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変換機 2

作り出したバリケードドローンを次々に部屋の出口から外に出し侵入者の足止めに向かわせる。

回転ランプと電光掲示板のついた折り畳み式の脚を持つ車止めのブロック塀がガシャガシャと音を立てて機敏に指定された通路を指定された道順で進む。


「これでどれだけ時間稼げるんだろ。フル充電なら戦闘モードの維持は40時間ほどもつだろうか? 興味なかったからそこまではスペック知らないなぁ」


十機ほどドローンを通路へと送りユウスイは呟く。

送り出した最初の一機が閉鎖された隔壁を力技で破壊しているサイボーグのもとへとたどり着いた。

空調を高出力で回し一瞬気を逸らしたすきに突っ込んでくる機械の群れに侵入者たちは驚くものの、金属の塊を押しつぶされることもなく体勢を立て直してすぐに障害の排除に動く。


「持ち込んだ武器の弾が切れたのなら内臓バッテリーを使うエネルギー兵器を使うしかないよね、そうなったらこっちの勝ち。時間稼がせてもらうよ」


どれだけ送り出したドローンが破壊されてもその残骸は通路に残る、そしてドローンは重たいブロックを支える馬力と足場の悪い場所でも進むことのできる多脚。

破壊されたドローンを強引に押しのけようとして後続のドローンが詰まる。

それを破壊しようとすればさらに破片が散らばり軽くなった部品を押しのけて後続が前に出て通路が壊れた部品で埋められていく。


「壊れてもアースライトにしばらく戻らないようにしてるから壊せば壊すほど道は埋まってくよ。さてこれで応援が来るまでの時間稼ぎと無駄なエネルギー消費は行える」


通路幅いっぱいに広がるバリケードを破壊し強引に進む侵入者、ゆっくりながらも歩みを進める襲撃者の前でドローンを引かせて隔壁を閉じる。

後方で腕を組み仁王立ちしている大型のサイボーグに一抹の不安を覚えながらもユウスイはふっと笑いながら変換機から離れビニール袋から新しい紙パックのジュースを取り出す。

ストローを加えユウスイは護国獣が戦闘を行っているモニターに目を向ける。


「ルツキが戦場に出たか。少し見てない間に少し戦況が動いたかな」


他のモニターに目を向ければ応援に駆け付けた防衛隊員の姿が映った。

それを待っていたユウスイはドローンの音声再生機能をオンにする。


「あとはオレンジ色のプルプルに拘束されて終わり。装甲が硬かろうが人より早く走れようが動けなくなってしまえば一緒。不自由な手足をサポートするための道具を壊すための兵器にしたガラクタどもめ」


最大音量まで上げた騒がしい音がドローンから鳴り響く。

増援に侵入者の位置を知らせると同時に接近する援軍の足音を隠す。


『援軍はそっちについたかユウスイ』

「来たよ隊長、こっちでサポートしてる。もうすぐ捕まえて終わるかも」


『私ももうすぐ着く到着する』

「早かったね。道がすいてた? とりあえず、気が付かれてない。もう接敵する」


防衛隊員の到着を見届けドローンの放送を止めた。

襲撃者が急に静かになったことに首をかしげていると追いついてきた防衛隊員が投降を呼びかける。

10メートルほどの距離で声は届いていたはずだが当然聞き耳を持たず重火器を防衛隊員に向け引き金を引いた。


「こっちは不意打ちはできないから仕方ない」


防衛隊にバリアが張られ銃弾が弾かれる。

バリケードの残骸を盾にしてそこに身を隠す侵入者。

大型サイボーグは車両に固定して使うような大きな銃を片腕で担ぎ背中の後ろからシートベルトを締めるかのように弾薬ベルをと引っ張り出し銃へとつなげた。

バリアの隙間からもう一人が白い銃を構えると、襲撃者の方にプルンとしたオレンジ色の球体が通路を埋め尽くすが侵入者からだいぶ手前。


「しっかり狙え、銃撃にビビッて」


ユウスイが新しいストローを齧りながらつぶやく。

手榴弾を投げるとバリアで跳ね返り床に転がりそれがパカンと破裂しもこもこと灰色の泡が膨らむ。


「科学ブロックか。隊長、道が封じられた。せっかく来た応援も少し時間稼いだだけ」

『換気システム壊して毒ガスでも撒いたのか? 施設の入り口に着いた、今から増援とともに乗り込む待っていろユウスイ』


ガジガジと齧ったストローでジュースを吸いモニターを見ているユウスイは隊長の声を聴いて緊張がゆるむ。


「今もモコモコと泡立ったプラスチックが膨らんで通路埋めてる。空調まわしてるから有毒ガスは溜まらないけど、反応中は熱がでてて生身じゃ近寄れない」

『そっちでアースライトで何か作ってそれを壊したりできないのか?』


「バリケードドローンはみんなぶっ壊させてるから無理。迂回させるルート命令している間他のドローンに指示できないし」

『バリケードドローン? 通行止めに使うあれか? デカいと思ってたが地下の通路通れたんだな。道を塞ぐのに役立っているのか?』


「何とかね、私も通路を埋めてるし。接着機能はないですけど、砕かせて壁にぎっちりさせる予定」

『くっついて固まれば通路を埋められるんじゃないか?』


「みんなアースライトを便利に考えすぎ、設定した性質の素材を設定した設計図で作る変換機ってプリンター作るだけなんだから。新しい素材にするには時間かかるんだから。とりあえずまだピンチ、隊長早くね」

『ああ』


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