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テンプレマスターのテンプレ異世界転生  作者: スカーレットちゃん
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026

「おーほほほっ! エルゼ・ベアトリクス・シュヴァルツヴァルトが、自ら出迎えに参りましたわよ!」


「あらあら、うふふっ。ありがとうございます、エルゼ殿下」


「ようこそゲイルマン帝国へ。バイロン大公、バイロン大公夫人。って、あれ? エリザベス様! スカーレット様は、何処ですの?」


「ちょっと拗ねちゃって、ホテルの部屋に籠もっていますわ」


「ええっ!? そうなんですの? 明日の晩餐会にはいらっしゃらないのかしら?」


「あらあら、そんなに気を落とさないで下さいませ。エルゼ殿下がお出でになったと聞けば機嫌を直しますわ」


「で、では、ワタクシ自ら声を掛けてきますわ! 驚かせたいんですの!」


「あらあら、うふふっ」



 その頃私はベッドでゴロゴロ転がっておりました。


 だって、全員で合唱することないと思いません?


 汽車の中で無駄に美しいハーモニーを奏でやがるので、駅に着く頃には見知らぬ乗客が『ハンバーグが食べたいニャ』と『カイザーシュマーレン、クリームたっぷりねっ♪』を口ずさむようになっていたのです!


 すっかり乗客に刷り込まれてしまってます。


 カイザーシュマーレンから広告料を取れるくらいですよ。


 駅に着いたらお城に先触れを出して、一旦ホテルに入ったのですが、ホテルでも口ずさんでいる人がチラホラいましたよ。


 きっと今日はハンバーグとカイザーシュマーレンが馬鹿売れするのではないでしょうか。


 コンコン


 ノックの音が聞こえますけど、知りませんもん。ツーンです。


「スカーレット様、エルゼ・ベアトリクス・シュヴァルツヴァルトが参りましたわ!

 一緒にカイザーシュマーレンでも頂きませんか?」


「ぐぬぬっ」


 エルゼ、お前もか!


 エルゼちゃんに会えるのは嬉しいんですけど、いきなりカイザーシュマーレンは無いと思うの。


 親しき仲にも礼儀ありですのよ?


「カイザーシュマーレン、カイザーシュマーレン♪」


 ばん!


「やめなさい!」


 何という嫌がらせか! エルゼ、性格悪くなっちゃったの!?


「びっ、びっくりしましたわ!」


「エルゼがそんなの歌うからでしょ!」


「えっ? 何か歌ってましたか?」


 くっ、洗脳されてやがる! 手遅れかっ!


「こんな短時間で無意識で歌うほど刷り込まれたんですか」


「な、なんのことですの?」


「カイザーシュマーレン!」


「カイザーシュマーレン♪」


「それっ!」


 もはや反射で歌っていますよ。


「はっ! 確かにちょっと抑揚を付けてしまいますわ!?」


「きっとここに来るまでに汚染されたんだ」


「汚染っ!?」


「そう、心がね」


「ひどい!」


 エルゼの頬がプックリ膨れました。あっ、エルゼを見てたら、ちょっと癒されてきたかも。


「エルゼも『スカーレットをいじる会』に汚染されてしまったのね」


 しょんぼりアピールです。するとエルゼがあわあわ慌て始めました。


 良かった。まだ心までは汚染されて なかったみたいです。


「そっ、そんなことないですわ! 一緒にカイザーシュマーレンを食べたかっただけですわ!」


「そうなの?」


「そうですわ!」


「じゃあ、食べる」


「はいですわ!」


 エルゼがにぱっと微笑んで、手を差し出してきました。


 もうっ、エルゼったら、子供っぽいんだから! 仕方なく私はエルゼの小さく柔らかい手を握りました。


 にぱっ!


「そうですわ! やっぱりスカーレット様は笑顔が一番ですわ!」


「えへへ。あっ、そうだ。お土産にクッキー焼いてきたの。後であげるね」


「まぁっ! 嬉しいですわ!」


 エルゼが嬉しそうに笑うと、私も嬉しくなって笑ってしまいます。


「行こう!」


「はいですわ!」


 なんだか楽しくなって二人で手を繋いだままスキップ、スキップ、らんららん!


「「カイザーシュマーレン、カイザーシュマーレン♪」」


 はっ! またしても!


