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ダンジョンでニート生活始めます ~冒険者を集め、町を発展させ、経済を動かし、世界に影響を与えるダンジョン経営~  作者: まゆな


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勇者パーティー決戦前夜

60階層のケルベロスを倒した翌日。


勇者パーティーは、さらに先へ進もうとしていた。


このままの速度なら、明日にも70階層へ到達する可能性がある。


70階層にいるのは、エンシェントドラゴン。


その事実を知っている王妃様は、ダンジョンマスターへの面会を求めることにした。


王妃様は宝くじ箱へ書状を入れる。


『面会をお願いしたい』


返事はすぐに届いた。


――ボス部屋に来い。


王妃様は近衛兵を連れてボス部屋へ向かった。


扉を開ける。


そこには巨大なエンシェントドラゴンがいた。


「エンシェントドラゴン様」


王妃様は頭を下げる。


「一つ、お尋ねしたいことがありますわ」


「言ってみよ」


「もし、勇者パーティーによってダンジョンマスターであるエンシェントドラゴン様が倒された場合、ダンジョンはどうなりますの?」


王妃様が気にしていたのは、そこだった。


エンシェントドラゴンが倒されれば、ダンジョンまで崩壊してしまうのではないか。


そして帝国の守り神でもあるエンシェントドラゴンを失うことになるのではないか。


「我が倒された場合か」


エンシェントドラゴンは、落ち着いた声で答えた。


「我は何度でも復活する」


「何度でも……?」


「うむ。気にするな」


あまりにもあっさりした答えだった。


「では、エンシェントドラゴン様が倒されても、ダンジョンが崩壊することはないのですわね?」


「ない」


「帝国の守り神を失うことも?」


「ない。我は復活する」


王妃様は胸を撫で下ろした。


「それなら安心いたしましたわ」


最悪の事態にはならない。


それが分かっただけでも、面会した意味はあった。


そして勇者パーティーは61階層へ進んだ。


「……ここからか」


Sランク冒険者が周囲を見回す。


この階層には、Sランクモンスターが普通に徘徊していた。


Sランクダンジョンなら、Sランクモンスターが一体いるだけでも十分な脅威になる。


しかし、ここではそれが珍しくない。


一体倒して先へ進めば、また別のSランクモンスターが現れる。


勇者パーティーは、それでも足を止めなかった。


Sランク冒険者たちは戦闘要員ではなく、勇者パーティーの荷物持ちとして同行している。


だが、次第についていくのが難しくなってきた。


「待ってくれ!」


勇者が振り返る。


「どうした?」


「俺たちはここまでだ」


Sランク冒険者は持っていた荷物を下ろす。


「これ以上ついていったら、荷物持ちとして役に立つどころか、自分たちが足手まといになる」


勇者は少し考えてから頷いた。


「分かった。ここまでありがとう」


荷物を受け取る。


Sランク冒険者たちは、その場に残った。


勇者パーティーは再び先へ進んでいく。


その様子を、アレンはマスタールームから見ていた。


「次はSSランクの番だけど……無駄だな」


70階層にはSSランクのヒュドラを置く予定だった。


だが、その先にいるのはエンシェントドラゴンだ。


そして勇者パーティーには聖女がいる。


「ヒュドラを倒して、そのまま来るかもしれないな」


アレンは勇者パーティーの進行を見ながら呟く。


61階層。


勇者たちは止まらない。


62階層。


それでも進む。


このままいけば、70階層へ到達する。


そこには、エンシェントドラゴンが待っている。


決戦の時は、近い。

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