次の段階へ
「よお、調子はどうだ?」
訓練場に行くとそこにはエドウィンがちょうど走り終えていたので俺は声を掛ける。
「ああ、少しはマシになったと思いたいよ」
汗をかきながらも息切れはそんなに起こしていないところを見ると確かに少しはマシになったのかもな。
少なくとも最初に比べれば。
「最初に比べればやっとマシになったと言う感じですね」
「それでもまだまだドラゴンどころかゴブリン一匹にも勝てないと思いますね」
ルティとレティが厳しめに言う。
まあ、確かにまだまだだけどな。
「さあエドウィン様、どんどん行きますよ、最初よりマシになってもまだまだクソザコ体力に変わりないのですから」
「こんなところでつまずいていたらシェフィーネ王女との婚約なんて夢のまた夢ですよ、クソザコ体力をさっさと卒業しましょう」
「そんなにクソザコ体力言うな、お前達本当に容赦ないな」
うん、お前達仲が良くて何よりだな。
「はは、お前達相変わらず仲が良いな」
するとシルが現れる。
「これのどこが仲良さそうに見えるんだ」
「ん? お前達いつもそんな感じの会話してるだろ? 仲が悪いならもっと酷く罵倒しあってるぞ」
エドウィンの言葉にシルはそう答える。
確かにお互いの事が嫌いならお互いに罵倒しあってるが、双子とエドウィンの場合はそんな感じじゃないな。
「私も一緒に見ているが最初に比べてマシになったのは確かだぞ」
「だが、ドラゴンを倒せるかと言われたらまだまだだ、ルティとレティの言う通り、ゴブリン一匹に勝てる気がしない」
「現状をしっかり理解しているんだ、問題ない」
「シルフィスタ王女の言う通り、ちゃんと自分の現状を理解する事が大事、そしてエドウィン様にはそろそろ次の段階に進もうか」
そう言うのはネロナである。
「体力が多少はマシになったのだ、なら次の段階に進んでも良いだろう」
「次の段階」
「その通り、次の段階にはこれを使わせてもらう」
そう言ってネロナは銃を取り出す。
おい、まさか。
「ネロナ、まさかあれをやるつもりか?」
「もちろん」
にいっと歯を見せて笑うネロナ。
いや、でもな。
「待ってください、いくら何でもまだ早いと思います」
「そうです、マシになったとは言え、まだその段階ではないかと」
ルティとレティが反対する。
うん、俺もまだ早い気がするな。
「確かにまだエドウィン様には早い段階かもしれないが、このままのペースで続ければドラゴンと戦う時なんていつになるかわからないぞ、遅かれ早かれこうするつもりだったんだ、今の内に最初の地獄くらい見せても問題ない、お前達だっていずれはそうするつもりだったんだろ?」
「それは、そうですが」
「だからと言って今かと言われましても」
ネロナの言葉にルティとレティもいずれはエドウィンにやらせるつもりだったんだろう。
ただタイミング的に今はって感じだな。
「まあ、確かに本人に聞かずに勝手に始めるのもどうかと思うし、ここはエドウィン様の気持ちを聞いた方が良いな、それでエドウィン様はどうする?」
ネロナはエドウィンに問う。
「本人がやるって覚悟がなければ次の段階に進めても意味がない、確実に早い段階で基礎体力はつくが、その分エドウィン様にとっては地獄を見る事になる」
「早い段階で体力がつくなら頼みたい」
「本当に良いのか? 間違いなくエドウィン様は最初の地獄を見るぞ」
「ドラゴンを倒そうとする時点で地獄など覚悟の上だ、頼む」
「エドウィン様の覚悟、確かに聞いた、なら始めようか」
そう言ってネロナは銃を取り出すがそれはいつも使っている銃とは違う銃であった。
「な、何だその銃は?」
ネロナの持っている銃を見てエドウィンは問う。
「これはマシンガンと言う銃だ、機関銃とも言うそうだ」
「マシンガン? きかんじゅう?」
「実際に見た方が早いだろう、ルティ、レティ、的を用意してくれ」
「「はい」」
ネロナに言われてルティとレティは人の形をした的を用意する。
「それじゃあ、打つぞ」
ネロナはマシンガンを構える。
「おらぁー!!」
引き金を引くとマシンガンから弾が連続で発射される。
「ふう、こいつは引き金を引いている間、数秒間で何十発もの弾を連射するからすぐに弾切れになるが、打てば爽快感がたまらないんだ」
そう言うネロナは本当にスッキリしたみたいに気分爽快な顔をしていた。
そしてネロナがマシンガンで打った人の形をした的は全身を打たれてバラバラになっている。
「・・・・・・」
それを見たエドウィンは開いた口が塞がらないのだった。
うん、初めて見るとそうなるよな。
「さてと、早速だがエドウィン様にはいつも通り走ってもらうがいつもと違う事が一つある、それは私が後ろから追いかけながらこのマシンガンをぶっ放す事だ」
そうネロナは言うのだった。
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