↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
208/216

バカ王子のした事

「イアナがこの国に来てから大体二週間くらい経った頃かしら、バッカス王国から使者が来たそうなのよ」


「使者?」


「そこから先は俺が説明するよ」


 ユーリに代わって俺がこの後何があったのか説明をする。


「さっきバッカス王国のバカ王子が陛下がいない間にイアナさんと婚約破棄を勝手にしてこのバハムスに追い出したって話をしただろ?」


「ああ」


「その後少ししてすぐにバッカス王国では異変が起きたんだよ、イアナさんが今までやって来た仕事とかを他の貴族が代わりにやってたみたいだけど、まあ、要するにイアナさんが普通にこなしていた仕事が他の人達からしたらとんでもないものだったって話でさ、仕事が上手く回らなくなってしまったんだよ」


 そう、イアナさんは完璧だったから当然王城でやっていた仕事とかも完璧にこなしていた。

 しかし、それが必ずしも他の人達にできるかと言えばそうではない話だったんだ。

 例えるならイアナさんはテストで常に満点を取れる結果を出していたが他の人達がやれば半分も行くかどうかの内容だったと言う事。

 それほどイアナさんは結果を出していた。

 だからそんなイアナさんがいなくなれば今まで上手く回っていた仕事も回らなくなるに決まっている。

 何故なら他の人達がイアナさんと同じくらいの実力がなかったからだ。


「バッカス王国の国王が用事で城を留守にしていて戻って来たのはバカ王子がイアナさんを追放してから大体一週間後くらいでその時にはもう王城での仕事なんて回らなくなっていて崩壊寸前みたいな状況だったらしいんだ、国王はすぐにバカ王子を問い詰めてイアナさんとの婚約を勝手に破棄しただけでなくバハムス王国に追放した事を相当怒ってたそうだよ」


「確かに、有能な人材を嫉妬と言う自分勝手な理由で追い出したとすれば怒るのも当然だ」


「ああ、だから国王はすぐにバハムス王国に使者を送って陛下にイアナさんをバッカス王国に返してはくれないだろうかと言う要望を伝えたんだけど、陛下は断ったんだよ、そっちが追い出した優秀な人材を何で返さなければならないんだって話でさ」


「そうだな、優秀な人材を手放したのは向こうの落ち度だ、それをタダで返してもらえるなんて都合が良過ぎる」


「そうなんだよ、なのにあのバカ王子、使者が帰って来て内容を聞いたら今度は自分で騎士達を連れてこっちに来たんだよ、しかもこっちは来ても良いって許可も出していないどころか向こうが来るって言う事も知らずに勝手に来たんだ、非常識過ぎないかって思ったよ」


「確かに、王族貴族が他国の王族に会うならまず書状を送って相手国からの返事を待つのが常識なのは王族貴族なら教育で習っているようなものだ、それをせずに勝手に行くなど」


 さすがにエドウィンもここまでバカな王族がいたのかと信じられないような顔をしているな。


「まあ、普通に考えて非常識過ぎるよな、陛下も非常識過ぎてバッカス王国の国王は王子にどんな教育をしたんだと逆に気になっていたそうだよ」


「まあ、確かに気になるな」


「そんな非常識なバカ王子の話を陛下は一応聞いたんだよ」


「話を聞いたのか? 非常識な王子の話を?」


「ああ、ああいう人間は追い返してもまたしつこく来そうな気がするからとりあえず話を聞く事にしたそうだよ」


 広い心を持ったお方だよなぁ。 

 我が国の陛下は。


「それで話を聞いたらバッカス王国から来た使者と同じように陛下にイアナさんを返すように言ったらしいんだが、物凄く偉そうな感じに言ってたらしいんだよ、何で頼む側がそんな偉そうに言うんだよって思うよな」


「確かにそうだな」


「それで陛下は使者に言った時と同じように断ったんだけど、それでも退かなかったから仕方なく王城にいたイアナさんをその場に呼んで実際にどうしたいかを彼女に決めさせる事にしたんだよ、彼女がバッカス王国に戻る事を望むのなら陛下も仕方ないと考えていたみたいだからさ」


「なるほど」


「で、イアナさんを呼んでバカ王子はイアナさんに国が大変だから戻って来てくれないかと言ったんだが、イアナさんが断ったらなんかありえないって顔をしてたらしいんだ」


「何故驚くんだ? 当然の反応だと思うのだが」


「どうやらバカ王子は自分が頼めば普通に戻ってくると思ってたらしいんだ、国が大変だと言って自分がわざわざ謝罪をしてやってるんだから戻らないはずがないとか思ってたんじゃないのか」


「何を根拠に」


「だろ? イアナさんはその時のバカ王子の事は覚えてる?」


「はい、確かに謝罪みたいなものはされましたが、あれを謝罪と言っていいものかどうかはわかりませんでした、全く自分が悪いって思ってないと言いますか、仕方なく謝罪すると言う感じで」


「イアナから話を聞いたけど謝罪じゃないわね、適当にそれらしい事を言ってるだけって感じがしたわ」


 ユーリがため息交じりに言う。

 確かにあのバカ王子がまともな謝罪なんてできるわけないよなぁ。


「それで断ったけど、そのバカ王子はどうしたんだっけ?」


「ご納得していただけなかったみたいでしつこく言ってこられたので、バハムス王国の国王陛下が大人しく国に戻られると良いとおっしゃったら帰っていかれました」


 あー、それ多分陛下がバカ王子に痺れを切らして魔力で威圧したんだろうなぁ。

 非常識過ぎるバカ王子の相手をするのも疲れたんだろう。


「まあ、それで話は終わりだと思ったんだけど、ここでまたバカ王子がとんでもない事をしたんだよ」


「ここまでの話でも十分バカ王子だと言う事がわかるのにまだ何かしたと言うのか?」


「ああ、そのとんでもない事と言うのはな、イアナさんを誘拐して無理やりバッカス王国に連れ帰ろうとしたんだよ」


「は?」


 俺の言葉に予想外だったのかエドウィンは間の抜けた声を出す。

 うん、俺も聞いた時はそんな感じだったよ。

読んでいただきありがとうございます。


面白かったらブクマと評価をよろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
流石に『自分を愛しているだろう?助けたいだろう?』なんて己惚れ発言は無かったかwでも、偉そう、手順無視、さらに誘拐!?ありえねぇー!てか、自分が言えば戻ると思ってた…十分己惚れてる!
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。