【第三章 王女を救ってみよう!】- 2/3
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今回は、いくつかの伏線が一つに収束します!
「やはり、最初から話すべきでしょうね」とカイロ様は、姿の見えない妹の方を身振りで示しながら言った。「こちら方は、私の可愛いな妹ですね。クスコ・ロード。彼女は王位継承順位の第19位であり、したがって最後尾に位置しています。ハミルトン様と同じ10歳です。」
クスコ様は微笑み、私にカーテシーをしてくれた。
「初めまして。エレイン・ハミルトンです」とお返しに、自己紹介をしました。
彼女は何も言わずに微笑んだ。
うわ、第19位か。そして、カイロ様は、なんだけ、12位か? これまで、王族の子供といえばせいぜい4、5人くらいしか聞いたことがなかったのに。旧王族である私を含めれば20人にもなるわけだ。これじゃあ、何らかの継承争いが起きるのも無理はないよね。ん、待って……ということは、今後数年のうちに王に何かが起こるということなのだろうか?
「クちゃん、僕の妹は......えっと、彼女の耳に問題はありませんが、生まれたから、唖者です。」
「あ、しゃ?」
「はい。彼女はまともに話すことができません。ちなみに僕と同じく、土魔法の使い手ですが......。あ、ごめん。言い過ぎたくない。えっと、クちゃん、どこまで言っていいの?」
クスコ様は鞄から小さな手帳を取り出し、何かを書き込んで、それを彼に手渡した。カイロ様がいつそのノートを目にするのかと思いつつ、私はただ待つことしかできなかった。カイロは手早くノートに目を通すと、妹が受け取れるよう、それを再び何もない空間へと差し出した。
「ありがとう、クちゃん。では、数年前にいくつかの事故のせい、彼女は水魔法も身につけました。それは特に問題ではないけど、彼女がそれを正しく使いこなせるようになる前に、8歳になりました。儀式の際、彼女は一冊の本を選んで新しい呪文を授かりました。その瞬間が、彼女の姿を目にした最後だったね。」
「ぐっ。噓......。それは怖い過ぎでしょう。」
「あ、はい。正直なところ、家族にとってかなり衝撃的な日でした。彼女が言葉を話せないということもあって、なおさらですね。」
驚きつつ、私は二人の間を交互に見た。「XRAY」のお陰で、クスコ様はまともな子しか見えないけど、一方下着姿のカイロの方が可笑しい。もしかして、ニーナが私をここに連れてきたのは、私たちの境遇が似ているからなのだろうか?
カイロは説明を続けた。
「最初は怖かったですが、慣れましたね。椅子が空いているか確認するのとか、後ろでドアをバタンと閉めないことも。それでも……。」
彼はくすりと笑い、妹もまた、手で口元を覆いながら音を立てずに笑った。
「それでも、まるで幽霊と暮らしているようなものです。」
「な、なるほど~。えっと、二人様、この状況を笑えるというのは、本当に素晴らしいことですね。」
「まぁ、父上が彼女を助けようと城から専門家を寄越してくださったので、きっと永遠には続かないでしょう……。ですが、誰も彼女の姿を見ることができないため、何がいけないのかを知るのは難しいのですよ。」
「専門家......。」
「あ、そうだった! 君の手紙だ! だから今日はハミルトン様が、ここに来てたんですね。君がクちゃんを見えるって言ったせい、すっかり忘れていました。ご家族から、クちゃんの先生との面談を希望されていたんでしたね。あ、でも、先生の専門は......まさか、君も......。」
彼の驚きに呼応するように、クスコ様は眉を跳ね上げ、驚きに開いた口を両手で覆った。
その専門は? くそっ、ニーナ。なんで何も説明してくれなかったんだ?
二人の視線を避け、不安げに笑った。
この兄さんに『下着が見えてるよ』なんて、そう簡単に言えるわけじゃないよ。
「えっと、あ、はは......はい。私の状況が......似てますね。」
突然、カイロの顔から血の気が引いた。
「噓......。」
「ひっ⁈ な、何?」
「いや、えっと、何でもないです。」
彼が明らかに何かを心の中で葛藤している様子だったので、私は急いで話題を変えようとした。
「ところで、カイロ様。本日はどうしてこちらにいらっしゃるのですか?今日は魔法学園にいらっしゃると伺っておりましたが。」
「あ~、えーと、君も今日来ると聞いて、母に無理やり学校を休まされたんです。案内するために」
「私......も?」
「はい。もちろん、君のお母様もそれほど時間を置かずに到着されましたね。」
はっ⁈ ママも? なんで!! おい!! ニーナ!!
