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ダンジョンでニート生活始めます ~冒険者を集め、町を発展させ、経済を動かし、世界に影響を与えるダンジョン経営~  作者: まゆな


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ダンジョンランドの収支

アレンはダンジョンランドを見回していた。


以前と比べると、明らかに人が増えている。


イベントホールでは催しが開かれ、エステやネイルサロンには令嬢たちが足を運んでいる。


休日ともなれば、普段よりさらに人が多い。


施設の周辺では人の姿が途切れることがなく、あちこちから楽しそうな声が聞こえてくる。


アレンはその光景を眺めながら、満足していた。


ダンジョンランドは順調に発展している。


最初はただ施設を作っていただけだったのに、気がつけば人が集まる場所になっていた。


「繁盛してるな」


アレンは改めてそう思った。


しかし、そのときだった。


「……あれ?」


ふと、妙なことに気づいた。


そもそも、ダンジョンランドは入場料を取っていない。


ダンジョンランドに来るだけなら無料だ。


施設を利用すれば料金が発生するものもあるが、その料金がそのままダンジョンのポイントになるわけではない。


ダンジョンにとって重要なのは、人がどれだけ長く滞在するか。


つまり、滞在によって得られるポイントと、ダンジョンランドに作った施設を維持するために必要なポイントのバランスだった。


「滞在ポイントと設備の維持費って、ちゃんと釣り合ってるのか?」


アレンは腕を組んだ。


施設を作るときには、それなりのポイントを消費している。


イベントホールも、エステも、ネイルサロンも、作るためにはポイントが必要だった。


これだけ施設を増やしたのだから、維持費もかなりのものになっているのではないか。


そう思っていた。


だが、実際には少し違った。


設備の中には、作るときには大量のポイントを使うものでも、完成してしまえば維持に必要なポイントが少ないものが多い。


中には、ほとんど維持費がかからない設備まである。


一方で、ダンジョンランドに人が滞在することで、少しずつポイントは入ってくる。


人が増えれば滞在時間も増える。


イベントに参加する人もいる。


エステやネイルサロンを利用するために訪れる令嬢もいる。


その人たちが一度来て終わりとは限らない。


何度も訪れる人が増えれば、それだけ滞在する人間も増えていく。


「……意外といけてるのか?」


アレンは考え込んだ。


正確な収支を確認することはできる。


だが、施設一つ一つについて、維持費がいくらで、どれだけポイントが入って、さらにその施設を目的に来た人がどれだけ長く滞在して……などと計算し始めるとかなり面倒だった。


しかも、単純な黒字と赤字だけでは判断できない。


エステの維持費が少し高かったとしても、それを目当てに令嬢がダンジョンランドへ来る。


イベントホールの維持にポイントが必要だったとしても、大勢の人が集まれば、それだけ滞在ポイントが増える。


「トータルでプラスならいいか」


アレンはそう判断した。


すべての施設を黒字にする必要はない。


赤字になる施設があったとしても、それが集客につながるなら十分に価値がある。


むしろ、人気のある施設をなくして人が来なくなるほうが困る。


アレンは再びダンジョンランドを眺めた。


イベントホールには人が集まり、エステやネイルサロンにも利用者がいる。


少しずつ施設が増え、それに合わせるように訪れる人も増えている。


「まあ、繁盛してるなら問題ないな」


細かい収支よりも、今は人が集まっていることのほうが重要だった。


ダンジョンランド全体でポイントが増えているなら、それでいい。


アレンは満足そうに頷き、賑わうダンジョンランドを眺め続けた。

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