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ダンジョンでニート生活始めます ~冒険者を集め、町を発展させ、経済を動かし、世界に影響を与えるダンジョン経営~  作者: まゆな


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勇者候補と37階層

勇者候補たちは、ダンジョンへ次々と挑戦していった。


誰もが自信に満ちていた。


「次の勇者は自分だ」


そう思っている者ばかりだ。


勇者候補として選ばれるほどの実力を持っているのだから、当然といえば当然だった。


30階層程度なら、ソロでも問題なく突破できる。


実際、勇者候補で30階層を突破できなかった者は一人もいなかった。


全員が30階層を突破し、その先へ進んでいく。


「50階層くらいなら、軽く突破できるだろう」


「勇者になるなら、そのくらいは当然だ」


そんな空気さえあった。


30階層を突破したことで、周囲の期待もさらに大きくなっていた。


勇者候補なら、もっと先まで行ける。


そう思われていた。


ところが、37階層に入ったところで、その雰囲気が変わり始める。


待ち構えていたのはリッチだった。


勇者候補たちは、最初から勝てないとは思っていなかった。


「アンデッドか」


「なら、聖属性の魔法を使えばいい」


「俺の武器でも戦えるだろう」


そう考えて戦いを始めた。


だが、しばらくすると様子がおかしいことに気づく。


「……倒せない」


リッチの攻撃を防ぐことはできる。


危険になれば撤退することもできる。


リッチに一方的にやられているわけではない。


問題は、自分たちもリッチに有効なダメージを与えられないことだった。


剣を叩き込んでも、決定的な傷にならない。


魔法を当てても、倒すには程遠い。


何度攻撃しても、リッチはまだ戦える。


「どうなってるんだ?」


「攻撃は当たっているのに……」


勇者候補たちは困惑した。


ここで、ある武器の存在を思い出す。


勇者の聖剣だ。


勇者の聖剣は、相手を選ばない。


魔物だろうがアンデッドだろうが、強力な相手に対しても攻撃を通すことができる。


さらに勇者には、魔法を斬るという普通では考えられない能力まである。


そんな武器を持っている者は、勇者候補の中にはほとんどいない。


「聖剣があれば……」


「いや、勇者になる前から聖剣を持っている奴なんているのか?」


いない。


だからこそ、勇者候補たちは別の方法を探すしかなかった。


「アンデッドに有効な武器を探そう」


「魔法を強化できる装備は?」


「聖属性の武器はないのか?」


37階層を突破するため、勇者候補たちは装備集めに追われることになった。


これまでなら、ダンジョンへ行って戦えばいいだけだった。


だが今は違う。


ダンジョンへ行く前に、まず装備を整えなければならない。


武器を探し、防具を探し、使えそうな魔道具を調べる。


それでも37階層を突破できる保証はない。


そして気がつけば、勇者候補たちの半数が37階層で足止めをくらんでいた。


30階層までは全員が問題なく突破した。


50階層くらいなら軽く突破できる。


そう思われていた。


その勇者候補たちが、37階層で先へ進めなくなっていた。


37階層は、勇者候補たちにとって初めての大きな壁になっていた。

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