今日の後、じっくりとレッスンをする必要がありそうですね!
だが、カイロ様が思い悩んでいたことは、依然としてそこに残っているそう。彼が私と、妹が立っていると思しき場所との間で絶えず視線を往復させていた様子……あれには嫌な予感を覚えた。彼はかなり賢そうだけど、今私が彼の下着を見ていることに気づいているのかな?
彼は「先生のところへ連れて行ったほうがよさそうですね……」と呟いた。
彼の隣で、妹が興奮した様子でうなずいた。
じゃ、それなら秘密兵器を使うことにする。ごめん、カイロ様。私の変態的な能力について、噂を広めさせるわけにはいかない。
「そうか!! ちょうどカイロ兄さんがここにいてくれて、本当に良かったです! ほら、見て見て! また古い魔法のコインを見つけたよ! それが何なのか、特定していただけますか?」
魔法空間から2枚目のコインを取り出し、彼に差し出した。
たちまち、彼の表情は興奮に変わった。
彼は慎重にコインを拾い上げ、「お~! すごい! これは......え? どこに?」と言った。
彼がコインに気を取られている隙に、私は彼の妹の手を掴み、彼女を引きずりながらドアの方へと走り出した。
「後でね! クスコ様がが私を案内してくれますよ~。」
「ちょっ......待っ......。」
面会室の外に出ると、クスコ様は私の手を握ったまま、笑顔で先頭に立って早足で進んでいった。私たちは彼女のこぢんまりとした屋敷の廊下を駆け抜け、その足音を石の床に響かせた。私たちがカイロから逃げ出していることについて彼女がどう思っていたのかは分からないが、目的地に近づくにつれて彼女のスピードが上がっていくのを感じた。まるで、彼女の興奮が次第に高まっているかのようだった。そういえば、この人生で同年代の女の子と二人きりになったのがいつだったか? 思い出せないくらい? いつも決まって、王子様か、大人か、意地悪な女子のグループのどれかだ。
あれ? 意地悪な女子のグループ? それはキツネさんの想い出か? エレイン1.0の⁈
子供時代の入り混じった記憶について自問する間もなく、クスコ様がドアを勢いよく開けて飛び込んできて、私を散らかった書斎へと引きずり込んだ。突然の乱入に、机の後ろにいた年配の女性は、驚きのあまり椅子から転げ落ちそうになった。
「この喜びをもたらしてくれたのは誰かな、坊や?……おっと、失礼、お嬢ちゃんだったね。」と聞いた。
不安げにクスコ様の方を見ると、彼女は興奮した様子でその老婦人に身振りで合図し、それから自分自身を指さした。
「し、失礼いたしました。エレイン・ハミルトンです。」
「なるほど、なるほど。それで、カイロくんはどこに?」
「代わりに、クスコ様が案内してくれました」と私はクスコの肩を軽く叩き、答えた。
先生は目を大きく見開き、突然立ち上がった。
「彼女が見えるの⁈」
「はい。」
「ご家族からの手紙には、目に問題があると書かれていましたが、これは問題などではありません! 奇跡です! 彼女はどんな様子ですか? 無事ですか?」
クスコ様は興奮気味に頷いた。
「私には彼女、元気そうに見えますけどね。それに、今まさに頷いていますよ」と答えた。
まだ自己紹介をしていなかったその教師は、散らかった机の上を探し始めた。
「でも、それじゃつじつまが合わない。もし彼女が2年間も絶え間なく魔法を使い続けていたのなら……ひどくやつれているはずだ。」
「そうか......。」
よく分からないけど……。
クスコ様は両腕を上げ、まるで重量挙げの選手のように力こぶを見せる真似をした。
「どう見ても、大丈夫そうです。」
「長年の研究の末に言わせてもらえば、全く理屈に合わない。それに、なぜ君には彼女が見えるんだ?」
「あ、えーと、実は……。」
私は恥ずかしそうに、ちらりとドアの方を振り返った。今界には、医師と患者の間の守秘義務なんてものがあるのかどうか、ちょっと疑問だね。それに、クスコ様のことを本当によく知っているわけでもないし。よりによってこの私が「闇魔法」を操り、人々の下着姿を見通せることがバレたりしたら……。
「えっと、先生、クスコ様。これがちょっと恥ずかしい話です。」
「確かに、そのお手紙に、それについて何か書かれていました。どうぞご安心ください、私はプロフェッショナルですから。それに、今日はご家族が君を私に託してくださっているのです。」
クスコ様は手を伸ばして私の腕を軽く叩き、微笑んだ。
うわっ、これがエレイン1.0も持っていた力なのか?
