剣の模擬戦 2
「はあーっ!!」
エドウィンは木剣を持って俺に切り掛かって来る。
「ほい」
俺はそれを軽く躱して瞬時にエドウィンの首筋に木剣を当てる。
「なっ!?」
「これで一回死んだぞ」
そう言って俺はエドウィンの首筋に当てた木剣を離す。
「ほら、どんどん来な」
「ぐっ、くそ!!」
それからエドウィンが何度も切り掛かって来るが俺はそれを難なく躱して木剣を寸止めさせる。
「どうしたエドウィン? 良いのは威勢だけか? 根性を見せろ」
俺達の戦いを見ていた親父が言う。
まあ、今のところ掛かって来る威勢だけはあるな。
「頑張ってエドウィン、ケイネスを本気にさせなさい」
母さんがエドウィンを応援している。
「エドウィン様頑張るのですー!!」
アニスもエドウィンを応援する。
妹よ、兄よりもエドウィンを応援するか。
なるほど、エドウィンの両親がエドウィンよりウィスト嬢を褒めた事に納得いかなかった理由が何となくわかった気がする。
エドウィンもこんな風に嫉妬していたんだな。
「さて、母さん達もお前を応援しているんだから、頑張らないとな」
「・・・・・・お前怒ってるのか?」
「別に、ほら来な」
その後もエドウィンと模擬戦をするが結果は相も変わらずだな。
「エドウィン、まだやるか? 何だか弱い者いじめしているみたいなんだが」
「随分となめた事を言うな、まだまだこれからだ」
「その威勢は買うけど、このままじゃ結果は見えてるぞ、だからハンデをやるよ」
「ハンデ?」
「ああ」
そう言って俺は剣を右手から左手に持ち替える。
「俺は利き手じゃない左手で剣を持つ、さらに右手は一切使わない」
「何?」
「さらにハンデだ、片目を閉じてやる、これで少しはお前とも良い勝負ができるかもな」
そう言って俺は右目の方を閉じる。
右手を使わず右目を閉じているのでこれで俺は片手と右目がない剣士のような状態だ。
「さあ、来な」
「なめるな!!」
大声を上げてエドウィンは切り掛かるが俺は軽く躱してエドウィンに木剣を寸止めさせる。
「どうした? 俺は片目を閉じてるし右手を使わずに利き手じゃない左手で相手をしているんだ、お前にもチャンスはあるはずだがな」
「くっ」
「これでもダメならさらなるハンデをやるよ、俺は両目を閉じよう」
「なっ!?」
「嘘じゃないぞ、ほら」
言って俺は両目を閉じる。
「さらにハンデだ、俺に一撃入れられたらお前の勝ちだ」
「随分と余裕だな、そこまでのハンデなんて」
「ああ、余裕だな、それほど俺と今のお前には差があるんだからな」
「なめるな!!」
エドウィンは俺に向かって来る。
「はあっ!!」
「遅い」
俺は木剣でエドウィンの振り下ろした木剣を受け止める。
「なっ!?」
受け止められたエドウィンは驚く。
「何故両目を閉じてるのに自分の攻撃する方向がわかったのかって顔をしてるだろ?」
「!?」
「動揺しているな、動揺して集中が乱れれば隙が生まれ、一瞬でやられるぞ」
そう言って俺はエドウィンとの間合いを詰めてエドウィンに木剣を当てる。
「こんな風にな」
「なっ!?」
両目を閉じた俺に一瞬で迫られてエドウィンは驚いているようだ。
「お父様、お母様。兄上様はどうして両目を閉じてるのにエドウィン様に近づけたのですか?」
アニスが親父と母さんに質問をする。
まあ、普通に気になるか。
「あらアニス、気になるの?」
「はいなのです、両目を閉じたら何も見えなくてどこなのかがわからなくなるのです、なのに兄上様は迷わずエドウィン様に近づいたのです」
「がっはっは!! そこに気づくとはさすが我が娘だ!!」
「ふふ、アニス、それはケイネスが凄いからよ」
「兄上様が凄い?」
「そうだぞアニス、ケイネスが凄いから両目を閉じても迷わずにエドウィンに近づけたんだ」
「なるほど、さすが兄上様なのです」
親父と母さんの説明でアニスは納得したみたいだ。
まあ、ちゃんとした理由はあるけどな。
「それでどうする? まだやるか?」
俺はエドウィンに問う。
「・・・・・・いや、今の私の実力がよくわかった、私はとんでもなく弱いと言う事がな」
「そうか、それに気づけたなら合格だ」
「え?」
俺の言葉にエドウィンは疑問の声を上げるのだった。
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本日二話目の投稿です。
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