 天丼は好きじゃありませんことよ?


「はっ! また口ずさんでしまいましたわ! 妙に癖になりますわね」


 もうその話題は却下ですのよ。


「外のオープンカフェに行こうよ!」


 早く食べてその歌を忘れるのです!


「あっ、その店でシュネーバルも売ってますわよ?」


「シュネーバル?」


「パリパリの揚げた生地に砂糖やチョコレートを掛けたものですわ。パスタのパッパルデッレやフィットチーネを丸めて揚げたようなお菓子です」


「美味しいの?」


「まあまあです。ポロポロこぼれますし、私はクッキーの方が好きですけど、雪玉みたいで可愛くて名物なんですのよ」


 うーん、美味しいのかなぁ? まあまあじゃあ、タベタインジャーには役不足かな。


「じゃあ、カイザーシュマーレンを食べてから考えようよ」


「そうですわね。買っていって帰りの汽車で召し上がるのもいいかもしれませんわ」


「んーん? まだ帰らないよ? 東方まで行くんだ!」


 エルゼは私達がゲイルマン帝国にだけ来たと思ってるのでしょうか。


「そうなんですの!? 当分会えなくなるのではないですか!」


「そうだねぇ。三ヶ月から半年くらいかな?」


「むむぅ。私も行きたいです」


 エルゼもちょくちょくアヴァロン王国まで来ますから、旅好きなんでしょうね。


「えー? こう見えてアヴァロン王国の公務だからねぇ。外国だし皇女殿下も気軽について来れないでしょ?」


「ローマン神聖帝国くらいまでなら汽車も有りますし、行けなくはないですけど・・・」


 エルゼ殿下、気軽に海外旅行し過ぎじゃないですかね?


「ローマン神聖帝国で、クローディーと会うんだよ!」


「なんですって! ズルい!」


 いや、別にズルくないですからね。


「クローディーのお母さんの実家がローマン神聖帝国なんだって」


「そう言えば、時々ローマン語使ってらっしゃいましたね」


 おおっ、さすが皇女殿下。謎言語を知っているとは博識ですね!


「やっぱり、私も行きたいです! お父様に掛け合ってみますわ!」


 いやー、さすがに無理じゃないですかね?


 エルゼが期待にちっぱいを膨らませているので、水は刺しませんけど。


 ホテルのロビーに到着すると、セーラがやってきました。


「お嬢様、お出掛けですか? ご夕食のハンバーグはどうするのにゃ?」


『にゃ?』じゃないの!


 クールビューティが小首を傾げて猫手までつけて! 可愛いけど! とても可愛いけども! 大好きですけども!


「にゃ?」


 ほらっ! エルゼがビックリしてるじゃないの!


「そんなの知らにゃいにゃ!」


 にゃっにゃっ! 釣られてしまいました!


「にゃいにゃ?」


「い、いいから! 行こう、エルゼ!」


 エルゼは戸惑っている!


「あらあら、駄目よー? 晩餐は皆でって約束でしょう? イブニングドレスにハイヒールですよ?」


『いじる会』会長が現れた!


「で、でも! せっかくエルゼが誘いに来てくれたし!」


「えっ、いえ、私は明日のお城での晩餐会でも」


 エルゼ、余計なことを!


 ハンバーグなんて食べに行ったら店中からハンバーグの歌が聞こえてきそうじゃないですか!


「あらっ、エルゼ殿下もご一緒に如何かしら? 美味しいハンバーグは食べたくにゃいかにゃ?」


「にゃ?」


 やめて! そんなに苛めないで!


 泣くよ! 泣いちゃうよ!?


「今日の晩ご飯は何かしらー♪

 美味しいハンバーグがー食べたいにゃー♪

 冷たいジェラートもつけてくださいにゃー♪

 あまーい、カフェラテもお願いにゃっ♪」


 誰だ! っていうか、本当に誰だ、あんたは!


 通りすがりの知らない人が『ハンバーグが食べたいニャ』を口ずさみながら歩いています。


「にゃにゃにゃ?」


 エルゼがちょっとおかしくなってきました。


 駄目だ! エルゼが汚されちゃう!


 助けて! 誰か助けてください!


「エルゼ様、夕食はバイロン大公家の方とご一緒させていただいても良いと陛下から言付かっています」


 はぅ! 白い人影が背後に!