「ん、先生? 具体的に、あなたの専門は何ですか?」
「ご家族は説明してくれなかったのですか? 私は、二つの魔法のタイプを持つ者たちを教えているのですよ。」
「な、なるほど……私は……生まれつき光の魔法を持っていました。でも今は、闇の魔法も使えるんです。そして誕生日に、光と闇の魔法の呪文を授かりました。」
クスコ様は驚いて背筋を伸ばし、驚きに開いた口を両手で覆った。
その通り、クスコちゃん、私たちの境遇は全く同じなのよ。
その先生は眉をひそめた。
彼女は「だから、ご家族がこれをスキャンダルとして扱っているわけですね。確かに君の強かったお祖母様も、間違いなく動揺されることでしょう」と静かにつぶやいた。「まぁ、とりあえず、新しい呪文はどうなったの?」
「光魔法で起動してみたのですが、切れなくなってしまいました。」
「待って、誕生日はいつだっけ?」
「三週間前ぐらい?」
「睡眠や食事の様子はどうですか?」
「ひっ⁈ どうやってそこまで知ってるの?」
先生は口笛を吹いた。
「三週間か。流石、君の血。たいていの子供なら、今頃は死んでいるだろう。」
私は一歩下がった。
「なにそれ⁈ 怖い、怖い、怖い!!」
まさか、思ったより、この世界がヤバすぎ。
「あ、悪い。声に出すつもりじゃなかったんだ......。とにかく、何の能力?」
「私は物の中まで透かして見ることができるんです」と説明し、私は指を2本、少し間隔を空けて立ててみせた。「これくらいの厚さなら。」
「なるほど。その弱い呪文ですね。それなら問題は『消すにできないこと』ではなく、最初に正しく使っていなかったことにあるわけですね。ちょっと待ってください。」
その教師は、自分の書類やメモをすべて探し始めた。
弱いって......。攻略本の187ページのことを考えていた。「XRAY」は188ページに載っていたようですが、もしかすると右側も左側と同じような「木」の形をしていたのでしょうか? だとすれば、この呪文はレベル1の呪文なのかもしれないね。
「ところで、これを見たことはありますか? 君にはまだ少し早いかもしれないけれど、私はすべての患者さん……いや、生徒たちにこれを見せるようにしているんです。」
「あっ、ちょっと待って、先生。」
先生が1枚の紙を掲げたけど、【XRAY】のせい、何も見えなかった。急いで魔法空間からスカーフを取り出し、目元を覆った。すると、紙が現れ、クスコ様は姿を消した。彼女が立っているとわかっていて少し怖かったが、私はその古びた書類から目を離さなかった。
私の体はこわばった。
上部には【コレクターズ・エディション取集アイテム: 攻略本 pg. 188】と日本語で明瞭に書かれていた。 その下で、【インパクト・レボリューション:スキルツリー右】も書いてある。まさか!! これは、本物のゲームアイテムか!! 私のページにあったような、木の図だったが、単色の円ではなく、2色で構成された円が使われている。また違って、このページは私の新しい世界の言語で書かれた手書きのメモで埋め尽くされていた。
「まだこれを見たことなさそうですね。」彼女は円の一つを指さした。「心配しないで、これはたぶん、君の呪文ですよ。確かに、白と黒魔法の両方を使える人は多くありませんが、幸いなことに、この特定の魔法は一番下にあるため、私、よく知られています。」
