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【休憩1 ー エレイン令嬢のオーラ】

来てくれてありがとうございます! よろしくお願いします!


今回は第一章と第二章の間に短い話です。

エレインの「XRAY」という新しい呪文とニーナの呪文について!



戸を叩く音がした。

「おはようございます、お嬢様。お外は良い天気ですよ~。お邪魔します。」

「待って、ニーナ! 今はダメですよ!」私は大声を上げ、必死に手を振った。

「メイドにふさわしくない時間などないよ~。」


ドアが開いて、ニーナが入ってきた。

「あっ、見ちゃった~」私はうっかり言ってしまった。

「何をご覧になりましたか?」

顔を赤らめ、私は彼女に背を向けて両手で顔を覆った。

「何も! 絶対に何も!」

「嘘をつくはずなどないと確信しておりますが.....。じゃ、向き合って、それをもう一度おっしゃってください。」

「で、で、できない! 消し方、まだ出来ない。」

ニーナは一歩近づいた。「あれ、何を?」

顔を押さえたまま、彼女から逃れるために走り出し、ベッドに飛び乗った。

「エレイン!」

「近づかないでください!」


ニーナの動きは予想以上に素早かった。彼女は私をベッドからひょいと持ち上げ、くるりと身をピルエットし、私を地面に下ろした。残念なことにまだ眠たげな様子の弟が、目をこすりながら入り口に立っていた。とっさに目を閉じたが、もちろん何の役にも立たなかった。


「私の部屋、ダメですよ! 出て行ってください、コールさん」と叫びながら、私は同時にまたくるりと身を翻した。「あっ、また見ちゃった。」

もうニーナのこと、すっかり忘れてた。


私は素早くうつむき、床を思い切り睨みつけた。まったく、この二人をここから追い出さないと。落ち着いて、落ち着いて。これは、これまでの人生で目にしたことのないようなものではないね。恥ずかしがる必要はありません。ただ、また大人のように考えてみてください。


背後でコールは「悪魔、いや、エレイン姉さん。大丈夫? なぜ君の目は魔法に覆われているんだ?」と心配そうに言った。

あっ、そうだ。コールくんも光魔法の使い手だ。魔法を使っているのが彼には見える。


ニーナは私の肩を掴み、ぐっと力を込めた。「エレイン......。何(・)を見た?」

「ぐっ。」

「それから、忘れないでください。完璧な淑女は、自分の侍女に嘘をついたりしないものですよ。本当に、嘘つきだという評判が欲しいのですか?」

「やだ~。逃げた~い」と、私は床を見つめながら首を横に振り、涙をこぼれ始めた。


ネズミのように追い詰められ、素晴らしい考えがひらめいた。コールにこの魔法が見えるなら、単に光を使っているだけのはずだ。闇の魔法じゃない! 私の考えを受けて、キツネは応じた。

【ナイスアイディア! 部屋の明かりをすべて消しさえすれば、何も見えなくなるはずだ!】

「ん~、ちょっと待って。それはっ」私はつぶやいた。

何の前触れもなく、怯えたタコのように、黒魔術の奔流が私の中から噴き出し、私たち三人全員を墨のような闇で包み込んだ。恥ずかしさはあったものの、私はほっと息をついた。少なくとも、キツネの案はうまくいったようだ。目の周りを包む光の魔法の感触はまだ残っていたが、今やそこには何も見えなくなっていた。


