漆黒の魔剣
「うむ、今日はこのくらいにしておこうか」
今日もエドウィンの体力作りそしてシルとの剣の模擬戦を行う。
剣の模擬戦はシルの圧勝だけどな。
「ケイネスの時も思ったが、シルフィスタ殿も何故両目を閉じているのに私の動きに対応できるんだ? まるで私の動きが最初からわかっているかのような」
「お前もいずれはできるようになるさ、むしろなってもらうがな」
「私にそんな事ができると思ってるのか」
「できなければドラゴンとの戦いなんて無理だと思った方が良いぞ」
俺はエドウィンに言う。
「だからその方法が全くわからないのだが」
「まあ、気長に行こうよ」
「ケイネス、良いかしら?」
すると母さんが話し掛けてくる。
「母さん、どうしたの?」
「ケイネス、あの子があなたに用があるみたいよ」
「あの子?」
「ええ」
母さんがそう言うと母さんの背後から何かが飛び出し俺に向かって来る。
「な、何だ!?」
エドウィンが声を上げる。
「おっと」
俺は向かって来たそれを木剣で受け止める。
向かって来たものは黒い剣であった。
「ふっ」
俺は黒い剣をはじくと黒い剣は回転して地面に突き刺さる。
「あー」
俺はその黒い剣を見て察した。
地面に刺さった黒い剣は地面から抜き宙に浮くと黒い靄のようなものが黒い剣を包みその靄が晴れるとそこには漆黒の闇を思わせるような黒いドレスを着た美女が立っていた。
「久しぶり、トワイライト」
「お久しぶりです、マスター」
俺の言葉にトワイライトと呼ばれた美女は淡々とした口調で答える。
「ケイネス、剣が女性になったのだが」
「ああ、彼女はトワイライト、魔剣だよ」
「魔剣!?」
俺の言葉にエドウィンが驚く。
「魔剣って、あの魔剣か? 様々な文献が書かれている」
「ああ、その魔剣で合ってるぞ」
エドウィンが驚くのも無理はない。
魔剣。
それには様々な文献がある。
魔剣は普通の武器と違って強大な力を秘めている。
曰くその魔剣を手にした者は一国を相手にする事もできる力を手にする。
曰くその魔剣を手にした者は国の王となれる。
曰くその魔剣を手にした者は英雄と呼ばれる。
曰くその魔剣の一振りは大地、海、天をも切り裂くとも言われる。
曰くその魔剣を手にする事は世界をも手にするとも言われる。
などと様々な事が文献とかに書かれているが、いくら何でも大げさだろ、世界を手にするなんて。
「な、何故魔剣が、しかもお前の事をマスターと言っていたが」
「ああ、俺が持ち主として認められたからな」
「さらっと言うな!! 魔剣だぞ!! しかもどうやって手に入れたんだよ!!」
「あー、それは何年か前の話なんだけどさ、俺とシルって冒険者として活動してた時期があるんだよ」
「懐かしいな、私とケイネスが一緒に組んでたんだ」
うん、懐かしき思い出だな。
「それである日いつも通り依頼をこなした帰り道に盗賊に襲われてさ、その盗賊が雇っていた凄腕の剣士の用心棒がいてさ、そいつがトワイライトを持っていたんだよ、それで俺が戦ったんだけどその剣士が魔剣の力を上手く使いこなしていなかった感じでさ、次第に魔剣に支配されて自我を失ったみたいでさ、倒したんだけどその時俺はその魔剣を手に持ったら俺の自我を奪って支配しようとしていたから黙らせたら大人しくなって今の人の姿になって俺をマスターと認めてそれ以来俺が所持しているってわけ」
「魔剣の所持者なんて初めて見たぞ」
「言う機会がなかったからな、と言うか」
俺はトワイライトを見ると彼女は何だかジト目で俺を見ている。
うん、大体の理由はわかる。
「トワイライト、お前怒ってるだろ?」
「別に私は何も怒っておりませんよ、私はただの剣ですから、マスターが留学する時私を連れて行かなかった事も久しぶりに帰って来たのに私の所に来なかった事も今までずっと放置していた事もただの道具でしかない私は一切、全く、これっぽっちも怒っていませんから」
「本当に怒ってない奴はそんな風に言わないぞ」
とにかくトワイライトは怒ってるな。
「悪かったよ、色々あってお前の事を放置していて」
そう言って俺はトワイライトの頭を撫でる。
「・・・・・・仕方ないですね、次は忘れないでくださいよ」
トワイライトは淡々と言うがどこか嬉しそうな感じだ。
魔剣なのにチョロくないかお前。
「ところでマスター、そこの人間は誰なのですか?」
トワイライトはエドウィンを見て言う。
「ああ、紹介するよ」
俺はトワイライトにエドウィンの事を紹介するのだった。
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