壊したものの行き先
最近ジャグラーでタコ勝ちしました。
うれしい。
昨日あったことが嘘のように朝はやってくる。
朝食を済ませ約束の場所へ向かう。
「昨日の事は忘れてもいいんですからね、先輩」
あの時、やっと初めて彼女の本音が知れた気がした。
「できるだけそうするよ、それとそろそろつくよ」
教えられた場所についた。
とても巨大な家で見ているだけで気圧されてしまいそうだ
呼び鈴を鳴らす。
中から初老の女性が出てきた。
「あなたたちが……百のことを?」
扉の向こうにいた女性は、少しだけ目を細めた。
「はい。水瀬百さんのことを、少し教えていただきたくて」
僕がそう言うと、彼女は小さく息を吐いた。
「……今さら、何を知る必要があるの?」
おそらくこの人は水瀬の居場所を知っている。
「失踪したんです」
「……そう」
それだけだった。
驚きも、動揺も、ほとんどない。
まるで――
分かっていたみたいに。
彼女は語り始めた。
「百は、昔から逃げる子だった」
「嫌なことがあると、ここに来て」
「何もなかったみたいに笑うの」
「でも今回は違う」
その声が、少しだけ低くなる。
「今回は、“逃げてる”んじゃない」
「“戻ろうとしてる”のよ」
「……戻る?」
思わず聞き返す。
「自分が壊したもののところに」
「……壊したものは、逃げても消えないから」
空気が、重く沈む。
「あなた、東雲くんだったわね」
急に名前を呼ばれる。
心臓が跳ねた。
「百が、あなたの名前を何度も口にしてた」
「……え?」
「……どうして、僕なんだ」
夏蓮じゃない。
被害者でもない。
それなのに――
「“ごめんなさい”って」
言葉が、喉に詰まる。
「もし、本当に百を見つけたいなら」
女性は、静かに言った。
「今から教える場所に行きなさい」
「そこに行けば百に会えるはず、百にあって全てを終わらせなさい」
「私は百からの話でしかあなた達のことを知らない、だからこそ責任も何もないから言える。
ちゃんと話し合って過去も責任も全てを終わらせなさい」
水瀬がこの人に逃げ込む理由が少しわかる気がする。
「いつ水瀬さんの所に行きますか?
教えられた場所が京都なので今から行くのもありですけど」
「いや明日行こう、少し僕も頭の中で整理をしたい」
「じゃあ今日も余った時間は観光でもしませんか?」
「次はどこに行きたいの?」
「学問の神様の神社に行きたいです!」
その後、僕らは観光をして宿に戻った。
今日の夜はどうして水瀬が僕に対して謝っていたのかを考える必要がある。
「どうして水瀬さんが先輩に謝っていたかの理由ってわかりますか?」
「見当がつかないね、僕の予想は夏蓮に対して謝っていたと思っていたから。
何なら僕は憎まれてると思ってたから余計わからなくなってきた」
「とりあえず今日はもう寝ませんか?
なんで謝ってたかは本人の口から聞けばいいですし。
先輩も言いたいことがいろいろあると思うので明日に備えましょうよ」
「そうだね」
確かにその通りだ。
今日はもう寝よう。
明日水瀬にあって全てを終わらせよう。
正しさじゃない。
誰かのためでもない。
――これは、僕のための決着だ。
周年サプチケをまだ決めきれずにいます。




