第4話
次の日の早朝、テントの中で何やらゴソゴソとやっている男がいた。天王寺である。
「よし!準備は出来た。後は放課後だな」
テントを出ると深呼吸する。
朝の空気が気持ちいい。
「すぅ~はぁ~。さてと、小林~朝だぞ……っておい大丈夫か!」
小林がうつ伏せになって倒れている。
「は、腹ガ」
「何だ!どうした!?」
「腹が……減りマシた」
「お、おう。ちょっと待ってろ」
天王寺はカップ麺を作り、缶詰を共に小林に渡した。
小林は飢えていた為かあっという間に平らげた。
「ふう、助かりマシた天王寺」
「別にいいってことよ。そんじゃあ俺は学校にいくから…」
「ホウ、学校ですか。先生の呪文で眠っタリ、トイレで日の丸弁当食べタリする……面白そう、ワタシもやりたい」
「何か違うし……やりたいっていってもな学校は試験とか保護者とかいろいろ面倒な手続きがあんだぞ!」
「任せてクダサイ。……っうぶ」
小林は口に手を突っ込むと、何やら取り出す。
「ジャーん!『洗脳ベルト』です」
そう言って出してきたのはどこかの特撮で見たことあるようなベルトだった。
「え、いいの?著作権的に……」
「宇宙人にはヨクワラカライ」
小林はベルトを腰に巻く。
「それで、それって効くの?」
「効きますよ。見てて下さい………ヘイ!そこのカノジョ!俺ってイケてる?」
変なポーズを取りながら小林は道を歩く女性に声を掛けた。ベルトの真ん中がクルクルと光り出す。
「は?……キャー!コバヤシーー!!」
声を掛けられた女性の態度が急変する。
アイドルやスターでも見つけたかのような反応だった。
「……どうデス?」
「か、貸してくれ!」
「ダメです。人間には貸せマセン。それよりこれで大丈夫なハズです」
「しょうがないな行くか」
「ハイ!」
そうして2人は学校に向かうのだった。
「つ、疲れた」
何とか学校に辿り着く。
「ふっ、いいデスね。モテるというのも」
来る途中、老若男女問わずにモテまくる小林をなんとか引きずるようにつれてきた。
「小林少し効果を押さえろよ……」
「あっ、そう言えばそうデスね」
腰に辺りでカチカチッと何かを回す。
「これで一般的な好感度になります」
「そのベルトいろいろギミック付きなんだな。しかし、これで…」
「「キャーー!コバヤシく~ん」」
「ハイ」
「変わってねぇじゃねーか!」
「ふむなぜ……そうだダ。ワタシはイケメンだったのでした」
真面目にそう言う小林に開いた口が塞がらなかった。
自分のクラスに空き教室から席を持ってきて、隣の席に小林を座らせる。
「取りあえず大人しくしとけよ」
「ハイ」
「それと俺は昼から消える」
「ナゼ?」
「学校に来たのはいずみちゃんの妹さんに用があるからだ。いずみちゃんの帰り道を聞いて告白するために待ち伏せる!」
「興味ブカイ」
「お前は適当に楽しんだら帰ってこいよ」
「ラジャー」
「っと忘れるところだった。ほれ小林、体操服だ」
「体操服デスか」
「3限目が体育だからな、制服ではやらないんだ」
「体育、イイですね。授業もタノシミです」
そうして学校が始まるのだった。
「じゃあ俺は中等部に行ってくる」
「イッテラッシャイ」
天王寺は教室を出ると中等部に向かった。
一方その頃教室をでは。
天王寺が居なくなり小林は女子達に囲まれていた。
「ねえねえ小林くん?天王寺とはどういう関係なの?」
「あ、ハイ、ん~そうデスね。一緒に住んでマス」
「!」
「え、え?ホント!?」
「激しくされタリ(昨日楓に話しかけてるときに蹴られた)、裸を見られタリ(その後変身時にみられた)。そんな感じデスね」
「「キャー!!」」
女子達が騒ぐ。
「天王寺ってそんな奴だったのか」
「不潔ね」
「天王寺くん……」
実はいずみちゃんと友達達もその会話を聞いていたのだった。
その頃なにも知らない天王寺は。
「い、妹さん!」
2階の外から校舎に張り付きいずみちゃんの妹の楓ちゃんを探していた。
「くそっ何で中等部に行っただけで悲鳴を上げられ追い回させるはめになるんだ…」
それでも何とか教室をの場所はゲットしたので校舎の外から教室に向かっていた。
「よし、ここだ」
窓の縁からこっそりと顔を上げ中を確認する。
1番後ろの窓側の席に居た。
天王寺は近くまでこっそりと向かい声を掛けた。
「楓ちゃん!俺だ天王寺だ」
「天王寺…さん?どこです?」
「こっちだ窓の外の下」
「えっ?……あっ!」
「っと、静かに頼む」
「あ、はい」
天王寺はその後何とかしていずみちゃんの帰り道を聞くことに成功した。
「ありがとな、っとそうだ。昨日の誤解は伝わってるか?」
「はい、姉さんも申し訳なさそうにしてました」
「それだけ聞ければ充分だ。じゃあな妹さん!」
そう言って天王寺は去っていったのだった。
「天王寺さん何するのかな…」
楓は少しだけ姉よりも天王寺が心配になったのだった。




