【休憩2 ー お母様とニーナの裏側】
来てくれてありがとうございます! よろしくお願いします!
今回は第ニ章と第三章の間に二つ短い話です。短いけど、第3章に関するヒントがたくさんあります!楽しんでください!
我が家の使用人たちと王子の使用人たちが、コールが意識を失ってから数分もしないうちに来た。誰かが私にきちんと説明してくれる間もなく、私は寝室に急き立てられ、ドアに鍵をかけられてしまった。私の背後では、王子たちがそれぞれ家臣たちに分けられ、どうやら別々の部屋へと連れて行かれたようだった。私が知っていたのはロンドンの言葉だけ。手錠を使って、義理の兄弟の体内にいた悪魔を殺した。それだけだった。まあ、彼こそが、あの厄介な下着泥棒だの事実も。
見た限りでは、どの王子も従者を連れていたが、私は違う。自分の部屋に一人閉じこもっていて、数分はあっという間に数時間へと変わっていった。閉じ込められたことに対するキツネさんの不安は痛いほど伝わってきたが、コールとの部屋での一連の出来事以来、エレイン1.0は妙に静まり返っていた。誰にも邪魔されない静かな時間を過ごせたらいいなと思っていたけれど、正直なところ、静かすぎる。寂しいとさえ感じたほど。
「ニーナもどこ......」と私は不安げに、声に出してそうつぶやいた。
寝室の窓から、兵士や大聖堂の魔術師、警官たちが到着し、あわただしく動き回るのが見えたが、それでも私のところへ来る者は誰もいなかった。不安を覚えながら、私はニーナが拾うのを手伝ってくれ、カイロがその由来を教えてくれた「ラッキーコイン」を取り出した。今なぜ運が必要なのか、あるいはもう運の魔法を使い果たしてしまったのかは分からないけれど……念のため、ね。
さらに1時間ほど経つと、お腹がひどい音を立てた。ああ、そうか。何も食べずにこれほど長い時間を過ごしたのは、たぶんこれが初めてかもしれない。魔法の空間からおやつを取り出そうとした、まさにその時、ドアの鍵が開いた。
魔法空間からおやつや取り出そうとして、ドアをノックする音がして、見知らぬ男が私の部屋に入ってきた。
彼の服は汚れてボロボロしており、目の下には隈ができていた。
「失礼します、お嬢様。僕は王立警察の警部です。いくつかお聞きしたいことがあります。この手錠、見覚えはありますか?」
「ぐっ。」
警察か......。
彼は、カイロのポケットに入っていて、私がコールにはめたあの手錠を差し出した。
「あ、はは、はい。コールとその王子たちの玩具ですね。」
「玩具か?」彼の顔に深刻な表情が浮かんだ。「これは極めて重大な品であり、王子たちが魔法の大聖堂から盗み出したものです。これを使えば、宿主の体内にいる悪魔を殺すことができます。」
私は驚いて、背筋を伸ばして立ち上がった。あの前の話は本当だったの? それに、王子たちがそれを盗んだというのは、どういう意味だったんだろう? ヨークやナンキン、あるいはあの親切な年上の少年カイロなら、絶対にそんなことはしないはずだ……。あ~、でも、ロンドンか......。
「知らなかった?彼らの計画には入っていなかったのですか?」
「ひっ⁈ 計画って? すみませんですけど、今日の前、今日まで、彼らとは1ヶ月間誰とも話していませんでした。」
「なるほど。まぁ、彼らも同じことを言った。えっと、僕はもう疲れたから、本題に入ろう。ハミルトン令嬢、あの悪魔を始末してくれて感謝します。今年ずっと悩みの種だったんです。今日は本当に、多くの人々を救いましたね。」
私は彼に温かく微笑んだ、そして彼の疲れの一部は消えた
「いいえ、いいえ。それは完全に偶然でしたよ~。全く知りませんでした。彼がどうやってあの手錠をかけられることになったのか、私にもさっぱり分かりません。」
警部は手錠を差し出しながら、「実はですね……ご両親を屋敷に戻す前に、どこか別の場所に潜んでいる悪魔の存在を排除しておかなければならないのです」と慎重に言った。「王子たちの証言によれば、その少年の体内に悪魔がいたことは確かです。しかし、彼らは皆の中、君がその悪魔に最も近いと言いました。念のため、お嬢様を最後にとっておきました。」
あ~、なるほど。いいアイデアですね。
私は彼に両手首を差し出した。
「どうぞ~。」
彼は私を奇妙な目つきで見た。
「本気ですか?」
「えっと、そうでない理由なんてあるの?」
彼は答える前に少し考えた。
「お嬢様。あの少年たちがこれらを盗み、今日集まって、あなたを襲った理由をご存じですか?」
「先、言ったよ~。全然分かりません。」
「そうか......。まぁ、とりあえず......。」
彼の表情が悲しげになり、カチリと音を立てて私に手錠をかけた。
もちろん、何の反応もなかった。