闇の中から、ニーナの苛立った声が聞こえた。

「コール様、エレインの部屋から出て、ドアを閉めてください。彼女と私は、これから長いお説教をすることになりますので。」

彼女が私の肩を掴む力が、再び強まった。

「でも、ニーナさん。この悪魔が危ないよ!」

「私の怒りを疑わないでください、コール様」ニーナは冷ややかに言った。

口から「ぐっ」という音が漏れた。

コールがドアをバタンと閉めて走り去る間、私たちはただ暗闇と静寂の中で待っていた。


私は緊張して、ごくりと唾を飲み込んだ。

「すみません、ニーナ。わざとではなかったよ。」

「これが貴方様の新しい呪文? ということでしょうか? 部屋を暗くすること?」

「ち、ち、違います。この闇はただの魔法だと思います。」

「光の魔法を使ってください。何も見えないよ。」

「すみません。光の側は......もう稼働してます。」

「コール様いった通り? 目で?」

「はい......。」

ニーナはため息をついて、私を離れた。突然、メイド服の衣擦れの音と何かパッチンッする音が聞こえてきた。ニーナの指先から、キャンドルの炎のような光が一つ立ち上り、ゆっくりと部屋に明かりを戻してた。私は必死になって、視線を床に落とし続けた。


「悪魔ちゃん。もちろん、新しい呪文が何なのかを無理やり聞き出すのはタブーですが......。」


そうだ。この王国では、家族以外の人に自分の呪文の内容を詳しく話すのは非常に珍しいことです。前世の「種は絶対に明かさない」という言葉と、何か関係があるのかもしれないよね。しかし、実際的な話をすれば、歴史の勉強で学んだところでは、このタブーは呪文に基づく差別をなくそうとする取り組みによるものそう。魔法の使い手であれば誰でも相手の魔力量このこの王国の序列は血筋に基づいているが、他国の中には魔力量、富、軍事力、性別、あるいは使用可能な呪文の数などを基準にしているところもあるようだ。世界には、本当に差別のようなものが必要なのかな~。

まぁ、もしここが本当に前世で作ったゲームの世界だというのなら、仕方がない。


私が何も答えなかったから、ニーナは「いいわよ、秘密はそのままにしておきなさい、小さな狐の妖魔ちゃん。ただ貴方様のお役に立ちたいのけど」と言った。


まるで頭の中で「ピン」と音が鳴ったかのように、私は背筋を伸ばして立ち上がった。

えっ⁈ キツネの⁉ 何で急にその言葉⁈ エレイン1.0様、もしかして、この侍女が人の心を読めるのだろうか? 私たちの秘密は暴かれてしまったの? 


私の戸惑いに応えるかのように、彼女はくすりと笑い始めた。

驚いてメイドを見上げたが、すぐにまた頭を垂れた。

「あっ、見ちゃった......。」

「何(・)を(・)?」

「えっと、えっと......。すみません。言えません......。でも、ニーナ、何で急にキツネ......。」


ニーナは私の短い髪を優しくなで、くしゃくしゃとかき乱した。

「私の呪文ですよ。確かにエレインちゃんに説明したことないね。」

「やっぱり、心を読めますね。」

「心を読むって? フフフ、そう言ってもいいとは思うけれど、想像しているのとは少し違うんじゃないかな。」彼女は少し言葉を切り、それから話を続けた。「私は【オーラ】と呼んでいますよ。」

「えっ、 タブーは⁈」

「お嬢様は私の家族ですよ。」

彼女は炎を掲げたまま、私をベッドへと促し、私たちはそこに腰を下ろした。座っているおかげで、彼女の額や顔にだけ意識を集中させるのが楽になった。音もなくニーナの炎が青く変わり、奇妙な感覚が私の肌をよぎった。


「人々の魔法の形が、輪郭のように体を包み込んでいるのが見えます」と説明した。「火をつけ、その反応を観察出来ます。」

彼女の小さな青い炎は少し明るさを増し、その奇妙な感覚は、チクチクと刺すような痺れへと変わっていった。

「あぁ、そうなんだ? はは、じゃあ、私の考えてること読めないんですね。良かった~。もしそれをメイドとして持てたら、あまりにもずる過ぎます!」と、私は不安げに尋ねた。

あ~、でも何でキツネって......。


彼女は茶目っ気のある笑みを浮かべると、空いている方の手を私の背後に回し、何かを掴み取った。誰かに魂をつねられたかのように、私は背筋を伸ばして立ち上がった。え? 何かあったか、エレイン1.0様、あるいはキツネさん?

