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大切な人との時間を作らなかったから起こってしまった事件

 大切な人との時間を作らなかったから起こってしまった事件。

 それが何なのか親父が話すので俺達は皆と一緒にお茶を飲みながら聞く事にした。


「これは昔の話なんだが、ある夫婦がいたんだ、それでその夫婦の妻が前に結婚していてな、しかも子供がいたんだ、いわゆる連れ子と言う奴だな」


 まあ、ない話ではないな。

 早くに夫を亡くしたり不手際や相性が悪いとかで離婚するなんて話もあるしな。

 平民でも貴族でも珍しい話ではない。


「それでだ、夫は妻と子を養うためにたくさん仕事をしたんだ、それはもう多少の無理をしてでもな」


 養う相手が増えたんだ生活していく上ではたくさん働いてお金を稼がないとならないしな。


「だがな、妻とその連れ子のために夫は頑張ったんだが、それが妻にとっては不安を募らせてしまったんだ」


「不安を募らせた?」


 親父の言葉にエドウィンが疑問を口にする。


「簡単に言うと妻や子供との時間を取らなかったのが不安だったのよ、夫が仕事ばかりで子供や家庭の事は全部妻に任せっきりって感じで、妻や子供との時間を取ろうとしなかったのが不安だったのよ」


 エドウィンの疑問に母さんが答える。

 

「仕事ばかりしていて妻が抱えている不安や悩みを聞こうとも知ろうともしなかった、たったそれだけの事かもしれないけど、結構そう言うの不安に感じたりするのよね、何て言うのかしら、私や子供の事をちゃんと愛してくれているのかって、仕事ばかりで私達との時間を作ってくれないから本当に私達の事を愛してくれているのかって、そう言う不安があったのかもしれないわね」


 母さんの言葉にシルや女性陣達は頷いている。

 確かに冷静に考えると仕事ばかりで蔑ろにされるとそう思われるかもな。

 こう言うのでよく聞く家族と仕事どっちが大事なのかって奴だな。


「そんな不安が募ってしまったのか、ある日二人は大喧嘩をする事になったんだ、その理由は妻の方の不倫が発覚したからだ」


「!?」


 親父の言葉にエドウィンは目を見開いて驚く。


「前々から妻の様子がおかしいと感じた夫は調べた事で妻の不倫が発覚してな、それで強く問い詰めた事で妻は不倫を認めてな、何故かと夫が問うと妻はこう答えたんだ、仕事ばかりで私や娘との時間を取ってくれない事に不安を感じていたと、子供の事や家庭については全部私に任せっきりで何も手伝わなかった事が嫌だったと、夫からの愛を全然感じなかったと、大切にされていると感じなかったとそんな感じの事を言ったんだ」


 そこまで言って親父は紅茶を一口飲んでから続きを話す。


「それで妻が言うにはその不倫相手とは二人だけでなく子供とも一緒に付き合いをしていたからその妻の子供もその不倫相手を父親だと思うようになって夫の事はただの他人だと思っていたんだ、家族との時間を作らなかったから夫がいない間に妻がそう言う風に刷り込んだんだろう、まあ、そもそも血の繋がりがないからそう言う風になってしまったんだろう、だが夫にとっての不幸はここからだったんだ」


「妻に裏切られたのにさらなる不幸が?」


「ああ」


 エドウィンの言葉に親父は頷いて続きを話す。


「それからなんだが夫が働いている職場で不正があってな、いわゆる職場の金が盗まれると言う事件が起きてな、その事件の犯人として夫が疑われてしまったんだ、しかも証拠がいくつか出てな、それが夫を犯人だと示していたんだ、当然夫は否定したが証拠も出ているから信じてもらえず結局犯人になってしまってな、話し合いの結果夫は仕事をクビになり仕事から盗んだ金の金額を返すようにと言われてな、しかもそれで妻とも離婚してさらに子供への養育費も払わなければならなくなったんだ」


「そんな、不倫をしたのは妻なのだから明らかに妻の有責なのに何故?」


「確かにそうなんだが夫は職場の金を盗んだ犯罪者となってしまったからな、浮気をした妻が悪いと言うが犯罪者になった夫も悪いと言う感じでな、それに夫には義理とは言え妻の連れ子がいるだろ? その子の将来を考えると犯罪者の夫より浮気した妻の方がまだマシって感じになってな、まあ、俺からしたらどっちについてもその子が幸せになれるとは思えないんだがな、いっそ孤児院とかに預けた方が良いんじゃないかとも思うが」


 うん、俺も親父と同じだな。

 ここまでの話だとどっちに行ってもまともな子に育つ気がしないよな。


「それで結果的に夫は職場から盗んだ金を返すのと妻の連れ子への養育費を稼ぐために今まで以上に無理をして働く事になってしまったんだが、ある日夫は見てしまったんだ、楽しそうに歩いている妻と連れ子と浮気相手の姿をな、それがこの後起きる悲惨な事件のきっかけだったそうだ」


 そこまで言って親父は紅茶を飲み続きを話すのだった。


 

 


 

 

読んでいただきありがとうございます。


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