表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生先で生活能力ゼロ騎士団に保護された結果、僕がおかんになりました〜誤解されがちな騎士団を立て直します〜  作者: k-ing☆5シリーズ書籍発売中
第二章 戦うショタおかん

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

74/92

74.後輩騎士、ソウタ先輩を探す ※キッシュ視点

 俺は宿屋がやっているパン屋の一角でスープのメニューを考えていた。


「んー、やっぱり野菜が多いと好みが分かれるかな」

「ちゃんと旨味ってやつが効いていたら美味しくなるってソウタは言っていたぞ」


 どうやったら美味しくできるのか、レオからアドバイスを受けている。

 レオはソウタ先輩の一番弟子だからな。


「ソウにい、おそいね」

「まいごかな?」


 お店も暇になったのか、ノアとノエルが俺の元まで遊びに来た。

 確かに二人が言うように商店街へ宣伝に向かったのに、普段よりも遅い気がする。

 いつもはソウタ先輩がノアとノエルの面倒を見ていることが多い。


「何かあったのかな?」


 どこかレオもソワソワとしているが、商店街に宣伝していたら多少は遅くなるだろう。


「もう少ししたら……そういえば、こんなにパンが売れているのに、宣伝をする必要はあるのか?」

「へっ……そそそ、それは前からやっているからだ」


 少しレオは焦っているように見えた。

 ここは青翼騎士団が朝食に利用するぐらいの店だ。

 貴族が来ても美味しいと思える店だから、商店街で宣伝しなくても人は集まってくるだろう。

 それにソウタ先輩の身に何かあったら、文句を言われるのは俺になる。

 黒翼騎士団だけならわかるが、今ならコンラッド団長にも怒られる。

 それだけソウタ先輩はみんなから好かれているからね。


「ソウタ先輩は本当に商店街に行っているのか?」

「それは……」

「ソウにいならろじうらにいるよ」

「路地裏?」


 すぐにレオはノエルの口を塞ぐがもう遅い。

 ソウタが路地裏に行く理由があるのだろうか。

 パンを持っているから、浮浪者にでも分け与えているとか?

