表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/18

第二章四話 冬景色

「月桂ちゃん、ちょっとお話があるのだけど」

「冬香ちゃん、うんいいよ何」

「此処だとちょっと、都合が悪いのよね」

「分かったわ、じゃあ何処に行く」

「そうね、無難に屋上なんてどうかしら」

「屋上、ね。いいけど、どうやって行くの。普段屋上は施錠されているわよね」

「じゃーん、これなんだ」

 私はこれ見よがしに鍵をちらつかせる。

「屋上の鍵」

「正解。じゃあ行こうか」

 月桂を連れて屋上に上がる。そこには一面ソーラーパネルが並んでおり、アニメなどからイメージする華やかな屋上の景色はなかった。

「何だか興冷めよね、こうも人工物だらけだとさ。雰囲気も何もないじゃないね」

「そうね、もう少し花壇を作るとかしてほしいわね。まぁ普段だれも立ち寄らないし、これが合理的ではあるわね」

そんなつまらない同調は求めていないのだけど。

「ほんと貴女って賢いわよね、賢い。だけどバカ」

「ねぇ、私貴女に何かしたかな。心当たりがまるでないのだけど」

「う~~ん強いて言うなら私に話し掛けた」

「そう、つまり私達は生理的に合わないってことか」

そういうところが嫌いなんだ。

「そういうこと、でもないのよ。ちょっと貴女が自重してくれればいいだけなの」

「自重、ね。分かった、今後気をつけるわ。今まで不快な思いをさせてしまってごめんなさい」

そういうところだバカ。

「貴女のね、そういう潔いところ好きよ。好きだけど、嫌い」

 私の右ストレートは見事に彼女の腹へとめり込んだ。そのまま拳を右、左へとねじる。月桂はあまりに痛いのか、言葉になっていない言葉を吐き捨てている。

「ははは、そんなカハカハ言っても痛みは変わらないわよ」

拳を離すと月桂は座り込んでしまった。

「私もね、ここまでする気は無かったのよ。でもね、ある人が貴女のために私に意見してきたの。だからね、その人を分からせるためにもこうするしかなかったの。だから恨むならその人を恨んでね」

そう喋り終え、座り込んだ彼女の顳顬に蹴りを一発入れて私は屋上を跡にした。

次回、秋の変化

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