パン作り
お待たせしました。
「何だ親父? また何かあったのか?」
親父の部屋に呼び出された俺。
今までの流れからこの後の事は何となく想像できる。
「まあ、お前が考えてる通りだ、陛下から作ってほしいものがあるそうだ」
「やっぱり、それで陛下は一体何を作ってほしいんだ?」
「パンだ」
「は?」
気のせいか?
パンって聞こえたんだが。
「パンって、あのパンか? 朝に食べてる」
「そうだ、そのパンだ」
「何でまた?」
「最近いろんな料理やお菓子が増えただろ?」
「ああ」
「それで飲食店やスイーツ店での売り上げが伸びただろ?」
「確かに売り上げが伸びたな」
「けど、売り上げが伸び悩んでいる店もあるんだ、それがパン屋だ」
「あー」
確かにそうかも。
パン屋は黒パンや白パンの他にも色々な形のパンがあるけど、それだけだな。
「そこでどうにかパンの種類も増やせないものかと思ってな、頼めるか?」
「了解、いつものだな」
俺は親父の頼みを聞く事にした。
「と言うわけで、パン作りを始めたいと思うんだ」
「なるほど、パン作りですか」
俺は厨房にいるジョルジュに親父からの頼みを伝える。
「確かに料理やお菓子が増えたけど、パンはないな」
腕を組みながらシルも言う。
「黒パンに白パン、それから色々な形のパンもあるがそれだけなんだよな」
「確かにそれだけですね」
「うむ、それだけだな」
そう、それだけなんだよ。
「パン単体でこれって物がないよな」
「ああ、毎日の食事には出るが、他の料理の合間で食べるって感じだな」
「単体と言えばサンドイッチがありますが、普通にパン屋で四角いパンを買って後は家で作れば良いだけなので店に置かれていても買うのは仕事で忙しい者や冒険者くらいでしょうな」
「けどそれもお金に余裕がある者でないと無理だな、サンドイッチに使われている四角いパンは白パンと同じ柔らかさだから値段も高い、だから買う事ができる者も限られてくる」
シルの言う通り、値段が高いんだよな。
平民とかだと値段の安い黒パンの方を買う事が多いから白パンとか他の形のパンは買う事があまりないし、かと言って貴族もたくさんパンを買うってわけじゃないから、代わり映えしないと売り上げが伸び悩むよなぁ。
「まあ、あれを見ればあるかどうかわかるか」
「そうだな、シェフィーネの描いた絵なら普通にあるだろう」
こうして俺達はシェフィーネ王女の描いた絵を見る事にした。
シェフィーネ王女の描いた絵は一見ラクガキのように見えるけど解読したらその絵の正体は色々な料理や道具などの作り方の絵なんだよな。
よくわからないけどなんか久しぶりな気がするから簡単に説明しておいたぞ。
そして俺達はシェフィーネ王女の描いた絵にパンの絵がないか探してみたが。
「結構あったな」
思ったよりたくさんの絵があった。
読んでいただきありがとうございます。
今回から第五章に入ります。
と言っても話の内容は今までと大して変わりませんがよろしくお願いします。
面白かったらブクマと評価をよろしくお願いします。