「だ、大丈夫か、お嬢様?」
「はい、は~い。何も感じない。」
「まぁ、よかった、よかった。それでは、失礼します。部下には引き揚げさせます。」
「どいう意味ですか?」
彼は何も言わずに手錠を外し、立ち去った。しかし、彼が立ち去る際、剣を私の部屋の扉に向けて構えた一隊の兵士たちの姿がはっきりと見えた。その中には、ニーナや、私の誕生日にいた魔術師たちの姿もあった。私はみんなに笑顔を向け、手を振った。
**********
その日の遅い時間、軽食をとって昼寝をした後。
私はこっそりと部屋を抜け出し、コールがいる部屋へと向かった。彼が魔法の大聖堂に入院している今こそ、彼の部屋を調べてゲームのアイテムを探す絶好の機会だったからだ。屋敷内の迷路のようなエリアにある「星」に加え、攻略本の地図にはコールの部屋にも宝の印が記されていました。さっきは王子たちが周りにいたので、それを探しに行くことなど到底できませんでした。まだ起きている時間帯なので、あまり時間はかけられない。とはいえ、今日のことのお陰で、その万が一見つかったとしても、それほど不審には思われないでしょう。おそらく誰もが怖がったり、あるいは迷信を気にしたりして、その部屋には近づこうともしれない。
念のため、またそのラッキーコインを魔法空間から取り出した。
今回も難なくドアの鍵を開け、中に忍び込んだ。
またしても、盗まれた下着を詰め込まれたぬいぐるみの山が、私をじっと見つめていた。
うわ、怖い......。
でも、どこから探し始めるか決める間もなく、外で足音がし、ドアの鍵が回り始めた。キツネさんの直感を頼りに、私は素早くコールのベッドの下に潜り込み、身を隠した。私が身を潜めている場所へ、二人の女性が入ってきた。
「一体どうして君がこれを掃除しなきゃいけないんだ? そのための使用人がいるだろう。」
「失礼よ。私も使用人なんですよ、ご主人様。」
「あ、すまん。でも、その呼び方やめて......私たちだけいるよ。」
「ちっ......まぁ、このくだらない家の中の誰にも、私やあなた、あるいはエレインの下着を漁られたくなかったのよ。」
お母様と......ニーナ⁈
私は目を見開き、声が漏れないように手で口を覆った。その話し方は一体どういうこと? ニーナがここはくだらない家って⁈ ニーナがぬいぐるみを拾い上げて破りながら、母はコールのベッドに座っていた。幸いなことに、この金持ちの世界では、子供用のベッドでさえ、前世の感覚からすれば五つ星ホテルにふさわしい代物だった。
「私たちだけって.....珍しいですね。ご主人様。」
「やめて。ににちゃん。」
えっと、ちょっと待って、二人がどいう関係⁈
「うるさい!」ニーナはぬいぐるみを一つ手に取り、母親に向かって投げつけた。「そもそも、なんで私についてここまで来たの?」
「うーん……言ったら、ににちゃんが怒るかも。」と母は力なく言った。
「もうあんたに怒ってるよ! エレインと一緒にいるべきだよ。今日、あの悪魔に娘が殺されかけたというのに、様子を見ることさえしようとしないなんて。」
母は何も答えなかった。
ただ、ニーナがぬいぐるみを引き裂く音だけが聞こえていた。
隠れ場所で、私は震えていた。正直にこんなことは、どうしても聞きたくない。
「実はね、ニーナ……今日、すごく怖かったんだ。ほら、今までも震えている。」
「はっ⁈ その情けない顔を辞めっ」
「あの少年もう起きたよ! 彼はすべてを自白した。その悪魔は、コールフィールド家にしたのと同じように、私たち全員を殺そうと企んでいた。」
「全員? 私たちも?」
「うん。だから、君に会いたかったんだ。無事か確かめるために。」
「そうか......。でも......。」
二人の女性は黙り込み、私はどう考えればいいのか全くわからなかった。どうやら私は、本当にあの暗い未来を阻止できたらしい。それから、コールの家族も本当にあの怪物に全員殺されたの? えっと、私が悪いかな? 彼にあんなに意地悪しなきゃよかったかも。
それにしても……今夜、お母様とニーナ、すごく怪しい。
ニーナは「もし私たちを殺すつもりだったのなら、なぜまだ死んでいないのでしょうか?」と聞いた。
「彼の証言によれば、彼が私たちの家族に到着した当初、あの悪魔はもう彼の悲しみを糧にしてる中。しかし、エレインちゃんが彼を幸せにしたことで、その力は弱まった。新たな宿主を探し始めた、と彼は言った。だが……」
「......だが、最近エレインちゃんが彼をいじめ始めたのだ。」
「その通り。どうやら、攻撃まであと数日というところだったようだ。」
「うわ、怖い。次は誰の体に乗り移っていたんだろう……。」
私はコールのベッドの下で、ごくりと息を呑んだ。
怖い、怖い、怖い!
