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初恋の相手にラブレターを渡そうとしたら、なぜかパンティとチラシを渡して警察に連行されました。  作者: お米リッチ


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第16話

「は、は…ハックション!!…うう寒い」

 震える自分の身体を抱き締める。

 俺はまだ軽トラの荷台に居た。

 もうどれほど走ったのか…。少なくとも数時間は走っているはずだ。

 すっかりと日は暮れ、辺りは真っ暗だった。

「ん?」

 スピードが落ちるのを感じる。

 幌の隙間から外を覗くと、高速道路ではなく一般道に降りていた。

「くっ、今しかねぇ……やるしかない!」

 後ろに車が居ないのを確認し、信号待ちで減速したタイミングを見計らって荷台から飛び降りた。

 アスファルトの上をゴロゴロと転がって見事に衝撃を逃がす。

 バッと立ち上がり、そのまま遠ざかっていく軽トラを見送る。

「ふぅ、乗ってたらどこまで連れていかれたのやら……ん?……待てよ」

 俺はふと足を止めた。

「……行き着くところまで行って頭下げたら、普通に乗せて帰ってくれたのでは……?」

 振り返るが、もう車のライトも見えなかった。

「やっちまったー!!」

 頭を抱える。

 取りあえず軽トラの進行方向の逆へと歩いていく。

 よくよく考えると財布もいずみちゃんの家に置いてきていた。

 寒さが身に染みる。

「走るか」

 走れば温まるだろう。

 月明かりの中を当てもなく走るのだった。


 しばらく走ると光が見えてくる。

 車やバイクが数台停まっているのが見えた。

 コンビニだ。

 暖房が効いてて中は温かいはずだ。

 そう考えた俺は、コンビニに駆け込んだ。

「はぁ、はぁ…温まらせてくれ」

「ひっ!」

 コンビニの中に入るとぶつかった女の子が尻餅をついた。

「はぁ…はぁ、悪いな」

 そう言って手を差し出す。


「止めな変態!」

 

 奥から凛とした声が響く。

 髪の長い女の子が腕を組みこちらを睨み付けていた。

「な、なにぃ?はぁ…はぁ、どこが…はぁ…変態だ!」

「息を切らしてイヤラシイ奴め!それに温まらせろだぁ?ウチの子に何する気なんだ!!」

「何って…手を出しただけ…」

「手を出すだと!表に出なっ!!」

 え~、なんだこの女。

 コイツも変な奴なのか。

 詰め寄られコンビニから追い出される。

 かいた汗が冷えて余計に寒い。

「さっさと終わらせるぞ。ほら、かかってこい」

 面倒だが、女を殴るわけにもいかないし適当に躱して終わらせるか。

「さっさと終わらせる?…もちろん終わらせてやるよっ!!」

 何故か怒り出して殴りかかってくる。

 拳が空を切る。

 まあまあの動きだな。

 あの痴女達くらいの身体能力だ。

「なんでっ!?当たらないっ!!」

「そんな!リーダーの拳が一発も!?」

「あの変態バケモノだわ!」

 避けていると次第に身体が温まってくる。

「はは、いいぞ。もっと来い!」

「なっ!?このっ!!」

 今度は蹴りが飛んでくる。

 スカートがめくり上がる。

「おい、見えるぞ」

「んーーー!!…あっ!?」

 もう一度蹴ろうとして軸足を滑らせる。

「ったく」

 転びそうな女を抱き止めると、真っ直ぐに立たせる。

「っ!!」

 女は顔を真っ赤にしてうつむいた。

「リーダー!大丈夫ですか?」

「リーダー!」

 仲間達が駆け寄ってくるのが見える。

「もういいだろ?」

 そう言ってコンビニに向かう。

「ま、待て」

 さっきの女に呼び止められる。

「私は神代司(かみしろ つかさ)だ。お前の名前を教えろ!」

 んー、名前くらいいいか。

「...天王寺隼人だ」

「天王寺か……助けて貰った礼はする。連絡先を教えろ!」

「連絡先って…スマホも財布も置いてきてるし……ん?礼はするって言ったか?」

「ん?…ああ、もちろん……嫁…とか……何でもいいぞ!」

「リ、リーダー?」

「司さん?」

 後ろの2人が心配そうに司の顔を見る。

「なら、金貸してくれないか?」

 俺は心からお願いした。







 ーーー次の日、学校にて。

「あれ?天王寺くん今日休みなんだ」

 いずみちゃんが小林に話しかける。

「エエ、昨日から帰ってマセン」

「どうしよう天王寺くんスマホと財布を家に忘れていってるんだけど…」

「ウ~ン、まあ天王寺デスから心配イラナイと思いマス」

「……そうだね天王寺くんだもんね」

「エエ」

 2人は笑う。

 その時、エンジン音が段々と近づいてくる。

 バイクの集団がアクセルをふかしながら校庭に入って来た。

「アッ、天王寺」

「えっ?天王寺くん?……ホントだ!綺麗な女の人の後ろに乗ってる!天王寺くんったら楓がいるのに~」

「……頑張ってクダサイ天王寺…」

 小林はいずみちゃんを横目に天王寺に向かって呟くのだった。



「サンキューな司」

 バイクを降りてヘルメットを返す。

「お、おう。こ、これ天王寺アタイの連絡先」

 そう言って司は紙を渡して来た。

「登録しとくわ。じゃあな」

 貰った紙をポケットに押し込むと、そう言って校舎に入って行くのだった。


 天王寺の背中を見つめる司。

「……里美、この学校の名前覚えたか」

「もちろんですリーダー」

「必ず入ってやるからな!待ってろ天王寺!」

 そう言うとバイクを走らせるのだった。




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