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ダンジョンでニート生活始めます ~冒険者を集め、町を発展させ、経済を動かし、世界に影響を与えるダンジョン経営~  作者: まゆな


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ダンジョンでの法律

ダンジョンランドは、誰でも自由に入れる施設ではない。


 招待券を持った者だけが入場できる。


 しかし、ダンジョンランドそのものはダンジョンの町からも見える場所にある。


 巨大な観覧車は特に目立った。


 高くそびえ立つ観覧車は、町のあちこちから見ることができる。


「今日も回ってるな」


「あれ、近くで見てみたいな」


「一体、中には何があるんだろう?」


 ダンジョンの町で暮らす人々は、以前から気になっていた。


 だが、ダンジョンランドに入るには招待券が必要だ。


 町の住民が興味を持っていても、簡単には入れない。


 アレンとしても、それで問題はなかった。


 そもそもダンジョンランドを作った目的は、外部から人を呼び込むことだった。


 ダンジョンの町に住んでいる人間が何人来ても、ポイントにはならない。


「町の人間じゃなくて、外から来てもらわないとな」


 アレンはそう考えていた。


 そんなある日。


 ダンジョンの入口から、少し騒がしい一団が入ってきた。


「俺は男爵だぞ!」


「ダンジョンランドに入れろ!」


「こんなところまで来て、入れないとはどういうことだ!」


 どうやら貴族らしい。


 護衛まで引き連れている。


 しかし――。


 招待券は持っていなかった。


 当然、ダンジョンランドの入口は開かない。


「招待券が必要です」


 案内を見ても、男爵は納得しない。


「俺は男爵だぞ!」


「そんなものは知らん!」


「王国の貴族を誰だと思っている!」


 さらに騒ぎ始める。


 アレンはマスタールームからその様子を見ていた。


「……なんで招待券を持ってないのに入れると思ったんだ?」


 貴族だから入れる。


 そんな考えなのだろう。


 だが、ここは王国の施設ではない。


 ダンジョンだ。


「仕方ないな」


 アレンは罠を発動した。


 男爵たちの足元が開く。


「なっ!」


「うわっ!」


 男爵と護衛たちは、そのまま牢屋へ落とされた。


 全員まとめて一網打尽だった。


「出せ!」


「俺は男爵だぞ!」


「こんなことをして許されると思っているのか!」


 牢屋の中から怒鳴り声が響く。


 しかし、いくら騒いでも何も変わらない。


 アレンは淡々と決めた。


「一か月」


 反省する時間として、一か月閉じ込めることにした。


 牢屋には必要最低限の生活環境が用意されている。


 食事も出る。


 水もある。


 命の危険もない。


 ただし、外には出られない。


 最初の数日は、男爵たちは何度も怒鳴った。


「王都に戻ったら訴えてやる!」


「国王陛下に報告するぞ!」


「こんなことをしてただで済むと思うな!」


 しかし、誰も助けに来ない。


 そもそもダンジョンの中では、王国の兵士が勝手に法を執行できるわけではない。


 ここはダンジョンマスターが管理する場所だ。


 王国の法がそのまま適用される場所ではない。


 何日か経つと、男爵たちの態度が変わっていった。


「……ここは、ダンジョンだったな」


 最初は町があり、人が住み、店もある。


 観覧車まで見える。


 そのせいで、どこか普通の街と同じような感覚になっていた。


 だが、違う。


 ここはダンジョンだ。


 ダンジョンマスターが許可したことだけが認められる。


 貴族だから特別扱いされるわけでもない。


 王国の爵位が、そのままダンジョン内での権力になるわけでもない。


 一か月後。


 牢屋から出された男爵と護衛たちは、以前とは別人のように大人しくなっていた。


 男爵はダンジョンランドの入口を遠くから眺める。


「……招待券が必要なんだったな」


 護衛も黙って頷く。


 男爵はそれ以上、何も言わなかった。


 アレンはマスタールームからその様子を確認する。


「よし。これで分かっただろ」


 ダンジョンの町がどれだけ発展しても。


 立派な施設がどれだけ増えても。


 貴族や商人がどれだけ集まっても。


 ここは王国の街ではない。


 ダンジョンマスターが支配する、ダンジョンなのだ。


「まあ、招待券を持ってきたなら普通に入れてやるけどな」


 アレンはそう言って、再びダンジョンランドの様子を眺めた。


 観覧車は今日も、ゆっくりと回っていた。

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