思わずそのページの裏側を見ようと手を伸ばしたが、教師はそれをさっと引き取り、机の上のノートや本の山へと放り投げた。見つけようとスカーフを外しかけた途端に、彼女は本を取り出し、ページを私に見せてくれた。そこには、光を放つ目、リンゴ、そしてそのリンゴの背後にある黒い正方形を描いたシンプルな図が描かれていた。
「要するに、見たいものの背後に闇を作るということです。本当にそれだけのことなんですよ。君にはまだ少し難しいかもしれませんが、黒いものに光を当てて、鏡のように反射させるという仕組みなんです。」
「そうか......でも、闇の魔法を使ってみたのは一度きりですが、それだけで部屋全体が暗くなってしまいました。どうすればリンゴくらいの大きさまで小さくできますか?」
その女性の先生は首を横に振った。
「強っ、ふむ、さすがは君の家系だね。普通なら数ヶ月の練習を勧めるところだが、君にはそれだけの時間がないだろう。」
「ひっ!! 怖い!!」
「ごめん、ごめん。問題ない。ただ少し違うやり方をするしかなさそうですね。この部屋を闇で満たしてください。」
「あ、はい。」
またしても、怯えたタコのように、私は部屋が真っ暗になるほどの黒い闇を噴き出した。
「さあ、部屋の外に出て、ドアだけでわなくその壁の向こう側を懸命に見ようとしてみてください。もし闇魔法を抑えられるなら、壁を利用することにしよう。」先生は暗闇の中で言った。
私はすぐに彼女の指示に従った。暗闇の中、足元を確かめながら慎重に書斎のドアまで戻り、それを開けて、日の光が差し込む廊下へと足を踏み出し、ドアを閉めた。何が起こるかわからないけど、私は目を細め、壁の端から端までを凝視した。
「うわっ! 二人の姿が見えるよ! でも……うわぁぁぁぁぁっ! すごい!」
これまでは、XRAYを使うときは単に物の中を透かして見ていただけでした。だが、今は全く違う。まるで、前世で見た医療用X線写真が動き出し、生きた映像になったものを見ているかのようだった。あらゆるものの輪郭は幽霊のような白で、それ以外は奇妙な黒色をしていた。それに、クスコ様とその先生の骸骨が、私を辛抱強く待っているのも見える。内臓のうっすらとした輪郭さえ見えたんです! すごい、すごい、すごい!もし前世でこれを持っていたら、どんなに多くの警備員や目撃者の目を盗んででも、こっそり通り抜けられただろうに!でも、クスコ様は......。
「あれ? 何それ?」
クスコ様の周囲には、頭から薄い布のようなものが掛けられているのが見えた。
「えっと、クスコ様! 少し動いていただけますか」とドア越しに叫んだ。
透明な少女の骸骨が、小さく踊った。
その奇妙な輪郭は、彼女の動きに合わせてひらめき、たゆたっていた。
ん、もしかして...... でも、これが見えるのは、私だけ……。
まばたきをすると、すべてが元通りになった。再びまばたきをすると、滝のように激しい魔力が全身を駆け巡るのを感じた。胃がぎゅっと縮み上がり、ほぼ一ヶ月ぶりに正常に戻っていた視界が、ぐるぐると回り始めた。はっきりとは覚えていませんが、助けを求めて先生に叫んだような気がしたが、いずれにせよ、視界が暗くなり、まるで落下しているような感覚に陥った。
地面に打ちつけられ、目を開けた。しかし、廊下の代わりに、そこは床も壁も天井もない、真っ白な空間だった。すぐそばには布団が敷かれ、大人と子供が互いに抱き合いながら、ぐっすりと眠っていた。布団の脇には、スコップ、コインのコレクション、攻略本の2ページ、ゲームの箱、メモ、そして山のようなお菓子が、誰か私のために丁寧に並べられていた。キツネさん? エレイン1.0?
