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転生先で生活能力ゼロ騎士団に保護された結果、僕がおかんになりました〜誤解されがちな騎士団を立て直します〜  作者: k-ing☆5シリーズ書籍発売中
第三章

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79.兄ちゃん、総騎士団長に会う

 城が見えるとバリーさんは駆け足で入っていく。


「どうせ俺はお前の家族じゃねーよ!」


 さっきまでムスッとしていたのは、僕が黒翼騎士団だけ家族って言ったのが気に食わなかったのだろう。

 もう騎士のこと全員、僕の弟って言わないとめんどくさそうだね。


「やっぱりあいつおかしいぞ?」

「それをエルドラン団長がいいます?」

「……そうか?」


 僕から見ても、黒翼騎士団の騎士は変わり者が多い。

 最近はやっとまともに生活できるようになったけど、以前はゴミ屋敷だったからね。


「ソウタは迷子にならないようにね」


 そう言って、エリオットさんは僕の手を繋ぐ。


「貴族たちには気をつけろよ」


 エルドラン団長も心配そうな顔をしていた。


「じゃあ、エルドラン団長も手を繋がないとね」


 僕よりもエルドラン団長の方が放置していると危ない気がする。

 ふらっと食堂みたいなところに行きそうだしね。

 二人に手を引かれながら、目的地まで歩んでいく。


「やっぱりお城は豪華ですね」

「ここには貴族以外に王族も働いてるので、見栄えは良くしないといけないですからね」


 まさか王族もお城で働いているとは思わなかった。

 ここに来る時はさらに気を引き締めないといけないのだろう。

 僕はジーッとエルドラン団長を見る。


「なっ……なんだ?」

「エルドラン団長は僕から離れないでくださいね」

「おっ、おう!」


 周囲にある鑑賞品に触ろうとしていたからね。

 運悪く落としたりでもしたら、僕たちが借金まみれになって奴隷になるかもしれない。


「二人とも着きますよ」


 エリオットさんの声に僕たちは身を引き締める。

 今まで会ったことない騎士団の人は、総騎士団長を務める白翼騎士団の騎士団長だ。


「黒翼騎士団、到着しました」


 エリオットさんが扉を開けると、中には丸いテーブルと椅子が置いてあった。

 まるで物語に出てくる円卓の騎士のようだ。

 ゲームの世界だから、そこからアイデアをもらっているのかもしれない。


「黒翼騎士団、遅かったな」


 中央に座っている芸能人のようなオーラを放つ人がいた。

 白い団服を着ているから、彼がきっと総騎士団長になるのだろう。


「申し訳ありません。リヒャルト殿下」


 エリオットさんの言葉を聞いて、すぐにぼくは頭を下げる。

 それに殿下ってことは、相手は王族で間違いないはず。

 事前に城の中で王族も働いていることを聞いておいて良かった。

 勝手に話して不敬罪になるのも怖いため、僕はそのまま待つことにした。


「名を名乗れ」


 すると、すぐに反応があった。


「はい、私は黒翼騎士団に所属する後務騎士のソウタと申します」


 変なことを言わないように、そして間違った行動もしない。

 言われたこと以外はしないように頭を下げたまま答える。


「ほぉ、孤児院出身と聞いていたが、礼儀作法も知っているんだな」


 僕にたくさんの視線が向けられている気がする。

 嫌な感じはしないから、きっと僕の知っている騎士たちからだとは思うけど……。


「ソウタか。顔を上げろ」

「はい!」


 僕がすぐに顔を上げると、総騎士団長はニヤリと笑っていた。

 その隣には青翼騎士団のコンラッド団長がいる。


「ほら、黒翼騎士団にはもったいないだろ?」

「それでもお前のところに入れると、他の貴族たちがめんどくさいからな」


 二人の会話からして仲が良いのだろう。

 同じ騎士だし、似たような年齢も関係しているのだろう。


「コンラッド団長、これはどういうことですか?」


 エリオットさんもこの状況が気になったのか、コンラッド団長に聞いていた。


「いや、単純にリヒャルトがソウタのことが気になっていたからな」

「こいつが青翼騎士団にその子を引き込みたいって聞いたからさ」

「……へっ!?」


