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ダンジョンでニート生活始めます ~冒険者を集め、町を発展させ、経済を動かし、世界に影響を与えるダンジョン経営~  作者: まゆな


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特賞の創設

アレンは宝くじ箱に集まっている魔石の数を確認することにした。


「コア、この魔石って何個ある?」


「計量するね」


しばらくして、数字が表示された。


「七万五千八百六十四個」


「……は?」


アレンは数字を二度見した。


「七万……?」


「五千八百六十四」


「いやいやいや」


アレンは先月の記録を確認する。


「先月は一万三千個くらいだったよな?」


「うん」


「それが……七万五千八百六十四?」


「そう」


アレンは腕を組んだ。


「何かの間違いか?」


「計量は間違ってないよ」


「何が起きてるんだ……」


冒険者の数が、それほど増えたわけではない。


それなのに魔石だけが異常な勢いで集まっている。


アレンには意味が分からなかった。


だが、考えていても魔石は減らない。


そして七万五千個以上も集まっている以上、別の問題が発生する。


「……景品を用意しないといけないな」


宝くじ箱に投入された魔石は、景品と交換される。


つまり、これだけ大量の魔石が集まったということは、それだけ大量の景品を用意する必要があるということだ。


「今までの景品だけじゃ足りない」


アレンは宝くじ箱の設定を確認する。


「よし」


少し考えたあと、アレンは新しい等級を追加することにした。


「一等の上に、特賞を作ろう」


「特賞?」


「うん。一番上の景品だ」


問題は、その景品を何にするかだった。


「何が喜ばれるかな……」


アレンはしばらく考える。


そして、宝くじ箱の周辺から聞こえてくる冒険者たちの声に意識を向けた。


「また一等は騎士団だったらしいぞ」


「今回こそ二等を当てたいな」


「宝石が欲しい」


「酒もいいけど、やっぱり宝石だろ」


どうやら、これまで一等を引いているのは騎士団ばかりらしい。


冒険者たちは一等を諦めているわけではない。


ただ、現実的に狙っているのは二等だった。


「なるほどな」


アレンは少し考える。


「毎回一等が騎士団に当たってるなら、冒険者が二等を狙うのも分かる」


しかし今回は事情が違う。


応募者そのものが増えている。


「今回は応募も多い」


アレンは数字を確認する。


「これだけ増えれば、騎士団が引く割合も下がる」


つまり今回は、騎士団以外の誰かが一等を引く可能性も十分にある。


「それなら……」


アレンは特賞の景品を考え始めた。


高価なもの。


珍しいもの。


この世界では作れないもの。


しかし、宝石や高級品を出すだけでは面白くない。


「せっかくだから、もっと驚かせたいな」


アレンはマスタールームにある日本の品々を思い浮かべる。


地球には、この世界の人間からすれば信じられないほど高度な技術で作られたものが大量にある。


しかも、その中には驚くほど安価なものまで存在する。


「……あった」


アレンの顔が明るくなる。


「圧倒的な技術力を誇りながら、格安の商品」


これならいい。


この世界の人間が見れば、間違いなく驚く。


高価だから凄いのではない。


誰でも買えるような価格で、それを実現していることこそが地球の技術力なのだ。


「これだ」


アレンは特賞の景品を決めた。


「地球の技術力を思い知れ」


アレンは満足そうに笑った。


まだ景品の内容を知る者はいない。


だが、アレンには分かる。


宝くじ箱から特賞が出た瞬間――


このダンジョンは、今までにないほどの大歓声に包まれる。


そんな光景が、アレンにははっきりと想像できていた。

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