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【休憩3 ー キツネとウサギ】

来てくれてありがとうございます! よろしくお願いします!


今回は第三章と第四章の間に短い話ですね。多分大丈夫だけど、第10エピソードと第1、ちょっとしたつながりがあります。記憶を呼び起こしたいなら、そこへ行ってみてください!


ところで......最近、主人公の名前を変更しようかと検討しています。このジャンルでは「エレイン」という名前が、予想していた以上に人気なようですね。新しい名前はまだ決まっていませんが、読んでくださっている皆さんに、あらかじめお伝えしておこうと思いました。



「ウサギ! イヌ先生!」

突然目を覚まして上体を起こし、自分の顔を掴んだ。


ウチの周囲には、白い何もない空間が広がっている。

「ここは? あ~、そうか。」


自分の声に反応して、小さな手がウチをぎゅっと抱きしめた。

「あ~、キャっ、いや、エレイン1.0だ。あれ? じゃない?」

なぜか、エレインがウチの隣で眠っている。


彼女のどこかが違って見えるが、それが何なのか、はっきりとは分からない。布団の中、ウチの反対側で、誰かが身じろぎした。慎重に毛布を持ち上げ、そこにもう一人の小さなエレインを見付けた。二人の少女を交互に見比べた。最初のは、男子のように短い髪だ。なるほど。一方はエレイン1.0で、もう一方はエレイン2.0というわけ。言い換えれば、私たちの本体は眠っているの。でも、それって変じゃない? ウチも眠っていたってことだよね? 1.0ちゃんも?……実はここに来てから、私たちが眠ったのは初めてだと思う。普段は、彼女が眠っている間、ウチたち二人が彼女を見守っていた。


彼女に目を細めた。気のせいかもしれないけれど、エレイン2.0って1.0に比べて痩せて見えない? それとも、どこか具合が悪いのかな? それだけでなく、ベッドの脇には、彼女が手に入れた覚えのない新しい品々が置かれていた。お菓子の山、より大きくなっていた。コインも増えていた。それに……新しい攻略本のページまで? どう考えてみても、気づかないうちに時間が過ぎていた。


でも、どれくらいの期間? それに、一体何があったの? そして何より重要なのは、なぜ2.0ちゃんはどこか病弱そうに見えるのか、という点だ。エレインが弟の部屋に押し入ろうとした時、小さな1.0ちゃんを制止したことを覚えている……。エレインが母親とメイドの会話を盗み聞きしていたことも……。その後……その後……。


いや、そこまでだ。

2.0ちゃんを目覚めさせて彼女に尋ねることができればいいのだが、たいていの場合、彼女は意識を取り戻すとすぐに姿を消してしまう。その代わり、1.0の方を目覚めさせてみようかな。もし、何かを知ってるのかな。彼女をそっと揺すってみたが、何の反応もなかった。うーん、おかしいな……。


「まぁ、とりあえず、その新しいページを読もう。」


エレイン2.0越しに身を乗り出して手を伸ばそうとしたが、自分の腕を目にした途端、動きが凍りついた。子供のものと同じくらいの長さだった。おそらく、エレインのものと同じくらい。ウチは不安げに自分自身を見つめ、ゴクリと息をのんだ。いつの間にか、私の体は他の二人の少女と同じくらいの大きさまで縮んでいた。あ、待って。私、まだもう少し大きいかな。


「一体っ。ぐっ。」


視界が完全に暗転し、意識を失った。そのまま、エレイン2.0の上に倒れ込んだ。


ウサギがウチを殴ったので、ウチも殴り返した。

「おい、二人やめて」イヌ先生が命じた。

「このバカのせいで、ウチたちの苦労が台無しになるところだった!」叫んだ。

「うそ! そんなことは一切していないよ! 私がこっそり近づいたから、腹を立てているだけだろう。」


ウチは次の攻撃に備えて拳を構えた。

「キツネ。行こう。もう、ここに来た目的は果たした。この単純な子は、好きに遊ばせておけばいい。」

「あ、はい。先生。」

「子供じゃないよ!」って、ウチと同じような仮面を被った少女が悲鳴を上げた。


ウチの法定後見人は彼女を無視し、私を無理やり引きずって連れ去ろうとした。ウサギと名乗る少女は、ついてこなかった。肩越しに彼女の方をちらりと見たが、彼女はすでに次の場所へ移り、オフィスの机や引き出しをあちこち漁っていた。ウチと先生がここへ来た目的はわかっているが、彼女はいったい何を探しているのだろうか。


薄暗い工場の外で、私たちは先生の車に乗り込んだ。その車は窓が黒く塗られ、ナンバープレートもついていない。車内で、ポケットから会社から盗み出したデータチップを取り出し、先生に手渡した。


「よくやったね、ーーーーさん。明日の今頃には、こうした大金持ちの連中は皆、ロシアへ向かう飛行機に乗っていることだろう。」


ウチはただ頷き、窓の外に目を向けて、再びあの工場を見つめた。今もなお、工場の窓のあたりでその子の懐中電灯が動き回っているのが見える。ただの偶然ということはない......かな?