二人に声をかけようと途端に、背筋に悪寒が走り、私は現実の世界へと目を覚ました。なぜか病院か自宅で目を覚ますものと思っていたが、私は相変わらず、あの先生の部屋の外の廊下にいた。先生の顔には微塵も心配の色はなく、それどころか、まるで科学者と実験用ラットを見るような、強い好奇心を込めた眼差しを私に向けていた。
「先生、ご心配をおかけして申し訳ありません。」
「ごめん、ごめん。こうなると警告しておくべきでした。単純な話、ハミルトン様の魔力が吸い尽くされることはもうありません。徐々に、元の状態へと戻っていくでしょう。」
「あ、ありがとうございます。先生。えっと、クスコ様は......。」
「いますよ。まぁ、多分。彼女は君のことを本当に心配している様子だったから、どこかへ行ってしまったとは思えないな。」
温かい手が私の腕を軽く叩いた。
「ありがとうございます、クスコ様。大丈夫そうだと思います。あ~、でも、残念もう見えないですね。」
私はため息をついた。いつかこの先生が、彼女の助けにもなってくれるといいのだけれど……。彼女の人生は、きっととても孤独なものに違いない。彼女を救うことができさえすれば。間違いなく、エレインならそうしようとするはず。
「ハミルトン様、意識を失う前、なぜ彼女に動くするように頼んだのですか?」
「ん、ああ、そうですね。彼女の周りには何かがあります。」
「何かって?」
「はい、クスコ様が動くと、それも彼女と一緒に動く。」
「どんな形ですか?」と先生は聞きました。
「なんか、頭から毛布をふわりとかけられるような……それとも……なんだろう……花びらが花に落ちるような感じ?」
老教師の顔に、奇妙な表情が浮かんだ。
「それが見えたの? まるで実体のある物体みたいに? 魔法のオーラとか、そういうものじゃなくて?」
「えっと、先生、土魔法か水魔法、見えないでしょう。」
「たしかに。君が見せてくれたら、どんなによかったか……。でも残念ながら、君が見ているものは私には見えませんね。」
私、見えるもの......。
!!
もう一つ呪文があるよ!
私は興奮して、大急ぎで立ち上がった。
「見せるよ! 先生、ここで待って。クスコ様、一緒に部屋に戻りましょう!」
透明な少女が私の手を掴み、私たちは書斎に戻った。それから、私は以前と同じように、部屋を再び闇に沈めた。私は一人で外に戻り、当惑している教師の隣に立って、【XRAY】を再起動した。それから、ありったけの集中力を振り絞って、2番目の呪文を呼び起こした。
【カシャッ、カシャッ】
私の隣に、医療用X線写真とほとんど見分けのつかない小さな画像が現れた。
「なにそれ!」と先生は声を上げた。
「早く! 二秒ぐらいだけできる。」 その写真は消えた。「じゃ、もう一度! 準備して、先生。」
「君が一体っ」と先生は言いかけたが。
【カシャッ、カシャッ】
消える前、先生は素早くその写真に目をやった。
「なるほど。何かありますね。じゃ、呪文やめて。」
まばたきをすると、視界が元に戻った。
「じゃ、ハミルトン様、一緒に戻りましょう。」
私たち書斎に戻ると、先ほど使った闇魔法がすでに消え失せているのを見て、私は驚いた。
先生は自分の机に行き、ごく普通のハサミを手に取った。
「クスコちゃん、来てください。」
小さな足音が、軽やかにパタパタと響いた。
先生はこういう説明した。
「あらゆる証拠が示しているのは、君がハミルトン様のように何らかの魔法を能動的に使っているわけではない、ということです。どうやら君はは、繭や蛹、蜘蛛の巣のような、「物理的」な何かに包まれているようですね。水と土の属性を組み合わせたそのような魔法については聞いたことがありませんが、その可能性には非常に興味をそそられます。ふむ、さすが、新しい王族の血だね。」
先生は手を伸ばしてクスコの透明な頭を見つけると、慎重にハサミで空気を切り始めた。
ほんの数秒のうちに、目に見えないヴェールがカーテンのように落ち、王女の姿が私たちの前に現れた。先生は自分の立てた作戦が実際にうまくいったことに驚きつつ、クスコ様は私に駆け寄り、腕を私に回して抱きついた。彼女は顔を私にすり寄せ、すでに涙をあふれさせていた。
もちろん感謝の言葉はなかったが、それがどんなものかは容易に想像できる。
【ありがとうございます、エレイン様!! 本当に助かりました!! ありがとう、ありがとう、ありがとう、ありがとう......。】の感じかな~? いいね~、この感じが最高~。
彼女を抱き返し、微笑んだ。
読んでくれてありがとうございます。
もし分かりにくいところか、面白い点があったら、ぜひ教えてください!
次はどこへ行きますか? そのコインの力か、お母様の来た理由か、ニーナの作戦か? そして、この先生のページはどうしましょうか!




