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決闘

「決闘だー!決闘だー!」


平凡な昼下がり、王都の広場で火花は上がった。


「殿下とド・ギーシュ公爵の子息が決闘をするぞー!」


「ド・ギーシュ公爵が食べられない市民の味方って本当?」


「国の存亡をかけて殿下に白手袋を投げたらしいよ!」


野次馬はどんどん集まる。

対峙しているアレンの背後には名だたる貴族と私兵、ハンスの後ろには武装した市民が控えていた。


「この日を待ちわびていました。殿下。」


ハンスは剣を抜くと、剣先をアレンの喉元に突きつけた。


「今度こそ、あなたと決着をつけることができる。」


「はっ、弱虫ハンスが。私に敵うと思っているのか?」


アレンも剣を抜くと、ヒュッとひと振りしてハンスに向ける。


「賭けるものは王都流通商会の独占権。」


「勝てば――考えてやる。」


市民はワッと湧いた。

歓声を皮切りに、アレンとハンスは剣を交える。


「あの女の差し金だろう。忠実なことだ。」


「あなたもだ、殿下。いつまでもサブリナ様に頼ってばかりで国ひとつ守れない。」


アレンの剣が、ハンスの顔へと突きつけられる。

ハンスはかろうじて避ける。毛先が、はらりと散った。


「……遅いな、ハンス。」


ハンスは歯を食いしばり、踏み込んだ。


「何故サブリナ様を愛さなかった?何故あの方を傷つけ続けた?」


「私を愛さなかったからだ。お前がそのおこぼれに預かれたなら、感謝して欲しいぐらいだ。」


2人の剣が交わり、鼻が付くほど顔が近づく。


「私は貴方が憎かった。愛してもいないのにあの方を独占するあなたが。」


「奇遇だな、ハンス。私もだ。弱いくせにサブリナの後をついてヘラヘラと。貴様にはプライドはないのか?」


「今はある。ポリニャック家を背負うものとして、あの方の隣に立つ者として!」


ハンスはアレンの剣を払い除けると猛攻を開始した。


「言っておくが私は手加減しない。あの方の無念、私が晴らす!」


「言っていろ。私は王太子。この国を継ぐもの。お前とは背負っているものの重みが違うんだ!」


アレンはハンスの剣戟を止めて攻撃を繰り出す。


その頃、王宮では別の戦いが始まろうとしていた。


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