「おい、集中して。まだ、無事にホテルに帰り着いてはいないよ。」

「はい。」


まだ免許を持っていないのに、車のエンジンをかけ、家に向かって車を走らせ始めた。

「先生、あの子、誰だと思う? なぜ彼女は、お前の標的のところに何度も現れるんだ?」

「大したことじゃない。だが、二度と彼女にこっそり近づかれないようにしろよ。」

「チッ。」

「それより、明日のパフォーマンスを整たのか、そっちの方が心配だよ。」

「まぁ、うん。でも、どうしてもわからない。なぜいつもウチでなければならないの?」

「この国には象徴が必要だ。長期的に考えれば、それは君であるべきだ。それとも、僕より先に死ぬつもりなの?」

「い、いいえ。ただ......いや、何でもない。」

た(・)だ(・)、これはあくまでお前のくだらない任務であり、ウチとは何の関係もないよ。


唇を噛み、孤児院時代の先生が言った言葉に思いを巡らせた。『頑張って、ーーーーさん。これが、まともな人生を送るための最後のチャンスかもしれません』って。なんてむちゃくちゃな嘘だ。これが...... まともな人生かい? バックミラーに目にして、ウサギがまだ中にいるあの工場を、最後にもう一度見ておきた。……少なくとも、ウチだけじゃないってことかな~?


「あの娘のことは気にするな、それにパフォーマンスのこともな。ーーーーさん、君はもう、まるで映画スターだ。退屈なコメディ番組に乱入して、その仮面で世界中を恐怖に陥れる日も、そう遠くはないだろう。」


ウチはただ頷きながら、東京の南の暗く人影のない通りを車で進んでいった。


翌日、あちこち歩き回りながらセリフの練習をしていたとき、ホテルの近くに大きい中学校の前を通りかかった。校庭では、生徒たちが野球やサッカー、陸上競技の練習をしていた。ウチはメモカードをポケットにしまい、金網のフェンスにもたれかかって、彼ら全員の様子を眺めていた。


ウチの右で、聞き覚えのある声がした。

「あの子供たちは何をしているんだ? 兵士訓練なのわ?」

そして、私の左側には……。

「違うよ~。彼らが楽しんでいるのが見えないの?」


自分の両側にいる小さな女の子たちに目を向けた。

「エレイン1.0、エレイン2.0。なぜここにいらっしゃるのですか? これは本物だと思った。」


二人は。

「そう? でも、私たちは、ずっとここにいましたよ。」

「その工場から、何を盗んだか?」


ウチはため息をついた。

「今までも、分からない。先生が教えなかった。」


エレイン2.0が「へ~、あのジジはケチだ。彼はたぶん、キツネさんをだまそうとしていたのだろう」と言った。

1.0は「え? その人はキツネさんのお父さんではありませんでしたか?」と聞いた。

「いや、彼......。自分の父親に会ったことがないよ。母親も、見たことない。」


エレイン2.0は悲しげな表情を浮かべたが、1.0の方は当然ながら、話題を変えようとした。

「でも、ここはどこ?」と聞いた。「この子たちが何をしているのかについては答えてくれませんでしたね。」

「ここは日本だよ。あの子たち、要するに、趣味といったところだ。」

エレイン2.0は「この間、ニーナが私たちに、何か趣味を見つけなきゃと言ったんだ」と呟いた。

「え? そう? いつ?」

「二人が寝ている間に。」


エレイン1.0は、聞こえていないようだった。

「あの子たちはキツネさんのお友達でしたか?」

「いや、ウチ……子供の時、友達がいなかったよ。」

「噓ですよ~。昨夜、兎の仮面をしていた女の子はどうですか?」

そして、エレイン2.0は「そうね、キツネさん。孤児院には、少なくとも一人、手話を教えてくれる子供もいたよ。」

ウチは驚いて眉を上げ、「どうしてそれを知っているんだい、2.0?」と尋ねた。


ちょうどその時、学校にいた少女の一人がソフトボールを力強く打ち、ボールがまっすぐ私たちの方へ飛んできた。別の女の子、外野手、私たちのほうへボールのために走ってきた。


