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ダンジョンでニート生活始めます ~冒険者を集め、町を発展させ、経済を動かし、世界に影響を与えるダンジョン経営~  作者: まゆな


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人間関係

アレンは自分の周りの人間のポジションを考えていた。


 これだけ長く一緒にいると、それぞれの関係もはっきりしてくる。


 ただ、普通に考えても面白くない。


 そこでアレンは、会社に置き換えて考えてみることにした。


 まず、アリス。


 アリスは新入社員だ。


 前世の知識があるため、仕事を覚えるのは早い。


 しかし、常識があるかといえば、そうでもない。


 新しいことを思いついては勝手に始めるし、アレンが何かを企んでいると、率先して乗ってくる。


 新入社員なのに、上司のアレンと一緒になって会社を引っかき回している。


 普通の会社なら、教育係が頭を抱えるところだろう。


 もっとも、アレン自身がまともな上司ではないので、教育係を用意したところで意味があるのかは分からない。


 次にエレナ。


 エレナはお得意様だ。


 聖女という肩書きもあり、実力も申し分ない。


 ただし、機嫌を損ねると面倒なことになる。


 しかも、本人は正しいことをしているつもりなので、こちらの都合で話を進めるのは難しい。


 アレンとしては、できるだけ良好な関係を維持しておきたい相手だった。


 リリアもお得意様か。


 アレンはそう考えた。


 リリアもダンジョンに関わりが深く、何かと顔を合わせる機会が多い。


 ただ、エレナと同じお得意様という分類でいいのかは、少し悩むところだった。


 まあ、細かいことはいいだろう。


 次はクラリス。


 クラリスは友達だ。


 気軽に話せるし、冗談も通じる。


 ただし、冗談が通じることと、何をしても許されることは別である。


 アレンはそのあたりを何度も学んでいるはずなのだが、なかなか学習しない。


 フローラは彼女の妹。


 アレンの中では、そんな位置づけだった。


 フローラはクラリスとは違った意味で付き合いやすい。


 お茶会にも参加するし、ダンジョンの新しい娯楽にも興味を持つ。


 ただし、アレンが勝手に何かを始めれば、当然のように巻き込まれることもある。


 次にシャルロッテ。


 シャルロッテは近所のお姉さんだ。


 頼りになるし、落ち着いている。


 アレンが無茶をしても、比較的冷静に対応してくれる。


 こうして並べてみると、周囲にはずいぶんと多様な人間が集まっている。


 そして、セレスティア。


 セレスティアはライバル社長だ。


 商売の話もできるし、経営について意見を交わすこともある。


 ただし、アレンとセレスティアでは、そもそも会社の規模も経営方針も違う。


 それでも、互いに相手の動向を気にしている。


 アレンからすれば、商売敵というより、競い合う相手に近いのかもしれない。


 セレスティアも、アレンが何かを始めれば放っておかない。


 新しい商品を出せば興味を示すし、商売に影響が出れば対策を考える。


 ライバル社長という分類は、案外しっくりきた。


 最後にクロノス。


 クロノスは専務だな。


 戦闘力も経験も申し分ない。


 長い付き合いがあり、アレンの指示にも従う。


 会社でいえば、経営の中枢を支える重役といったところだろう。


 ただし、見た目は会社の専務というより、会社を一瞬で吹き飛ばせそうな存在だ。


 普通の会社なら、来客が逃げ出す。


 まあ、そこは気にしないことにした。


 そして最後に、たまと白とぴーちゃん。


 たまと白とぴーちゃんはペットだな。


 アレンは迷わず分類した。


 白は犬。


 たまは猫。


 ぴーちゃんは鳥。


 分かりやすい。


 少なくとも、見た目だけならペットで間違いない。


 それぞれ普通の動物とは比べものにならないほどの力を持っているが、アレンにとっては一緒に暮らしている仲間である。


 会社に置き換えて考えるなら、社員でも役員でもない。


 ペットだ。


 アレンは自分の分類に満足した。


 新入社員のお騒がせ者。


 お得意様が二人。


 友達とその妹。


 近所のお姉さん。


 ライバル社長。


 専務。


 そしてペットたち。


 こうして整理してみると、なかなか面白い人間関係になっている。


 ただし、一つだけ問題があった。


 これだけの人間が集まっているのに、まともに会社を経営しているような気がしない。


 そもそも、社長に相当するアレン自身が、思いつきで新しい事業を始める人間なのだ。


 新入社員のアリスまで一緒になって暴走する。


 専務のクロノスは優秀だが、会社の経営よりも戦闘の方が得意だ。


 お得意様は何かと要求してくる。


 ライバル社長は、こちらの動向を常に気にしている。


 それでも会社は回っている。


 ダンジョンも運営できている。


 新しい事業も次々と増えている。


 アレンは少し考えた。


 ……案外、うまくいっているのか?


 そう結論づけた。


 自分の周りの人間関係を会社に置き換えて考える。


 ただそれだけのことだった。


 もし本人たちにこの分類を知られたら、誰が一番怒るのか。


 そして、誰が一番面白がるのか。


 少なくとも、アリスだけは喜んで新しい企画を考え始めそうだった。

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