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ダンジョンでニート生活始めます ~冒険者を集め、町を発展させ、経済を動かし、世界に影響を与えるダンジョン経営~  作者: まゆな


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交渉窓口

セレスティアと王妃様とフローラは、お茶会をしていた。


優雅なティーカップが並び、テーブルには王宮自慢の菓子が並べられている。


三人だけのお茶会ということもあり、いつもより随分と砕けた雰囲気だった。


王妃様は向かいに座るセレスティアをじっと見つめた。


「セレスティア、何かいいことがあったのかしら?」


「ええ」


セレスティアは嬉しそうに微笑んだ。


「楽しいことを見つけましたの」


「まあ。それは教えて貰えるのかしら?」


「まだ秘密ですわ」


そう言って、セレスティアは楽しそうに紅茶を口にした。


王妃様は少しだけ目を細める。


セレスティアがここまで嬉しそうにしているのなら、相当面白いものを見つけたのだろう。


だが、秘密と言われれば無理に聞くつもりもない。


「そう。では、楽しみにしておきましょう」


「ええ、きっとそのうち分かりますわ」


そんな二人の会話を聞いていたフローラに、セレスティアが視線を向けた。


「フローラ、あの車はどうかしら?」


「あの車ですか?」


「ええ。気に入ってくれたかしら?」


フローラの顔がぱっと明るくなった。


「お姉さま、ありがとうございます。とっても乗り心地がよくて最高です」


「それならよかったわ」


「今まで乗っていた馬車とは全然違いますわ。揺れも少ないですし、とても静かで……」


フローラは嬉しそうに車の感想を話す。


「お揃いね」


セレスティアが微笑む。


「とっても嬉しいです」


フローラも笑顔を返した。


王妃様もそんな二人を見ながら微笑む。


「あなたがダンジョンマスター様とうまく付き合えて嬉しいわ」


「ありがとうございます」


「今後は私に任せてもいいわ」


セレスティアは王妃様の言葉を聞いて、少しだけ考えた。


「そうですわね」


「ええ。セレスティアがダンジョンマスター様とうまく付き合えているのなら、今後のことはあなたに任せてもいいでしょう」


王妃様は穏やかに微笑む。


「そうね。十年もしたら、あなたが王妃よ」


セレスティアは少し驚いたように目を見開いた。


「まあ」


「王の候補は変わるかもしれないわ」


王妃様は続ける。


「あなたに選ばれた人が王よ。好きにしなさい」


セレスティアは少しだけ考えると、楽しそうに微笑んだ。


「勿論ですわ」


フローラも二人の会話を聞きながら、静かに微笑んでいた。


穏やかなお茶会。


しかし、その裏ではセレスティアの考えが少しずつ固まり始めていた。


ダンジョンと王国の窓口。


これまでは王妃様が中心となっていた。


だが、これからは自分がその役目を担う。


ダンジョンマスターとの交渉。


ダンジョンからもたらされる商品の管理。


王国側からの要望の取りまとめ。


ダンジョンに関する様々な問題への対応。


セレスティアは、それらを自分に集めようとしていた。


ダンジョンマスターと直接話せる。


しかも、すでにかなり良好な関係を築いている。


ならば、自分が窓口になるのが一番自然だ。


もちろん、今すぐ王妃様にすべてを話すつもりはない。


まだ秘密なのだから。


セレスティアは紅茶を口に運びながら、楽しそうに微笑んだ。


「ふふっ」


「どうしたの?」


王妃様が尋ねる。


「なんでもありませんわ」


セレスティアはそう答えた。


王国とダンジョン。


その間にある窓口が、これから少しずつ変わっていく。


そして、その中心に立とうとしているのは――


セレスティアだった。

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