 ああ、侍女のジゼルさんか。ビックリした。


「そうなんですの? では私もハンバーグが食べたいにゃ!」


 エルゼ、お前もか!


「おっけーにゃ!」


 ちょっと、お母様! 皇女殿下相手にサムズアップにその言葉遣いはどうかと思いますよ!


「では、お嬢様、ドレスアップを」


「きゃあっ!」


 うわっ、ビックリした!


 まず、女の子らしい悲鳴を上げてしまった自分にビックリしました。


 私って、『きゃあっ!』とか言うんだ!


 そして、布を被せられたらと思ったら、一瞬で鮮やかな紅いイブニングドレスに着替えさせられています。


 また、むーんぷ○ずむぱわーですか?


 それとも、時を止めてるのでしょうか。


 相変わらず恐ろしい侍女です。


 デコルテから首筋までレースになっていて、ちょっと大人っぽいというか、ちょっぴりエッチな感じです。


 胸元が透けちゃってますけど!


 谷間がないから恥ずかしいんですけど!


「「にゃにゃにゃんと!」」


 お母様とエルゼが驚いていますよ。


 エルゼは驚くでしょうけど、今更何故お母様が驚くのでしょうか。


 あっ、カメラママン!


「かっ、可愛いですわっ! にゃんって言ってくださいまし!」


「ええっ!? にゃ、にゃん?」


 エルゼの勢いに押されて、つい小首を傾げてネコハンドポーズまでしてしまいました。


 先程のセーラと同じポーズです。インパクトが強かったから、ついやってしまいました。


「きゃー! 可愛いですわっ! エリザベス会長! 焼き増しよろしくですわ!」


「もちろんよ! 会報の表紙も決定ね!」


 そ、そこまでですかね?


 割と普通だと思うんですけど。


 でも、なんかロビー中の人がホッコリした笑顔で見てるんですけど!


「素晴らしいですわっ! スカーレット様には、やはり紅いネコミミですわね!」


「そうね!」


「自信作です!」


 セーラが嬉しそうな笑顔で自慢気です。


 というか、ネコミミ?


「にゃ?」


 いやーん!


 いつの間にかネコミミが付いてる!


 公衆の面前で、皇女殿下の前でネコミミ付けて、『にゃん?』してしまいました!


 ちょっと! まだ旅行初日ですよ!?


 何回私をいじれば気が済むのですか!


「ふにゃー!」


「きゃー! 怒ったネコミミスカーレット様も可愛いです!」


「いいよ! レレレッタちゃん!」


 もう、怒ったにゃ!


 今日はお母様一緒に寝てくれないと許さないにゃ!


 子守歌もにゃ!


「おっけー! 任せて! 一緒にお風呂も入るにゃ!」


 軽い! お母様、心を読んだ上に返事軽い! 全然反省してない!


 もう嫌にゃん!


「私も一緒にお泊まりしたいですわ!」


「エルゼちゃん!」


 助けて、エルゼたん! 皆がいじめるの!


 私はひっしとエルゼに抱きつきました。


「おお、美少女二人が抱き合ってるぞ! ユリユリしい!」


「ネコミミ可愛い!」


「えっ、抱き付かれてるの、皇女殿下じゃね?」


「まじで? 皇女殿下ってあんな可愛いの?」


「俺、皇女殿下のあんな蕩けた顔初めて見た! なんかエロい!」


「「「えっ!?」」」


「えっ!?」


「「「お巡りさん、コイツです!」」」


「馬鹿っ! 皇女殿下に不敬だぞ! それに見ろよ。ネコミミっ子の胸元スケスケだぞ? ネコミミっ子の方がエロいだろうが!」


「「「お巡りさん、コイツもです!」」」


 もう、いやん! ネコミミぺたんです。


「セーラ!」


「はっ!」


 セクハラ発言をした男達は、あっという間に簀巻きにされて吊り下げられました。


 もう、いいです! やけ食いなのです!


 もう、ただのハンバーグでは許しませんよ!


 チーズインバーグなのです!


 目玉焼きものせるのです! ソースはデミグラスです!


 ピラフには旗を刺してないと駄目ですからね!


 ジェラートはカイザーシュマーレンに添えるのです!


 ラテアートにネコとか書いてきたらプンプンですよ!


 ラテアートはくまさんでお願いします!

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