彼女は「すみません! 怖がらせてしまったのなら、本当に悪い。大丈夫?」

「「「あ、うん。」」」ウチ、エレインたち、一緒に答えた。

記憶の通り、その可愛い女の子の笑顔に、ウチの頬はピンク色に染まり、心臓がどきどきと高鳴り始めた。

ウチの両脇で、エレインたちが「わあ、綺麗〜」と同時に言った。


クールに振る舞おうとして、肩をすくめてみた。

「別に。ボールだけだよ。」

「それがよかった~。ん、その私服は.....えっと、君を学校で見かけたことはないね。」

「そう。観光者です。日本にいる家族を訪ねています」と先生作った話通り、噓ついた。

「えっ、マジで! 外国人か⁈ かっこいい! でも、この付近には、あまりやることがないね。」


この子のチームメイトたちは、彼女に急ぐよう叫んだ。

「ごめんね。行かなきゃ」彼女はボールを拾い上げ、走り去り始めた。「ところで、『こはく』です! その服がかっこいいよ!」


ウチは、全身黒の自分の服装に目を落とした。


「キツネさん、その子が好き~だよ~」とエレイン1.0が大きい声で言った。

2.0は「でも、彼女すごく疲れているように見えたよね? 目の下にクマがあったし」と言った。


ウチはうなずいた。さすが、エレイン2.0。彼女の目は、ウチがこの年齢だった頃の目よりも良い。あの時、気づいてさえいれば……。


「うん。というのも、彼女は昨夜ずっと外に出ていて、その工場に侵入していたからだよ。あれがウサギ。ウチを殺した女。」


「「ひっ!!」」


ウチはエレイン2.0に目を向けた。

「彼女だけじゃない……君も疲れているみたいだね。寝ている間に、何があったんだ?」

「あ~、アハハ、色々ね!」


エレイン1.0は遠くを見つめるような目で、年上の中学生たちがスポーツをしている様子を眺めていた。

「あたし、友達がいたらいいのにな~。」


2.0の目は興奮で輝いた。

「そうそう! 心配しないで、エレイン1.0! この間、新しい友達ができたよ! 女(・)友達! クちゃんって! 明日、彼女の家に遊びに行くよ!! カイロくんも会うかも!!」


エレイン1.0は微笑んだが、いつものような温かさは感じられなかった。

「そう? 本当によかったね......二(・)人(・)の遊びを見るのが楽しみです。」


突然、2.0はまるで電気ショックでも受けたかのように背筋を伸ばして立ち上がり、そのまま姿を消した。その瞬間、驚いてまばたきをすると、周囲のすべてが真っ白な空間へと変わった。奇妙なことに、1.0はまだ眠っている。奇妙なことに、1.0はまだ眠っている。



*********


エレイン2.0が消えた。キツネさんも。

それから、その「日本」の景色が消え失せ、私は完全な暗闇の中、ただ一人取り残された。


「また......ここ......ですか......」私は震える声で言った。


実は、私たちキツネさんの記憶を見る前、私はこの暗闇の中にいた。

エレイン2.0の言葉によれば、今眠っているらしいけど、なぜ? これまでそんなことはなかったと思う。さらに悪いことに、私たちの人生のあとどれだけの部分を、私は見逃してしまうことになるのだろうか。


そのことについて深く思いを巡らせる間もなく、またその声が始めた。


「あいつを見てみろよ、また笑顔のバカ。」

「あの奇妙な目。」

「肌の色も。」

「彼女はまるで、異世界から来た怪物のようだ。」

「そうそう! そして、あの派手なドレスは彼女にはもったいない!」

「えっと、実は……使用人の中に、似たような人々っ」

「しーっ、彼女は耳を傾けているようよ。」


暗闇の中、私は走り出した。

あの恐ろしい声から、ずっとずっと遠くへと。


もっと遠くへ。もっと遠くへ。もっと遠くへ。


暗闇の中で、何らかの硬いものにぶつかって転んでしまった。


「すみません! 君、大丈夫ですか?」

炎に包まれた片手が現れ、私を助けようと差し伸べられた。


私、「だ、大丈夫です」と噓ついた。

「本当に? でも、泣いてるんじゃないの? それに、貴方の素敵なドレスが汚れてきていますよ。」

燃え盛る手が、受け取るよう私に合図した。

「貴方様はどなたですか?」

「えっ? 僕のセリフではないか? 貴方は僕の城にいるのだから。」その声は笑い、手が伸びてきて、私の涙のひとつを拭い去った。「僕は、ヨーク・ロードです。一番最強、第一の王子!! 初めまして!! 一緒に冒険に出かけませんか?」


その手を取り、目を覚ました。


近くに立ち、攻略本のページの一枚を読んでいるキツネさんは私の方にちらりと目を向けた。

「おはよう。調子はどう? ずっと寝ているんじゃないかと心配していたけれど、同じくらいの時間に目が覚めたみたいだね。」


私はただ頷いた。


「あれ? 少しぼんやりしているようですか? 今朝、外の様子から察するに、何が起きているのか分かるかも。どうやらエレイン2.0ちゃんは、魔法が尽きてしまったようだ。ニーナは、自身の魔力残量がほぼ通常の状態に戻ったと言った。」


キツネさんが歩み寄ってきて、私の長い髪をポンポンと撫でた。


「私たち、二人とも目が覚めたことだし、眠っている間に何があったのか、彼女に聞いてみよう。」


読んでくれてありがとうございます。

もし感想やフェードバックなどあれば、教えてくれませんか?


そろそろ、【第四章】!

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