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ダンジョンでニート生活始めます ~冒険者を集め、町を発展させ、経済を動かし、世界に影響を与えるダンジョン経営~  作者: まゆな


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クラリスを案内

クラリスはセレスティアの家を訪れていた。


「クラリス、よく眠れた?」


「はい。とても柔らかいマットで、布団も軽くて暖かかったです」


「気に入って何よりね」


セレスティアは満足そうに笑った。


「紹介するわね。こちらはフローラよ。私の右腕よ。頼りになるの」


「フローラです。よろしくお願いします」


「クラリスと言います。よろしくお願いします」


「フローラ、こちらはクラリス。隣の国の王女よ」


「王女様でしたか」


「あなたたちは同じ年だし、仲良くなれると思うわ」


「はい」


二人が挨拶を交わしていると、使用人が部屋へ入ってきた。


「セレスティア様、洋服が届きました」


「クラリス、早速気に入られたわね」


「え?」


「洋服が送られてきたら、気に入られた証なのよ」


クラリスは届けられた服を見る。


「素敵な服ですね」


「気に入った?」


「はい!」


「なら、着替えて来なさい」


「はい!」


クラリスは服を持って部屋を出ていった。


しばらくすると、着替えたクラリスが戻ってくる。


「どうですか?」


「似合っているわね」


「似合ってます」


フローラも笑顔で頷く。


「そうですか?」


クラリスは嬉しそうにセレスティアを見る。


「お姉さまにそう言われると嬉しいです」


「それならよかったわ」


セレスティアは立ち上がった。


「行きましょう」


「町を案内してくださるのですか?」


「ええ」


クラリスは目を輝かせる。


「まだ私を驚かすのですね」


「きっと驚くわよ」


三人は家を出た。


セレスティアが住む家から少し歩くと、ダンジョン内部の町が広がっている。


クラリスは足を止めた。


「……やっぱり不思議です」


「何が?」


「ここがダンジョンの中だということです」


目の前には普通の町と変わらない光景が広がっている。


人々が歩き、店が並び、荷物を運ぶ人々が行き交っている。


「ここで普通に生活している人がこんなにいるんですね」


「ええ。住民も多いわよ」


「冒険者だけではないのですか?」


「もちろん。商人も職人もいるし、農業をしている人もいるわ」


「ダンジョンの中で農業まで……」


クラリスはまた驚いた。


セレスティアは町の中心へ向かって歩く。


「まずはホテルを見せるわ」


目の前に大きな建物が現れる。


「ここがホテルよ」


「ダンジョンの中にホテル……」


「遠くから来た人も多いから、泊まる場所が必要でしょう?」


中へ入ると、広いロビーがある。


受付にはスタッフがおり、冒険者や住民が出入りしている。


「ここは普通の宿と違うのですか?」


「部屋もかなり快適よ。私も何度か使ったことがあるわ」


クラリスはホテルを見回す。


「本当にダンジョンとは思えません……」


ホテルを出ると、セレスティアはさらに町を案内していく。


「こっちは商店街ね」


店には様々な商品が並んでいる。


ダンジョンでしか手に入らないものもあれば、外から持ち込まれた商品もある。


「こんなに店が……」


「必要なものはだいたい揃うわ」


「町の中だけで生活できるのですか?」


「できるわね」


クラリスは呆然とする。


「では、ダンジョンに入らなくても?」


「住民なら、ほとんど入らないわね」


「ダンジョンなのに……」


セレスティアは笑った。


「名前はダンジョンだけど、ここに住んでいる人にとっては町だから」


さらに進むと、道路が見えてきた。


「それから、これ」


道路を走っている乗り物を見て、クラリスが首を傾げる。


「また車ですか?」


「違うわ。これはダンジョンのバス」


「バス?」


停留所にバスが止まる。


何人もの住民が乗り降りしている。


「町の中を移動するために使うの」


「馬がいないのに?」


「ええ」


クラリスはもう驚くことにも慣れ始めていた。


……と思ったところで、セレスティアが次の建物を指差した。


「そして、あれ」


「……何ですか?」


「エレベーターよ」


「エレベーター?」


「上下の階を移動するためのもの」


「階を……?」


クラリスは首を傾げた。


セレスティアはそのままエレベーターの前まで歩いていく。


扉が開く。


三人で中へ入る。


「ここから上に行くわ」


ボタンを押す。


扉が閉じる。


そして、しばらくすると扉が開いた。


「……!」


クラリスは外へ出て、周囲を見回した。


「本当に上に……」


「便利でしょう?」


「便利という言葉では足りない気がします」


セレスティアは笑った。


町を一通り案内したあと、三人は再び通りへ戻った。


クラリスは、最初にダンジョンへ入ったときとはまるで違う顔をしていた。


「お姉さま」


「何?」


「ここ、本当にすごいところですね」


「そうでしょう?」


「私、まだ全部見ていませんよね?」


「ええ。まだまだあるわよ」


クラリスは少し考える。


「……留学期間、延長できるでしょうか?」


セレスティアは笑った。


「好きなだけいていいと言ったでしょう?」


「では、遠慮なく!」


クラリスは嬉しそうに笑った。


その横でフローラも笑っていた。


ダンジョンの中にある町。


クラリスの留学生活は、想像していたものとはまったく違うものになりそうだった。

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