パチンコ屋のオープン
アレンはパチンコが好きだ。
スロットも好きだ。
この世界でもパチンコやスロットは流行るのだろうか。
アレンは試してみることにした。
そして完成した。
異世界初のパチンコ屋のオープンだ。
アレンは、このパチンコ屋を目当てに観光客が来ないかと期待していた。
パチンコをするために遠くから人がやってくる。
そんなことになれば、ダンジョンに新しい客を呼び込むことができる。
アレンはそんな未来を期待していた。
しかし、実際にオープンしてみると、客のほとんどは冒険者だった。
「まあ、そうなるか」
冒険者たちは賭け事が大好きだった。
ダンジョンで魔石を集め、稼いだ金を持ってパチンコ屋へやってくる。
そして今日こそ勝つと台に座る。
「来い!」
「頼む!」
「よしっ!」
店内では、そんな声が一日中響いていた。
最初は珍しさから遊んでいた冒険者たちも、次第に常連客になっていった。
昨日も来た冒険者が今日も来る。
朝から遊んでいる冒険者までいる。
パチンコ屋は大盛況だった。
ただ、アレンが期待していた外部からの観光客の呼び込みには、あまり繋がらなかった。
「冒険者には大人気なんだけどな」
アレンは少しだけ残念に思った。
それでも、パチンコ屋が人気になった理由は他にもあった。
出玉による景品交換だ。
パチンコで増やした玉を使って、景品と交換できる。
しかも、景品にはガチャとは違う魅力があった。
ガチャは魔石を使って回す。
何が出るのかは運次第だ。
欲しい景品があっても、それが出るとは限らない。
だが、パチンコなら違う。
出玉さえ貯めれば、自分の欲しい景品と交換できるのだ。
「これと交換してくれ!」
「はい、こちらですね」
そんなやり取りが景品交換所で繰り返されている。
そしてアレンは、景品の中に一つ、とんでもない物を用意していた。
店内の目立つ場所に展示された、伝説級の武器だ。
誰が見ても普通の景品ではない。
その武器の前には、大きく交換価格が表示されている。
一億。
「一億だぞ……」
冒険者たちは、その数字を見て固まる。
「誰が交換するんだよ」
「一億の出玉って……」
「一生かかっても無理じゃないか?」
そんな声が聞こえてくる。
もちろん、アレンも簡単に交換されるとは思っていない。
むしろ、誰も交換できないだろうと思っている。
それでも、そこに伝説級の武器が飾られているだけで冒険者たちは気になってしまう。
「いつか、あれを交換してやる」
そう言ってパチンコを打ち始める冒険者までいた。
アレンはその様子を見ながら笑う。
「一億なんて、誰も交換できないだろ」
そう思っていた。
だが、冒険者たちは知らない。
その一億という数字が、店にとって最高の宣伝になっていることを。
パチンコで勝った冒険者が景品を交換する。
その横を通る別の冒険者が伝説級の武器を見る。
そして思う。
いつか自分も、あれを手に入れてやる、と。
こうして異世界初のパチンコ屋は、冒険者たちの新しい娯楽として定着していった。




