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青の亡霊ー真実を暴かない探偵は、正しさを後悔している―  作者: 天水 こうら
第六章 名前のない気持ち

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名前のない違和感

AIってやっぱ便利ですね

文化祭が終わった翌日。


昨日までの賑わいが嘘だったみたいに、学校はいつもの日常を取り戻していた。


廊下を彩っていた装飾はなくなり、


教室の隅に積まれた段ボールだけが、祭りの名残を少しだけ残している。


朝のホームルーム前。


教室では、まだ文化祭の話題で盛り上がっていた。


「昨日の演劇、マジで良かったよな!」


「王子役のアドリブ、あれ絶対台本になかっただろ」


「後で写真送っとく!」


笑い声が飛び交う中、僕は自分の席に座りながら窓の外を見る。


文化祭は終わった。


白石の問題も解決した。


深冬ちゃんと約束した「来年も一緒に回る」という言葉も、昨日のことなのに、なんだかずっと前の出来事みたいに感じる。


そんなことを考えていたら白石が話しかけてきた。


「東雲、昨日はありがとう。これはほんの少しお礼」


そう言って差し出された紙袋の中には、可愛く包装されたお菓子が入っていた。


「全然気を使わなくてよかったのに。ありがとう」


「ううん。東雲にはいっぱい迷惑かけちゃったし」


そう言って笑ったあと、白石は少しだけ視線を逸らした。


「それと……もし東雲がよかったらなんだけどさ」


「今度、どっか遊びに行かない? 二人で」


「え?」


思わず聞き返す。


白石は照れたように笑う。


「ほら、お礼も兼ねて。映画とか、買い物とか」


突然の誘いに、少し戸惑う。


嫌なわけじゃない。


むしろ、普通なら嬉しい話なんだと思う。


でも——


なぜだろう。


真っ先に頭に浮かんだのは、深冬ちゃんの顔だった。


「……東雲?」


「え、ああ。ごめん」


「ちょっと考え事してた」


「行けそうだったら連絡してよ!」






放課後になり久々に一人の時間が来た。


最近は白石の件だったり京都に行ったりだとかでなかなか一人の時間がなかった。 


それにしても白石から遊びに誘われるとは思わなかった。


だがそれと同時になにか違和感がある。


なにか心に残ることがある感じというか。


悩みながら帰り道を歩く。


「先輩!」


後ろから聞き慣れた声がした。


振り向くと、いつもの笑顔を浮かべた深冬ちゃんが立っていた。


そして——


なぜか僕は、少しだけ安心していた。


「お疲れ様です!」


「お疲れ。今日は委員会?」


「はい。でも今日は早く終わったんですよ」


そう言いながら、深冬ちゃんは僕の隣に並ぶ。


「先輩も今帰りですか?」


「うん」


気が付けば、二人で歩き出していた。


夕暮れの住宅街。


沈みかけた太陽。


特に面白い話をしているわけでもない。


文化祭の話だったり。


今日の授業の愚痴だったり。


そんな他愛のない会話。


でも。


不思議と、その時間が心地よかった。


「そういえば先輩」


「ん?」


「昨日の写真、送っていいですか?」


「ああ、お願い」


「お気に入りのやつがあるんですよ」


そう言って、深冬ちゃんはスマホを取り出す。


送られてきた一枚の写真。


夕暮れの中庭。


楽しそうに笑う僕と深冬ちゃん。


その写真を見て、思わず笑みがこぼれた。


「いい写真だね」


「でしょ?」


嬉しそうに笑う深冬ちゃん。


その笑顔を見た瞬間。


ふと、昼休みのことを思い出す。


白石からの誘い。


そして。


返事を聞かれた時よりも。


今、深冬ちゃんと一緒にいる時間の方が。


ずっと落ち着くと思っている自分がいた。


……なんなんだろうな。


この気持ち。




最近小説をあまり読めていないから読みたい。

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