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ダンジョンでニート生活始めます ~冒険者を集め、町を発展させ、経済を動かし、世界に影響を与えるダンジョン経営~  作者: まゆな


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勇者パーティー

勇者パーティーは、世界各地のダンジョンを巡っていた。


魔王が存在しない現在、勇者たちには本来の役目がない。


魔王が現れれば、その討伐こそ勇者の使命になる。


しかし、今は魔王がいない。


だからといって、人間同士の争いに勇者が介入することも禁止されている。


勇者は特定の国や貴族のために戦う存在ではない。


「暇だな」


勇者が呟く。


「暇ですね」


仲間も頷いた。


もちろん、訓練は続けている。


いつ魔王が現れても戦えるように、鍛錬を怠るわけにはいかない。


だが、実戦となると話は別だ。


勇者として本気を出して戦う機会が、今の世界にはほとんどない。


「次はどこへ行く?」


「まだ行ったことのないダンジョンに行こう」


こうして勇者パーティーが次の目的地に選んだのが、アレンのダンジョンだった。


世界各地から冒険者が集まる、巨大なダンジョン。


そして――世界でもただ一つしか存在しないSSSランクダンジョン。


勇者パーティーは、そのダンジョンへ向かった。


そして入口をくぐった瞬間。


「……あれ?」


勇者が立ち止まった。


「ここ、本当にダンジョンか?」


目の前に広がっていたのは、想像していた光景とはまったく違った。


人がいる。


店がある。


宿もある。


冒険者が歩き、商人が荷物を運び、住民が普通に生活している。


「目的地を間違えたんじゃないか?」


「地図ではここで合っています」


「でも、完全に町だぞ……」


勇者パーティーは困惑しながら、近くにあった冒険者ギルドへ向かった。


受付で事情を説明する。


「このダンジョンについて聞きたいんだが」


「はい。どのようなことでしょう?」


「ここは本当にダンジョンなのか?」


受付嬢は少しだけ不思議そうな顔をした。


「もちろんです」


「……」


「ここは世界でも最高位に分類される、SSSランクダンジョンですよ」


「SSSランク……」


勇者たちは顔を見合わせた。


外から見た限りでは、そんな危険な場所には見えない。


「では、この町みたいな場所は?」


「ダンジョン内です」


「……」


どうやら間違いないらしい。


勇者は腕を組んだ。


「俺たちは魔王がいないから、勇者として本気を出す機会がないと思っていた」


仲間たちも頷く。


「でも、SSSランクダンジョンなら話は別だ」


勇者の目が変わる。


「ここなら、俺たちの力を試せるかもしれない」


魔王がいない。


人間同士の争いにも参加できない。


だからこそ、強敵との戦いを求めてダンジョンを巡っている。


その目的には、これ以上ない場所だった。


「それなら、さっそく攻略を――」


「お待ちください」


受付嬢が言った。


「このダンジョンには、現在Sランクパーティーが一組滞在しています」


「Sランクパーティーが?」


「はい」


勇者たちの表情が変わる。


Sランク。


それだけでも、この世界では一流中の一流だ。


「そのパーティーに案内してもらうこともできますよ」


「案内?」


「はい。勇者パーティーの皆様ですから」


受付嬢は当然のように答えた。


「Sランクパーティーに案内を頼むことができます」


勇者たちは顔を見合わせた。


普通なら、Sランク冒険者に道案内を頼むなど考えられない。


Sランクは、それほど別格の存在だ。


だが――勇者パーティーはさらに別格だった。


勇者は国王ですら軽々しく命令できない存在。


魔王が現れた時、世界の命運を背負って戦うための存在だ。


そんな勇者パーティーがダンジョン攻略に来た。


Sランクパーティーが道案内をする。


それが、この世界における勇者という存在の立ち位置だった。


「……Sランクが道案内か」


勇者が少し苦笑する。


「勇者になると、とんでもない扱いだな」


「それだけ期待されているということですよ」


受付嬢が答える。


勇者は頷いた。


「分かった。頼もう」


こうして――


世界でも最高峰の実力を持つ勇者パーティーは、Sランクパーティーを案内役につけ、アレンのダンジョンの攻略へ向かうことになった。

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