ダンジョンランドの運営
ダンジョンランドの運営方針は、以前とは大きく変わっていた。
当初は貴族を中心とした施設だったが、現在は入場料さえ払えば誰でも入れるようになっている。
ただし、貴族と平民が同じ日に利用することはない。
貴族の日と平民の日を分けることで、身分の違いによるトラブルを防ぐためだ。
アレンとしても、せっかく遊びに来た客同士が身分を理由に揉めるような状況は避けたかった。
貴族の日には、やはり高額な施設が人気だった。
特にエステは評判がよく、一度利用した客が何度も訪れる。
映画館も人気があり、上映される映画を目当てに定期的に訪れる貴族も増えていた。
入場料とは別に料金を取る施設ではあるが、客はそれをあまり気にしていない。
むしろ、
「次はいつ新しい映画が上映されるのかしら?」
「今度は別のエステを試してみたいですわ」
などと、次に来る予定まで考えている者も多かった。
アレンはその様子を見て、貴族客についてはかなり安定してきたと考えていた。
一方、平民の日になると雰囲気が大きく変わる。
平民に人気なのは、入場料だけで遊べる遊具だった。
追加料金を必要としないため、家族連れでも気軽に楽しめる。
子供たちは目を輝かせながら遊具へ向かい、大人たちはその様子を眺めながら楽しんでいる。
「もう一回!」
「さっき乗ったでしょう」
「もう一回だけ!」
そんな親子のやり取りも、ダンジョンランドでは珍しくなくなっていた。
そして、もう一つ人気なのがお土産コーナーだった。
そこには、現在ではガチャから出なくなった嗜好品が並べられている。
ガチャの景品としては扱わなくなったものでも、需要がなくなったわけではない。
むしろ、一度手にした客からすれば、また欲しくなる商品も多かった。
「これ、前にガチャで出たやつだ!」
「買えるの?」
「買って!」
子供にせがまれた親が商品を手に取り、値段を確認する。
そして少し悩んだ末に購入する。
そんな光景も増えていた。
ダンジョンランドそのものの人気は、確実に広がっている。
ただし、アレンには一つ気になっていることがあった。
貴族と平民では、リピーターの数にかなり差があるのだ。
貴族はエステや映画館など、何度も利用したくなる施設がある。
そのため、一度来た客が再び訪れる理由を作りやすい。
だが、平民の場合は少し違う。
「一度遊びに来たから、次は別の場所へ行こう」
となる客も多い。
もちろん、子供がまた来たがることはある。
しかし、家族全員で何度も訪れるとなると、入場料も必要になる。
アレンは運営状況を確認しながら考えていた。
「平民のリピーターをどう増やすか……」
入場者そのものは増えている。
遊具も人気がある。
お土産も売れている。
だからこそ、次の課題が見えてきた。
一度来てもらうだけではなく、
「また来たい」
と思ってもらえる理由を作ること。
ダンジョンランドは、貴族中心の施設から誰でも楽しめる施設へと変わった。
次に必要なのは、平民にとっても何度も訪れたくなる場所にすることだった。




