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対策装備の実装

アレンは37階層で足止めされている冒険者たちを眺めながら、考えていた。


今の装備ではリッチに勝てない。


なら、そこへ至るまでの階層で必要なものを手に入れられるようにすればいい。


「37階層を突破するための装備を、31階層から36階層で手に入るようにするか」


ただ強い装備を渡すだけではない。


冒険者たちは各階層のボスと戦い、何度も挑戦しながら戦闘経験を積んでいく。


そしてボスを倒せば、その先の戦いに必要な装備が手に入る。


戦って強くなり、装備も充実させる。


その繰り返しだ。


アレンは31階層から36階層までのボスドロップを調整した。


魔法剣。


魔法への耐性を持った鎧。


魔法防御の高い盾。


その他にも、リッチとの戦いで役立つ装備を少しずつ設定していく。


「これなら、何度も挑戦する意味もあるな」


最初はリッチに歯が立たない。


だが、31階層から36階層を攻略していけば、少しずつ装備が揃っていく。


装備が揃えば、今度は37階層に再挑戦する。


それでも負ければ、さらに戦い方を見直す。


そうやって少しずつ壁を越えていく。


アレンは満足そうに頷いた。


「よし。これならちゃんと強くなれるだろ」


だが、そこでアレンは一つ気になった。


せっかくダンジョンで手に入れた装備を、そのまま外へ持ち出されたらどうなるのか。


「……これ、他のダンジョンに持っていかれたりしないよな?」


冒険者がこのダンジョンで装備を手に入れ、そのまま別のダンジョンへ行く。


そうなれば、アレンが作ったダンジョンのための装備が、別の場所で使われることになる。


「それは嫌だな」


アレンは少し考えた。


そして、装備に細工を施した。


ダンジョンの外へ持ち出した場合、付与されている効果が切れるようにしたのだ。


魔法剣なら、魔法剣としての効果がなくなる。


魔法防御の高い鎧も、外へ持ち出せば普通の鎧になる。


盾も同じだ。


「これなら大丈夫」


ダンジョンの中では強力な装備。


しかし、外へ持ち出せばその力を失う。


これなら冒険者たちが装備を求めて他のダンジョンへ逃げることもない。


そもそも、このダンジョンで手に入れた装備は、このダンジョンで使うからこそ価値がある。


「うん。これでいい」


アレンは満足した。


冒険者たちは31階層から36階層で戦い、ボスを倒して装備を手に入れる。


手に入れた装備で37階層のリッチに挑む。


そして、リッチを倒せるほど強くなれば、その先へ進める。


単純に強い装備を与えるのではない。


戦わなければ手に入らない。


装備を手に入れるために戦い、戦うことで冒険者自身も強くなっていく。


「これなら、最初に考えてた『本当に強くなってるのか』って疑問も確認できそうだな」


アレンは再び37階層を見た。


今はまだ、リッチの前で冒険者たちが足止めされている。


だが、これから少しずつ状況は変わっていくだろう。


新しい装備を手に入れた冒険者たちが、再び37階層へ挑戦する。


その日が来るのを、アレンは楽しみに眺めていた。

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