 つい驚いて声が出てしまった。

 前から冗談混じりで青翼騎士団に来ないかと誘われていたけど、さすがに総騎士団長の前で言うとは思ってもいなかった。


「ソウタはやらんぞ」

「私も同意見です」


 隣から強めの圧を感じる。

 これは僕もしっかりと断った方が良さそうだ。

 さっきのバリーさんの件もあるしね。


「お誘いは大変嬉しいですが、私の家族は黒翼騎士団なので……」


 僕の言葉を聞いて、隣からの圧が一瞬でなくなる。

 チラッと見上げると、二人ともニヤニヤしていた。

 優柔不断だと、どちらも傷つける可能性があるからね。


「だそうだ。コンラッド、振られたな」

「ははは……私の誘いを断り続けるのは妻以外に初めてだ」

「お前、嫁さんに散々振られていたもんな」


 どうやら二人は相当前からの知り合いなんだろう。

 それにコンラッド団長って思ったよりも、粘着気質の団長なのかもしれない。


「ソウタくんで合ってたかな?」

「はい!」


 僕が返事をすると、リヒャルト殿下はニコリと笑った。


「おじさんの戯言に付き合わせて悪かったね。だから、エルドランも睨むなよ」


 エルドラン団長はリヒャルト殿下を睨んでいたようだ。


「うちの弟……あっ、騎士がすみません」


 僕はエルドラン団長の脇腹を叩く。

 全く効いている気もしないけど、ちゃんと怒ってたように見せることが大事だからね。

 エルドラン団長と視線が合うと、ニコリと笑っていた。

 リヒャルト殿下を睨んだことは気にしていないようだ。


「ほら、面白いだろう?」


 コンラッド団長は面白がってリヒャルト殿下に振る。


「あのエルドランが静かに言うことを聞いているぞ……」


 リヒャルト殿下は驚いた顔をしていた。


「騎士団長になってからはマシになったけど、出会った当初は手がつけられなかったのが懐かしい」


 あの様子だとエルドラン団長って、僕と会う前は騎士たちから問題児扱いされていたのかもしれない。

 自然と悪役になってもおかしくない環境だったってことか。


「みなさん、今はそんなことを話している場合ではないです」


 赤翼騎士団長のローズ団長の言葉に気が引き締まる。

 次々と席に座ると、空いている席は二つになった。


「僕は立っていた方がいいですよね?」


 騎士団長が椅子に座り、その後ろには副騎士団長が立っている。

 だから、僕も立っていた方が良さそうだ。

 僕の背丈からしたら、ここにあるテーブルと椅子って大きめだからね。


「ソウタは座っていいですよ」


 エリオットさんに言われた通りに椅子に飛び乗るように座ると、僕は机に隠れてしまった。

 何度も首を伸ばして顔をテーブルの上に出そうとするが身長が足りない。

 それに足が床に着いてないから不安定だ。


「くくく、あいつ面白いな」


 やっぱり小さな僕は椅子に座らない方が良さそうだ。


「君はここにおいで」


 なぜかコンラッド団長が自分の膝を叩いている。

 さすがにいくら何でも別の騎士団長の膝の上には座れない。


「エルドラン団長、失礼します」


 僕はそのままエルドラン団長の膝の上に座ると、エルドラン団長は満足げな顔をしていた。


「コンラッド、また振られたな」


 そんなコンラッド団長を見て、リヒャルト殿下は笑っていた。

 王族でも親しみやすい人もいると知れただけでも、ここにきて良かったのかもしれない。

 白翼騎士団って僕にとってあまり良いイメージはないからね。

 ただ、全員揃ったのに会議室が静かなままで、誰も話す様子はない。

 それにどことなく重たい空気感が流れている。


――トントン!


「宰相と財務卿が到着しました」


 扉が叩かれると、二人の男性が入ってきた。

 どうやら問題なのは騎士団長たちではなく、この二人なんだろう。

 宰相と財務卿って――。


「総理大臣と財務大臣じゃん!」


 一瞬、部屋の空気が止まった。


「そうり……だいじん……? それはうまいのか?」


 耳元でエルドラン団長は僕に聞いてきた。

 どうやらこの世界ではそういう言葉はないようだ。

 まさかそんなお偉いさんも来るとは思いもしなかった。

お読み頂き、ありがとうございます。

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