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ダンジョンでニート生活始めます ~冒険者を集め、町を発展させ、経済を動かし、世界に影響を与えるダンジョン経営~  作者: まゆな


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ダンジョンでの生活

朝、町の鐘が鳴った。


町の住民たちは、それぞれの仕事へ向かって動き始める。


商店を営む者は店を開け、農家は畑へ向かう。


木こりは森へ入り、漁師は海エリアへ向かう。


この町では、朝から働く場所がいくつもある。


「今日は魚が多いといいな」


漁師の一人が仲間と話しながら海へ向かっていく。


少し離れたところでは、船大工が昨日から作っている船の続きを始めていた。


町ができたばかりの頃には、こんな光景はなかった。


今では森にも海にも畑にも、それぞれの仕事をする人間がいる。


町の中央では商人たちが店を開けていた。


「ダンジョン産の菓子、今日も入ってるよ!」


店先には、この町で作られた菓子が並んでいる。


以前はガチャから出ていた菓子を珍しがっていた住民たちも、今では普通に店で買っている。


職人たちが研究し、似たものを作れるようになったからだ。


「こっちの菓子、昨日より美味しくなってないか?」


「職人が配合を変えたらしいぞ」


そんな会話をしながら、住民たちは菓子を買っていく。


昼になると、町の食堂が混み始めた。


冒険者たちがダンジョンから戻ってくる時間だ。


「今日は三階層まで行ってきた」


「魔石はいくつだ?」


「これだけだ。大したことないな」


冒険者たちは魔石を売って得た金で昼食を食べる。


ガチャがなくなっても、冒険者の生活は変わらない。


魔石を手に入れ、それを売り、食事をして、装備を整える。


昔からある冒険者の生活そのものだ。


一方、町の外れでは農家が収穫した野菜を荷車に積んでいた。


「今年もよく育ったな」


「畑が増えたからな。前よりずっと楽になった」


畑では作物が育ち、畜産エリアでは家畜が草を食べている。


農業を継げなかった者が移住してきたり、作物の実りが悪かった村から人が移住してきたりした結果、ここにも新しい農家が増えていた。


夕方になると、仕事を終えた住民たちが町へ戻ってくる。


森から木こりが戻り、海から漁師が戻る。


漁師の荷車には今日獲れた魚が積まれていた。


「今日は大漁だ!」


声を聞いた商人がすぐに駆け寄る。


「全部買うぞ!」


「魚屋にも回してくれよ!」


町の中が一気に慌ただしくなる。


少し離れたところでは、船大工が今日の仕事を終えて道具を片付けていた。


「明日は船の仕上げだな」


「次の船も注文が入ってるぞ」


海ができたことで生まれた仕事は、今ではすっかり町の産業になっていた。


夜になる。


店の明かりが町を照らし、食堂からは笑い声が聞こえてくる。


冒険者たちは今日の探索について話し、商人たちは明日の仕入れについて相談する。


農家は明日の畑仕事を考え、漁師は明日の天気を気にする。


特別な事件は起きない。


誰かが魔王を倒したわけでもない。


新しい階層が開放されたわけでもない。


ただ、人々が働いて、食べて、話して、眠る。


そんな一日だった。


マスタールームから町を眺めていたアレンは、その光景をぼんやり見ていた。


「……平和だな」


ダンジョンを作った頃は、こんな町になるとは思っていなかった。


人を集めるために始めたことが、いつの間にか仕事を生み、住民を増やし、生活そのものを作っていた。


そして今日も、町では何事もなく一日が終わっていく。


アレンは満足そうに椅子に座った。


「こういうのでいいんだよな」


そう呟いて、明日の町の様子を眺めながら、そのまま夜を過ごした。

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