表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界世紀末勇者無頼伝説   作者: ヘルメット
14/24

竜の砦

そろそろ目的が出てきます

 コロシアムの町で豪遊した俺達は事件の解決報酬をシンシアから受け取ろうとしていた。


「いえ、ですから食料全部は勘弁してください!!」


 シンシアが半泣きで俺達の略奪を止めようとしているが、俺とモヒーに容赦はない。


「うるせぇ!!食料は俺達が全部もらっていくぜぇえ!!」


 モヒーが吼える。俺は特に止めもしなかったが、近くの冒険者が非難の眼差しを向けてくる。


「何みてやがんだてめえら」


 俺が威圧すると雲散霧消する冒険者達。


「ねえ、ゼロちょっとやりすぎじゃない?食料そんなにあっても腐っちゃうわよ?」


 小娘が何か言っているがこれは今日中に食うから問題はねえ。


「今日中に食う。そんなことよりもお前、なんか面白そうな依頼はねえのか?ちょっと見てこいよ」


「ええ・・・・・・全部食べるの??はぁ、依頼見てくる」


 10分程度で食料の略奪が終わり、同時に小娘も戻ってきた。


「へっへっへ、大量っすよおおお!!」


「これとかどうかしら?」


 二人共やり遂げた顔で帰ってきやがった。


「モヒー、お前は馬車に食料を積み込め!!食いながら移動するぞ。そして小娘、でかした。これは面白そうだ」


「了解っす!!」


「でしょ?でもなんでこれ残っていたのかしら」


 小娘の持ってきた依頼書は砦の奪還とあった。つまりそのあと占拠してしまえばその砦は俺の物になるじゃねえか、グヘグヘヘヘヘ。

 砦を奪還するなんざ、俺の力を以ってすれば赤子の手を捻るようなものよ。


「あー、それはですね、その砦に現在住んでいるのはエンシェントドラゴンなんですよ」


「エンシェントドラゴンてあの御伽噺の?」


「そいつ食えるんすか?」


「知らねえ。詳しく教えな」


 どうやら小娘とシンシアは知っているようだ。気にいらねえ。


「えーとですね。古い城や迷宮、森の奥地でごくまれに発見されることがあるんですけど、伝説になってたりするレベルのドラゴンですね。体が強い上に魔法まで使うので軍隊でも挑みません」


「なるほどな、よし、この砦はもらったああああ!!」


「えええええ!?本当にいくんですか?生きて帰れる保証はありませんよ?」


「へっ!ゼロ様に不可能はねえんだよぉ!!ッペ!!」


 モヒーの悪態はスルーしてシンシアは俺にまっ直ぐな眼差しを向けてくる。俺は兜ごしにその目を見据える。


「意思は固いようですね。お気をつけて。くれぐれも命だけはお大事に」


「俺に敗北はない!!」


 俺はバイクに跨り竜の砦へと出発した。なお馬車とモヒーと小娘は置き去りにした。




「さて、おい、クソドラゴン!!出てきやがれ。この砦は俺がもらったあああああ!!」


 砦までバイクで乗りつけた俺は到着と同時にエンシェントドラゴンを挑発した。このトカゲ野郎、砦にとぐろを巻くみたいに絡み付いて石化してやがった。俺の挑発で起きなかったら化石になってやがったな。トカゲ野郎は全身に固そうな鱗が生えているがその下には鋼のような筋肉が無数に折り重なっているようだ。これでは並の人間は勝ち目がないのも頷ける。


『何用だ、人間?・・・・・・人間じゃない?』


 失礼なトカゲだ。下等生物には人間かどうかの見分けもつかねえのか。くそったれめ。


「この砦を寄越しな!!俺が頂いてやる」


『愚かな。我は遥かに遠きあの天を貫く塔におわす魔王様の命令によってこの砦を守護しているのだ。貴様らごときに明け渡すわけがなかろう。戯けモノに死を!!』


 その台詞を最後に無数の炎を俺にむかって吹き付けてくる。生体ナパームとかいう兵器に似ている。着弾すれば粘液が燃料となり着火され炎上爆発する。俺はすかさずそのナパームを風の力で片っ端から回避していく。


『見事!だがこれならどうだ!!』


 そして次は尻尾のフルスイングである。俺は手刀で尻尾を切断する。


『グアアアアアアアア!!!許さん、許さんぞおおお!!くらえ、ドラゴンズロア!!!!!』


 ドラゴンの口から発射された竜の魔法はレーザーとなり俺を襲う。だがしかし!!


「機神破砕拳究極奥義・光線白刃取り!!でりゃああああ!!」


 俺はレーザーを気の力で白刃取りし、そのままベクトルを捻じ曲げ、ドラゴンの口内に返す。


『ば、ばかな!?我が竜魔法が反射され、グブワアアアアアアアアアア!!!』


 頭を吹き飛ばされエンシェントドラゴンは消し飛んだ。しかし塔には魔王がいるのか。俺の特等席に存在するとは許せねえ。モヒーと小娘が今頃到着した。


「ドラゴンもう死んでるし・・・・・・」


「ヒャッハアアアアアア!肉すげえぜええええ」


「おい、俺は塔を目指す。そして魔王をぶち殺して俺が新しい魔王になる」


『ええええ!?』


 二人の声がはもった。



エンシェントドラゴンの昔話


 昔あるところに一人の優しい若者がいた。若者はある日傷ついた竜の子供を拾った。最初は慣れなかった竜の子供はやがて若者の優しさに触れ、理性をもった。若者と会話するために言葉を覚え、若者に尊敬されるために魔法を覚えた。竜は若者のためなら命もおしまない最強の守護獣となっていた。しかし若者は竜を守護獣にするためだけに竜の親を罠にかけ、竜を育てたのだった。竜はそのことを知らず、今も若者に付きしたがっている。


※ちょこっとキャラ紹介


ゼロさん・・・・・・ついにドラゴンスレイヤーになった。魔王を殺しにいくつもり。


小娘・・・・・・モヒーと二人で富○、虎○状態になりそう。ヒロインになる予定だったのだがその兆しは見えない。


モヒー・・・・・・コロシアムで優勝したのはいいけどそのうち置いてかれそうで不安がっている。


シンシア・・・・・・実はゼロに興味津々。ヘルメットの中を見たいがゼロさんはヘルメットを取りません。


エンシェントドラゴン・・・・・・魔王の便利なペット。盟友だと思っているのは本人だけ。

書きたいお話が増えそうです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