 だとしたら尚更、何かに巻き込まれているかもしれない。


「ちょっと探してくる!」


 俺はそのままソウタ先輩を探しに路地裏に向かった。

 何もなければいいが、なぜか嫌な予感がする。


「ソウタ先輩ー!」


 俺はすぐに声を出して、ソウタ先輩を探す。だけど、近くに人がいる様子もない。

 ひょっとしたら俺の勘違いかもしれない。

 むしろ勘違いであってほしいと願っている。


「やっぱり事件に巻き込まれるなんてないよな」


 さすがにそう簡単に事件に巻き込まれることはないだろう。

 きっと今頃お店に戻ってきているはずだ。

 レオの店に戻ろうとしたら、路地裏の入り口に何かが落ちているのに気づいた。


「これって……」


 小さめな黒色の服が落ちていた。

 素材も路地裏に落ちているには高級なようだ。

 手に取り前後を確認する。


「これって黒翼騎士団の団服……やっぱり!?」


 俺の嫌な予感は的中していた。

 ソウタ先輩が初めて青翼騎士団の庁舎に来た時と同じだ。

 あの時の俺は戦闘騎士になるか、解雇されるかのどちらかだった。

 ほとんどがバリーさんの勝手な判断だから、どうにかなったけど……。

 俺はすぐにレオの店に戻ることにした。


「レオ、ソウタ先輩がいなくなった!」

「えっ!?」


 店に入るとすぐに黒翼騎士団の団服を見せる。

 やはりソウタ先輩の服なのか、レオの顔も真っ青になってきた。


「レオは団服を持って帰ってくる黒翼騎士団の騎士に見せてくれ! 俺は周囲から情報を集めてくる」

「わかった!」


 レオに協力してもらい、俺はソウタ先輩の目撃情報を探すことにした。

 誰がソウタ先輩を連れ出したのか。

 少しチラつくのが我が騎士団の副団長だが、最近は仲が良さそうだから、そんな真似はしないはずだ。

 それにただ団服を落としただけの可能性もあるからな。

 まずはソウタ先輩が行きそうな商店街から情報収集だ。


「ソウタ先輩ってここにきました?」


 馴染みの店主に声をかける。


「ソウタか? そういえば、お前さんと同じ服を着た騎士に抱えられていたぞ?」


 同じ服なら青翼騎士団の騎士で間違いない。

 それにもう一人子どもを抱えていたと言っていた。


「それは誰だったか覚えていますか?」

「パンを売っている宿屋で昔暴れていたやつだった気がするぞ」


 昔暴れていたってことは、ソウタ先輩を青翼騎士団の庁舎に初めて連れてきた時だろう。

 確かあれに関わっている騎士は三人のはず。


「他には何か情報はないか?」

「あー、なんか孤児院に行くとかなんとか……」


 騎士はソウタ先輩を孤児院に預けるつもりか?

 孤児院って確か奴隷売買の話が――。


「ありがとうございます」


 俺はお礼を伝えると、すぐに青翼騎士団の庁舎に向かう。

 もし黒翼騎士団が奴隷売買に関わるなら、青翼騎士団に頼った方が良いかもしれない。

 先にこっちが動いて解決するしかない。


「コンラッド団長、失礼します!」


 俺は庁舎に着くと、すぐに団長室に向かった。


「キッシュ、どうしたんだ?」

「ソウタ先輩が奴隷として売られるかもしれません」

「んっ……? ちょっとどういうことだ?」


 焦りすぎてちゃんと説明ができていなかったようだ。


「バリーさんがソウタ先輩を孤児院に連れて行きました」


 青翼騎士団の庁舎に戻ってきた時に誰がいるか確認したが、バリーさんだけがいなかった。

 きっとバリーさんが犯人なのは間違いないだろう。


「奴隷と孤児院がどういう関係があるんだ?」

「孤児院が奴隷売買をしてるかもしれないです!」


――バンッ!


 コンラッド団長は机を強く叩き、俺の方に近づいてくる。


「キッシュ、奴隷売買は国の法律で禁止されている。取り締まりも厳しくなったのに、なぜそんなことが言えるんだ?」


 バリーさんに怒っているコンラッド団長を見ることはあったが、直接その感情を向けられることはなかった。

 思っていたよりも迫力があり、まるで災害級の魔物に睨まれているような気分だ。


「前にソウタ先輩が町の路地裏で孤児と話しているのを聞いたんです。孤児院が子どもの奴隷売買を行なっている。それに黒翼騎士団が関わっているかもしれないって――」

「なんだと!?」


 ああ、ひょっとして俺はここで死ぬんじゃないのか。

 コンラッド団長が怖すぎてちびってしまいそうだ。


「だからエリオットが孤児院について探っていたのか」


 コンラッド団長は証拠を探しているエリオットさんとどこかで会ったのだろう。


「俺が奴隷売買についてエリオットさんに相談したんです。黒翼騎士団が関わっているかもしれないって話を聞いて、元青翼騎士団でコンラッド団長の甥っ子なら問題ないと思い――」

「バリーも私の甥っ子だけどな……はぁー」


 コンラッド団長は大きなため息をついていた。

 同じ甥っ子なのに、ここまで出来が違うとはね。

 コンラッド団長も大変そうだ。


「すぐに孤児院に向かうぞ」

「わかりました」


 俺が証人としてコンラッド団長とともに孤児院に向かうことにした。

お読み頂き、ありがとうございます。

この作品を『おもしろかった!』、『続きが気になる!』と思ってくださった方はブックマーク登録や↓の『☆☆☆☆☆』を『★★★★★』に評価して下さると執筆の励みになります。

よろしくお願いします(*´꒳`*)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