それについては安心しろ
「エドウィン、これでわかっただろ? 大切な人との時間をちゃんと作らないと大変な事になってしまう理由が」
「ああ、そうかもな」
俺の言葉にエドウィンは疲れた感じに答える。
衝撃的な話だもんなぁ、無理もない。
「この事件がきっかけで貴族の間では夫婦や婚約者同士でちゃんと本音で語り合う事も多くなったそうなんだ」
「そうなのか?」
「ああ、今まで夫人や令嬢は夫や令息に対して一歩引いていたそうなんだが、今回の事件をきっかけでお互いにどう思っているのかをちゃんと話し合ったりするようになったんだ、今まで黙っていたけど夫や令息に不満を持っていた夫人や令嬢も多くいたそうなんだ、また夫や令息の方も本当は愛しているのに不器用で上手く伝えられない者が多くいて今まではそれで良かったと思っていたそうだがこの事件をきっかけに自分ももしかしたらって思って何とか一生懸命本音や思っている事を伝えて仲が深まったり改善したりしたそうなんだ」
「本音で語り合うか」
エドウィンは思う事があるような感じに言う。
ウィスト嬢との事を思い出しているのかもな。
本音で語り合えればもしかしたらって感じだったからな。
「まあ何だ、ウィスト嬢の時はお前も色々抱えていて追い詰められていたから仕方ないかもしれないが、今は精神的にも余裕があるし、ドラゴンを倒す事も大事だが何よりシェフィーネ王女との時間を作る事も大事って事だよ」
「言いたい事はわかるが、どうしたら良いのか」
エドウィンは悩んでいる。
ちゃんと愛し合って付き合うなんて初めてだもんなぁ。
だが問題ない。
「それについては安心しろ、何故ならここには恋愛について上手くいった者達が多くいるからな」
「え?」
「ここにいる皆を見ろ」
俺はそう言って使用人達に手を向ける。
「うちの使用人、ほとんど結婚しているぞ」
「え!?」
「ルートとフレイア、シオンとカリーナが結婚して夫婦だって事は知ってるだろ?」
「あ、ああ」
「こいつらに聞けば、どうやればお互いラブラブな関係になれるかわかるぞ」
「ケイネス様、ラブラブと言うのは」
「さすがに少し恥ずかしいですね」
「まあ、否定はしないけどさ」
「あはは」
ルート、フレイア、シオン、カリーナは照れている。
「そして、リック、ユーリ、ネロナ、ミスチーは結婚していて子供もいるぞ」
「ええっ!?」
エドウィンは驚く。
「子供がいるのか? リックが結婚していて子供がいるのは聞いたが」
「おうよ、かわいい娘がいるぜ」
「この三人、子供がいるのか?」
「ああ、私は去年、若がガルドムに留学している時に産んだぞ」
そうなんだよ。
去年俺がガルドムに留学している間にネロナが子供を産んだって手紙で知ったんだよなぁ。
「そうだったのか、だが」
エドウィンはユーリとミスチーを見る。
あー、なんか信じられないって言いたいんだな。
「あら、私が結婚していて子供がいるのが不思議って感じね? 確かに私は心は乙女だけど別に女性が嫌いってわけじゃないわよ、普通に恋愛対象として見れるし愛せるわよ」
「そうなのか?」
「ええ、別に私心が乙女だからって男性を恋愛対象として見る事ないわよ、思い返してみなさいよ、私別にあなたや若、それに他の男性達に対して変な目で見てないでしょ?」
「そう言えば」
「それに服装だって普通に男物を着てるし、使用人の服だってメイド服じゃなくて普通に執事服を着るわよ、あ、でも化粧水とか髪の手入れとかそう言ったおしゃれには気を遣ってるわね、でもそれだけよ、心が乙女だからって普通に男性として女性を好きになるわよ」
「そ、そうなのか」
「ちなみに私の子供もネロナと同じで去年産まれているわ」
そう、ユーリの奥さんも去年子供が生まれたんだよな。
確かネロナとは数ヶ月違いだったな。
「ちなみに私の子供はもうすぐ十歳になるよ」
「えっ!?」
ミスチーの言葉にエドウィンは驚く。
「えって私前にも言ったけどカイエンちゃんって旦那さんがいるしこれでも三十過ぎてるから子供がいたとしてもおかしくないでしょ? ねえ?」
「あ、はい、何もおかしくないです」
ミスチーは笑ってるが何かを感じたのかエドウィンはそれ以上は何も言わずただそう返事をする。
うん、ミスチーは時々謎の圧力を感じるんだよな。
「まあ、そんな事で四人は子供がいるし、さらにジョルジュとラキムは孫もいる」
「それなりの人生を歩んで来ました」
「でも結構楽しいものよ」
そうジョルジュとラキムは自分の人生を思い返しているかのように言う。
「つまり恋愛の先輩達がここにはたくさんいるって事だ、何だったら親父や母さん、そして歳が近い俺やシルもいるぞ」
「うむ、シェフィーネの事なら私も力になれるぞ」
「ここにいるのは恋愛さらには結婚して子供や孫までいる幅広い経験者達がいる、そう言うのがいないのはアニスとルティ、レティくらいだな、アニスは将来婚約者が決まると思うし、ルティとレティは結婚とかは特に考えてない感じでできなかったらそれでも良いって言ってたな」
「なるほど」
「まあ、そんなわけだ、今からシェフィーネ王女の元に行って二人きりの時間を楽しんで来い、そしてどんどんラブラブになれ」
「ラブラブって、なんか皆して楽しんでないか?」
「気のせいだ」
そう、気のせいだ。
俺達は善意でやってるんだから。
その後エドウィンはシェフィーネ王女の元に行き二人きりの時間を過ごしたそうだ。
ちなみにだが。
「ルティ、レティ、どうして私はあの場所から離れたのです?」
「アニス様が聞くにはまだ早過ぎる内容だからです、そうよね、レティ?」
「ええ、姉様、アニス様が聞くにはまだ早い大人の話ですから」
「私も早く大人になりたいのです」
「焦らなくても大丈夫ですよ」
「ゆっくりと大人になってください」
親父が話した悲惨な事件の内容はルティとレティも知っているのでその話をアニスに聞かせないように二人はアニスを連れてその場を離れていたのだった。
八歳のアニスにはあの話は刺激が強すぎるからな。
ルティ、レティ、ナイス判断だ。
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