母はため息をついた。
「ところで、彼はこれほどたくさんのぬいぐるみをどこで手に入れたのでしょうか?」
ニーナは彼女に向かって、もう一匹を投げつけた。
「聞かなかったの? あんたの臭い旦那が買って彼にあげているのよ。」
臭い旦那って⁈ つまり、お父様⁈ それはダメですよ、ニーナ!!
まあ、私も同じことを思ってはいたんだけどね……。
紙を折り曲げるような音で、母様がぬいぐるみの腕についているタグを開いて声に出して読んだ。
「『素晴らしい息子でいてくれて、ありがとうございます。ー ハミルトン公爵』って......。はっ⁈ 素晴らしい息子だって? どちらかと言えば、変態の息子だろう。エレインの方が明らかに優れた子供だ。バカジジ。」
「おい、静かに。」
褒めてくれてありがとうって言いたいけど......。
これって……これって......「情報収集」は今回も、いや、いつもこんな感じなんだか、キツネさん?
【うん。もうちょっと頑張ってね、エレイン。】
ニーナはまた別のぬいぐるみを引き裂いて開けた。
「でも、あんた文句は言えないよね。自分で望んだ人生なんだから。腹をくくるしかないよ。」
「それが分かる。でも、もう限界だよ~。ただお姫様になりたかったよ。でも、私にあるのは、臭い夫と、婚外子の息子と、鈍い娘だけ。その上、今度は悪魔まで⁈ 面倒くさすぎる。」
私はこわばって、すぐに目に涙が浮かび始めた。お母様......。
「その言葉を撤回して!」とニーナは母に向かって吐き捨てるように言った。「最近、エレインちゃんは本当に賢くなってきてるよ。せめて、あんたのような我儘な女が今日あんたの命を救ったことくらいは求めることげできるはずだ。」
「あ、悪い。意図したよりもきつい言い方になっちゃった。たしかに、誕生の儀式で、かっこよかった、私の子。」
「ちゃんと誤って。」
「はい、エレインちゃんがどこにいても、ごめんなさい。君の冷酷の母親は最悪だよ。」
「よかった。彼女が本当にいい子だよ。もう少し彼女と一緒に過ごしさえすれば……。」
突然、キツネさんが私の静かな泣いてるのを遮った。
【エレイン。魔法のこと、あまり分からないけど......もし良かったら、今日のラッキーコインが置いた方がいいと思います。」
私は唇を噛んで頷き、静かにコインを脇に置いた。
母様はすぐにベッドから立ち上がった。
「ね、ににちゃん。この生活は......いや、何でもない。」
それ以上何も言わず、彼女は立ち去った。
しばらくして、ニーナはため息をつき、「私たち、いつでも戻れるよ」とつぶやいた。
あれ? どういう意味?
ドアをノックする音がした。
「ニーナ? そこにいますか? 君の狐がまたこっそり抜け出しているみたいだね。」
「へ~、思ったより、速く動いた。じゃ、行きます!」
終わりを感じて、少し力が抜け、涙で濡れた目をこすった。
ドアで、ニーナが「でも、その子、一体何を探しているんかな~」と言いた。
もう何かを探す気力も失せて、私はただコールのベッドの下に横たわり、泣き続けていた。しかし、現実と向き合わなければならない時は、すぐにやってきた。だが、現実と向き合わなければならない時はすぐに訪れた。家族の破滅的な結末は回避できたかもしれないが、この世界にはまだ多くの謎が潜んでいるようだ。それどころか、この家族は「完全に救った」というのわけがない。まぁ、ゲームによれば、皆は自らの問題を解決するまで生き延びることはない運命のせいかな。
何しろ、これはまだゲームの始まりに過ぎないのだから。これからは、さらに多くの情報や手段が必要になるかも。
気がないまま、ゲームの箱と、目隠しにするためのスカーフを取り出した。しかし、目を覆って何とか元の状態に戻そうとした途端、私は息を呑んだ。打ち捨てられた廊下と同じように、ベッドの裏側は埃や蜘蛛の巣、そして……ペンキ⁈
ベッドの裏側に、ある特定の箇所を中心に黒い塗料が乱雑に塗り広げられていた。私は塗料が一番多く付着している場所へと体を寄せ、目を細めた。その中央には、紙一枚ほどの大きさの、薄い黒い長方形のようなものがあった。前世のシールか? もし、メーカーの? いずれにせよ、すっかりペンキで覆われていた。爪でその端を慎重につつき始めたところ、驚いたことに、触れた途端にそれがすぐに剥がれ落ちた。
「これは......お~、やったー! 攻略本の一枚だ!!」
読んでくれてありがとうございます。
もし分かりにくいところあるなら、ぜひ教えてください!
そろそろ、【第三章】!




