本的な形はあるものの基本は不定形で受けたエネルギーを逃がす体質になっている。複数体で巨躯を取り囲む包むようにしてエネルギーを吸い取る。都市の中だ、アースライトは無限に供給される、エネルギー切れになるとしたら角光鋼螺の方だろうな。ハクマ君は戦っている限りは、そうだなたとへ一人になっても戦い続けることができるだろう』
「護国獣を止めるため変換機の破壊もできませんよね」
『ああ、都市すべての電力や都市の防衛機能と直結している。変換機への供給を切るわけにはいかない。施設全体が送られてくるエネルギーを使って巨躯でも破壊されにくい分厚く硬いバリアを持っている。内部に入って破壊しない限りは』
「ユウスイと隊長との連絡はどうなっていますか?」
『今だ届いてはいな……いや、つい先ほど本部に通信が入ったようだ。撤収に失敗しいまだ建物の中。崩れた地下の迷路で生き埋めになっている状態らしい』
「無事なのね。よかった」
『今変換器を止められるとしたら、施設の中にいる彼女らだろうな。施設の進入路は暴走している型幽浮晶の足元周辺だ、そんな危険なことは本部も許可しないだろう。あと可能性があるとしたらルツキ、お前だ』
「私が?」
『護国獣で施設の前まで行き型幽浮晶を施設から引きはがし変身を解く。お前にかなりの負担をかけるが他の方法は時間がかかり型幽浮晶は増え続ける、行けるなルツキ』
「ええ、できる、できますおじい様!」
『今動ける防衛隊を集めて型幽浮晶を引き付ける準備を進めている。もちろんお前だけじゃない、お前が安全を確保し次第、この任務のために集めた部隊も地下通路へと送る……変換機を止める役割はお前に任せるがいいな』
リウガンとの話を終え基地から離れたところでルツキは車両を止めてもらうと車両を都市へと先に行かせる。
「戦いを終わらせます。これ以上被害を出させないために」
車両と十分に距離を取ったところでルツキは護国獣へと変身し先行く車両を追い越して都市へと向かう。
都市での戦いは続き建物の柱の間で複数の巨躯がぶつかり合う。
影刃青輝が4体目の型幽浮晶を拘束したところで残った巨躯らが体の内側から発光器官を出しそこから細いビームを放つ。
放たれる光線が二つ三つと増える。
影刃青輝はバリアを張って攻撃から身を守るが攻撃は耐えることはなく、数本の光線は影刃青輝が建物の影に隠れるまで放たれ続けた。
狙う相手が消えたことで攻撃の矛先は角光鋼螺へと向かう。
攻撃を受けて角光鋼螺の体から火花が散った。
目の前の型幽浮晶への攻撃をやめてビームの飛んでくる方向へとバリアを張るが終わることの無い攻撃が複数個所から飛んでくる。
複数個所の攻撃に気を取られているうちに側面からやってきた型幽浮晶に体の右側へと取りつかれた。
アースライトの吸収、角光鋼螺の白い体にひびが入り方向を上げて苦しみだす。
『標的確認、支援砲撃を開始する!』
民間人の車両が居なくなった大通りに並んだ砲撃車両からの一斉射。
放たれたビームが角光鋼螺にとりつく型幽浮晶へと命中するが動く気配はない。
『効果なし。次! とりつく巨躯ではなく、攻撃をするその他を引きはがす』
建物の影を縫って飛んできた戦闘ヘリの一団。
接近し一斉射を放つと1体が角光鋼螺へのビーム攻撃をやめ、発光器官を体の内側へと収めて攻撃を続ける戦闘ヘリ群へと向かって歩き出した。
『誘因成功、このまま施設外へと誘導する』
『了解。第二班、第一班に続き巨躯へと接近し施設外への巨躯の移動を行う』
『増援の護国獣到着。突入部隊と合流し光斧黄煌こちらへと向かってきています』
ルツキの護国獣、光斧黄煌が都市の町を進む。
町への被害を抑えるためにゆっくり歩く光斧黄煌、一歩進むたびに道路が割れ風圧で無数のゴミが舞い上がる。
光斧黄煌の後ろから足跡を避けて進む10両の装甲車が続く。
目的地は12体目の型幽浮晶ができたばかりの施設。
『角光鋼螺のエネルギー量低下中。護祈の精神的負担も大きいようです』
『光斧黄煌に情報を共有、アースライトにトリモチのように張り付く、接近戦はさせるな。さっきから見ないが影刃青輝はどこに行った』
『6体目を捕縛し現在は攻撃から逃れるため都市内を走り回っています』
長い腕を外壁に食い込ませてビルをよじ登る影刃青輝。
すでに多くのバリアを増え続ける型幽浮晶の固定に使っているため防御手段と移動手段に制限が付いている。
『あの増え続ける型幽浮晶の数を減らすためのアースライト回収用の再変換機の到着は』
『まだです。大型変換機が使えない以上、採掘場で生産しているため精密部品の製造に時間がかかっているようです』
『虎の子の二人も戦場へと出してしまった。もうこの都市の防衛に使える護国獣はいない。いま一つ落ちるだけでも戦局は相当不利になる』




