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ダンジョンでニート生活始めます ~冒険者を集め、町を発展させ、経済を動かし、世界に影響を与えるダンジョン経営~  作者: まゆな


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脱落した勇者候補

セレスティアとフローラとリリアは、お茶会をしていた。


三人で紅茶を飲みながら、それぞれの近況について話している。


そんな中、リリアはいつも以上に機嫌がよかった。


セレスティアはそんなリリアの様子を見て、首を傾げる。


「リリア、いいことあったのかしら? 機嫌がよさそうよ」


「分かります?」


リリアは嬉しそうに笑った。


「ええ。いつもより分かりやすいわ」


「実はですね、37階層で燻ってた勇者候補をスカウトできたのです」


「37階層で燻っていたのよね」


フローラが確認する。


「そうですわ」


「使えるの?」


セレスティアが尋ねた。


37階層で足止めされていたという話だけなら、そこまで期待できる人材には聞こえない。


ところが、リリアの表情は明らかに違っていた。


「実は37階層は相性が悪いだけですぐに40階層もクリアしましたわ」


「……すぐに?」


フローラが聞き返す。


「ええ」


「37階層では燻っていたのに?」


「そこが面白いところですわ」


リリアは楽しそうに笑う。


ダンジョンでは、単純な実力だけで攻略できるわけではない。


自分たちの戦い方と、階層にいるモンスターとの相性。


それが悪ければ、実力があっても足止めされる。


逆に相性がよければ、一気に先へ進めることもある。


今回スカウトした勇者候補たちは、まさにその典型だった。


「彼らは騎士団長と同等か、それ以上ですわ」


フローラが驚いた。


「そんなに?」


「ええ」


セレスティアも少し驚いた顔をする。


「37階層で燻っていたのに、騎士団長級なの?」


「だからこそ、掘り出し物だったのですわ」


リリアは嬉しそうに答える。


「そんな人材が複数人も」


そして、満面の笑みを浮かべる。


「笑いがとまりませんわ」


セレスティアも、その気持ちは分かった。


37階層で足止めされているという情報だけなら、そこまで注目されなかったかもしれない。


ところが実際に見てみれば、40階層まで突破できる実力者。


しかも騎士団長と同等以上。


それが複数人。


「あなたたちのところは、戦力が一気に上がったわね」


「はい」


リリアは嬉しそうに頷いた。


「あなたたちのところは国にとっても大事だから、戦力が上がることはいいことだわ」


セレスティアがそう言うと、リリアはさらに嬉しそうにする。


「たぶん国軍より強いわよ」


「……」


セレスティアが黙る。


フローラも黙った。


リリアは二人の反応を見て、少し首を傾げる。


「どうしましたの?」


「否定できないのが悲しいわ」


セレスティアが紅茶を一口飲む。


「国軍も頑張っているのですけどね」


フローラも苦笑する。


「ダンジョンの深い階層を攻略できる人たちを基準にすると、どうしても比較がおかしくなりますわね」


「そうでしょう?」


リリアは嬉しそうに笑った。


37階層で燻っていた勇者候補。


それを何人もスカウトしてみれば、実は騎士団長級。


しかも40階層まで突破できる。


リリアにとっては、これ以上ないほどの掘り出し物だった。


「これからもっと活躍してもらいますわ」


「期待しているわ」


セレスティアも笑う。


「ただし、無理はさせないようにね」


「もちろんですわ」


三人は再び紅茶に手を伸ばした。


リリアだけは、しばらく笑顔が消えなかった。


どうやら今回のスカウトは、かなり嬉しかったらしい。

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