ケルベロス戦
Sランク冒険者は聖女をパーティーに加えて、ケルベロスに挑む。
ケルベロスの強さは、Sランクパーティーが3ついるほどだ。
つまり、聖女一人でSランクパーティー2組分の強さがある計算になる。
Sランクパーティーにとって、ケルベロスへの挑戦は今回が初めてだ。
これまで60階層へ到達したことはあっても、ケルベロスと実際に戦ったことはない。
今回は聖女が加わっている。
Sランク冒険者たちは、これまでとは違う戦いになることを感じながら、ケルベロスの待つボス部屋へ向かった。
ボス部屋の扉を開ける。
中には巨大なケルベロスがいた。
三つの頭がこちらを向き、低い唸り声を上げる。
その威圧感に、Sランク冒険者たちも自然と身構える。
聖女はそんな仲間たちにバフをかける。
聖女の力が仲間たちの身体に行き渡る。
すると、Sランクパーティーの全員が自分たちの身体に起きた変化を感じた。
力が湧いてくる。
身体が軽い。
武器を握る手にも、今までとは比べものにならないほどの力が満ちている。
まるで何でもできるような全能感に包まれる。
「これならいける!」
Sランク冒険者たちはケルベロスへ向かっていく。
ケルベロスもすぐに攻撃を仕掛けてきた。
巨大な爪が振り下ろされる。
Sランク冒険者がそれを受け止める。
「受け止められる!」
さらに別の頭から攻撃が飛んでくる。
それも受け止める。
ケルベロスの激しい攻撃を受けても、Sランク冒険者たちは耐えることができた。
そして、自分たちの攻撃もケルベロスに通る。
「攻撃も通るぞ!」
Sランク冒険者たちは一気に攻勢へ出る。
ケルベロスの攻撃を避けそこなうこともある。
しかし、そのときは聖女の結界が攻撃を防いでくれる。
傷を負えば、聖女がすぐに回復する。
Sランクパーティーは安心して戦い続けることができた。
聖女は自分から攻撃することはなく、バフと結界と回復に専念していた。
Sランク冒険者たちはケルベロスと激しく戦い続ける。
簡単に倒せる相手ではない。
それでも、時間をかければやれる。
Sランクパーティーはそう確信していた。
少しずつケルベロスを追い詰めていく。
そして、ついにケルベロスが倒れた。
「うおおおおお!」
Sランクパーティーは雄叫びをあげる。
初めて挑んだケルベロスを、ついに倒したのだ。
勇者と聖女は、ケルベロスに勝って当たり前だと思っている。
Sランクパーティーが勝利を喜ぶ中、勇者と聖女はダンジョンを後にする。
Sランクパーティーは手に入れたSランク装備を見て、ほくほくだった。
ケルベロスを倒しただけではない。
Sランク装備まで手に入ったのだ。
後日、Sランクパーティーはギルドにケルベロスの討伐を報告する。
そして、SSランクへの昇格を期待していた。
しかし、結果は認められなかった。
今回のケルベロス討伐には聖女が戦闘に参加していたためだ。
Sランクパーティーだけでケルベロスを討伐したわけではない。
そのため、ケルベロスを討伐した実績はあっても、SSランクへの昇格にはつながらなかった。