【【私たちじゃないよ】】と二人は同時に答えた。

ニーナはまたぐいと引っ張った。

「このフワフワ狐の尻尾が可愛いですよ。」

「⁈」

次、彼女は手を伸ばし、私の頭の上にある何かを指先で弾いた。

「この耳も」と彼女はにやりと笑って言った。

背筋に戦慄が走って、私は「ぐっ」か「ひっ」の間に迷ったから、何も言わなかった。


「さて、悪魔ちゃん、その新しい呪文はどういうものなのですか? 私もみんなの見せたくない所を見えるし、手伝えますよ。」


返事をする代わりに、彼女が相変わらず「悪魔」という言葉を使い続けていることに私は眉をひそめた。

「あの~、コールくんのように私が悪魔だなんて、本気で信じるのは.....」と、私は恥ずかしげに言い返した。

「信じるよ。」

「⁈」

「誕生日に図書館で、君のオーラは完全にキツネへと変わったよ。そんなこと見たことない。」

「そう......です......か。でも、私が、ひっ⁈」

彼女はまた私の尻尾を引っ張り、私の反応を見て笑った。なんとなく、彼女はこういうことをよくやっているような気がする。今考えてみると、母と同じように、ニーナも私が思っていたよりずっと若い。どう見ても20歳以下だろう。ということは、私がまだ赤ん坊だった頃、彼女は……

あ、まさか! お母様、ニーナがエレイン1.0様をいじめているっていうのは、このことだったの⁈


その意味するところに思いを巡らせながら、私はうっかり口に出してしまった。

「キツネになる前は、どんな姿だったんだろうね」と尋ねた。

ニーナは「牛だったもんね」答えた。

「......。」

「......。」

【......。】

【......。】

エレイン1.0様、ごめっ。

【何も言わないでください、エレイン2.0ちゃん。】

了解......。


二人のエレインが言葉を失う中、キツネは微笑み、反撃に出た。

「でもね、ニーナ姉(・)さ(・)ん(・)。今日、何で男性のパンツを履いていますか?」


ちょっと待って、キツネさん! それは絶対にダメですよ!


ニーナは青ざめた顔で、ベッドからさっと立ち上がった。

「一体どうやってそんなことが分かるんですか?」

「すみませ~ん、ニーナ。新しい呪文ですよ。薄いものなら透かして見ることができます。」私は、彼女の立っている姿から視線をそらした。「ただ、無効にする方法がまだわかりません。」

「この下着のこと、だ、だ、誰にも言わないでください!」

「うーん、もちろんよ~......。でもニーナ、一体どうしてそのパンツを? 楽なの?」

「お嬢様! そんなことを口にしないでください。考えることさえやめておけ!」

「でも......。」

彼女は首を横に振り、一方の手を立っててに振った。

キツネは再び攻撃を仕掛けた。

「はい、は~い。ニーナ姉さんの趣味ですよね。」

「違~うよ! ただ、最近誰かが皆のパンツを盗んでるよ! 残っているものは洗濯中ですよ!」

「私のも⁈」

「えっと、実は、そうです。この間に気づきました。」

「私のも⁈」

「えっと、はい。この間に気づきました。」


あれ? 下着泥棒? 同じ家屋の下に? ウチの縄張り?

前世の世界一として、これは絶対に許せない。




【キツネさんは世界一下着泥棒だったの⁈ カッコイイ怪盗だと思いました!】とエレイン1.0は私の頭の中で言った。

【ただの牛は言葉をもっとゆっくりに選ぶべきだよ。】とキツネさんが答えた。

二人、静かにしてください。

読んでくれてありがとうございます。

もし分かりにくいところあるなら、ぜひ教えてください!


そろそろ、【第二章】!


第二章の新しいキャラ:3人の王子、下着泥棒、牛⁈

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