第6話
学校が終わる。
小林は天王寺が気になり、いずみちゃんの後を追うことにしたのだった。
いずみちゃんは友達と帰っている。
「天王寺はドコで仕掛けるのでショウ」
しばらくすると、いずみちゃんは友達と別れて1人で帰っていく。
「なるホド、これからが本番ナノですね」
いずみちゃんの後をつけていると、前の方でもう1人後をつけている人物に気がついた。
いずみちゃんの妹の楓だ。
「これは面白くナリそうですね」
小林はククッと笑うと尾行を再開した。
後をつけてしばらくすると、突然いずみちゃんが立ち止まる。
「ムっ?」
小林は少し移動して立ち止まった理由を探る。
「アレは…」
小林は口から双眼鏡のようなものを取り出して見る事にした。
いずみちゃんの前には小さなテーブルに乗った小物サイズのプレゼントと手紙、そして矢印の書いた紙が置いてあるのが見えた。
「プレゼント作戦デスね」
矢印の先には同じようにプレゼントが置いてあるのが見える。
プレゼントは階段に転々と置いてあり上の公園へと誘導していた。
「怪しスギでしょ天王寺…」
小林は思わず呟く。
いずみちゃんは手紙を読むとプレゼントを開けて、取り出して食べた。
チョコレートのようだ。
「食べルノ?」
いずみちゃんは食べながらプレゼントを辿って行く。
「いずみチャンも変わった子ナノね…」
妹の楓ちゃんもハラハラしながら見ているようだった。今にも飛び出しそうだ。
「おっと後を追わナイと」
小林は木々を突っ切り、先回りする。
そして木の上から再び双眼鏡を覗く。
「さてと、どうなってるカナ」
双眼鏡の先ではいずみちゃんが階段を上りきったところだった。
いずみちゃんは最後のプレゼントを置いてある場所に向かう。
階段で疲れたのか少しフラフラしていた。
「場所の選択、間違ッテルヨ天王寺…」
最後のプレゼントはかなり大きい箱だった。
人も入れそうだ。
「…マサカ」
いずみちゃんが近づく。
「ソレは違っててクレ」
ドンッ。箱が開く。
「好きです!付き合って下さい!」
勢いよく飛び出した天王寺。
何故かピエロの格好だった。
「アチャ~…」
小林は思わず額に手を当てた。
「い、いや大事なのは答えデス」
小林は再び2人に注目し、いずみちゃんを確認する。
「あ、あれ~、ピエロら~…あはははは」
「ン?」
いずみちゃんはフラフラしてて要領を得ていない。
「アレは………酔っテル?」
小林は急いで木から降りると2人に向かっていったのだった。
俺は困惑していた。
完璧な告白のはずがいずみちゃんはフラフラとして笑っている。
「あ、あれ?いずみちゃん?」
「ちょっと待ってクダサイ天王寺」
「おまっ小林?なんで?」
何処からか小林が現れる。
小林はいずみちゃんの目の辺りで手を振る。
「う~ん、酔ってマスネ」
「な、なんで!」
「うーん……」
「あ、あの多分そのチョコレートのせいかと」
何処からか、いずみちゃんの妹の楓ちゃんまで現れる。
「えっ?」
「このチョコレートはアルコールが入ってるみたいです。ほらここに」
確認すると3%程入っていると書いてある。
「ただのお高いチョコじゃないのか!?」
「みたいです…」
「ソレよりいずみちゃんをナントカしないと」
いずみちゃんはフラフラと歩いていた。
「あっ。姉は私が連れて帰ります」
「す、スマン妹さん」
「いえ、それでは」
そう言って2人は帰っていった。
残されたのは哀れなピエロと宇宙人。
「……ドンマイ天王寺。…片付けマスか」
「…おう…だが!俺は諦めないからな!」
「応援してマス」
そうして第1回告白大作戦は幕を閉じる。
ちなみにいずみちゃんは最初のプレゼントの辺りから記憶が飛んでいて、告白は覚えていなかったのだった。
ただその日の夜、いずみちゃんはピエロに追いかけられる悪夢を見たそうだ。




