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ダンジョンでニート生活始めます ~冒険者を集め、町を発展させ、経済を動かし、世界に影響を与えるダンジョン経営~  作者: まゆな


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上下関係

アレンは正座をしたまま、セレスティアの質問攻めにあっていた。


「それで、あなたは何ができるのかしら?」


「何がって……」


「ダンジョンマスターなのでしょう?」


「まあ、そうだけど」


「では、ダンジョンマスターにできることを教えてください」


セレスティアは楽しそうに尋ねてくる。


アレンは諦めて説明することにした。


「基本的なところなら、ダンジョンの拡張だな」


「どの程度まで?」


「階層を増やしたり、部屋を作ったりできる」


「罠は?」


「設置できる」


「モンスターは?」


「創造できる」


「種類は?」


「ある程度なら自由に設定できる」


「強さも?」


「調整できる」


「施設は?」


「作れる」


「町も?」


「作れる」


「乗り物も?」


「作れる」


セレスティアの質問は止まらない。


アレンは一つ一つ答えていく。


ダンジョンの拡張。


罠の設置。


モンスターの創造。


施設の建設。


ポイントを使った様々な機能。


そして、ダンジョン内のほぼ全てを管理できること。


説明すればするほど、セレスティアの目が輝いていく。


「ずいぶん人間のことが分かっていると思いましたが……」


セレスティアがアレンを見る。


「元人間ですのね」


「そういうこと」


「今も人間ですの?」


「人間ではある」


アレンは少し考えてから答えた。


「ただ、今は寿命がない人間だけどね」


「まあ」


セレスティアは驚いたような顔をする。


そして、少し考える。


「このダンジョン、私が貰おうかしら」


「無理」


即答だった。


「私にしか動かせません」


「そう」


セレスティアは少し残念そうにする。


だが、すぐに別のことを思いついたようだった。


「では、私が女帝になろうかしら」


「なんで?」


「王太子に少し不満がありますの」


「それで女帝?」


「ええ」


「無理です」


「あなたが婿になればいいわ」


「無理です」


「私を自由にできますわよ?」


「………………」


アレンの返事が止まった。


セレスティアはじっとアレンを見る。


「悩んだわね」


「いや、そういう意味じゃ……」


「今、かなり悩みましたわよね?」


「………………」


「ふふ」


セレスティアは楽しそうに笑った。


アレンは何とか平静を装う。


「これについては……」


「はい」


「また議論しましょう」


「はい」


アレンはそれだけ答えた。


セレスティアは満足そうに頷いた。


そして帰る前に、もう一つ思い出したように口を開く。


「そういえば」


「まだあるのか?」


「私とフローラにも車を頂けるかしら?」


「車?」


「ええ」


セレスティアは当然のように言った。


アレンは少し考える。


王妃様にはすでに車を用意している。


セレスティアとフローラにあっても不思議ではない。


「色違いを用意させて頂きます」


「まあ、ありがとう」


セレスティアは嬉しそうに微笑んだ。


「楽しみにしていますわ」


「はい」


こうして、セレスティアは帰っていった。


扉が閉まる。


静かになったマスタールームで、アレンは深く息を吐いた。


「……疲れた」


ダンジョンマスター。


ダンジョンを自由に拡張し、モンスターを創造し、町まで作り上げた存在。


本来なら、この世界で誰よりも自由なはずだった。


それなのに。


「完全に逆らえなくなってる……」


アレンは自分の置かれている状況を改めて理解した。


セレスティアには、もう頭が上がらない。


その頃。


王妃様の屋敷では、セレスティアが嬉しそうに報告していた。


「王妃様、私もダンジョンマスター様から車を頂けましたわ」


「まあ」


王妃様は嬉しそうに微笑む。


「さすがね」


「ええ」


「あなたなら、この国を任せられますわ」


「嬉しいですわ」


二人はそんなことを話しながら、穏やかな時間を過ごしていた。


一方その頃、マスタールームでは。


「……俺、何であんな約束までしたんだろう」


アレンは一人、頭を抱えていた。

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