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転生先で生活能力ゼロ騎士団に保護された結果、僕がおかんになりました〜誤解されがちな騎士団を立て直します〜  作者: k-ing☆5シリーズ書籍発売中
第二章 戦うショタおかん

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67.兄ちゃん、出会いは突然

 その後も魔物討伐をして、落ち着いた頃にお弁当を食べることになった。


「本当に魔物は寄ってこないですか?」

「大丈夫だぞ」

「お弁当とか取られちゃいそうですが……」


 お弁当だからそこまで匂いはなくても、多少なりとも魔物が寄ってきそうな気がするけど……。


「そんなやつがいたらすぐに殺してくるっす!」


 思ったよりも騎士たちは心強いようだ。

 僕にご飯を抜きと怒られて、正座で謝っている人とは別人に見える。

 これからは威厳のためにも、あまり怒らない方がいいのだろう。

 まあ、最近は自ら料理も手伝ってくれるし、掃除をしているから、そこまで怒ることはない。

 この間怒ったのは、浴槽に石鹸を入れて、泡風呂って言いながら遊んでたのを怒ったぐらいか。


「ソウタ、怒っているのか?」

「いや、泡風呂のことを思い出していました」

「すっ……すまない……」


 泡風呂を一番初めに提案して楽しんでいたのはエルドラン団長だからね。


「ソウタ、腹減ったっす!」

「ペコペコです」

「まずは場所を変えないですか?」


 お弁当はまだかとジンさんとアルノーさんが急かしてきた。

 騎士たちは麻の袋の上に座って休憩しているが、ここって道の真ん中だけどいいのかな?

 魔物以外にも狙われそうな気がするんだけどな……。

 馬車が来たら、僕たち轢かれるよ?


「「「弁当! 弁当! 弁当!」」」


 それでもお弁当コールは鳴り止まない。

 道の真ん中で食べることは気にならないのだろう。


「うん……これはピクニックだよね。ははは……」


 全員で座っていたら道の真ん中でもまるでピクニックだ。

 きっと自然が近いところで食べると、どこからか魔物が襲ってくるのだろう。

 僕たちは手を合わせると、その場でお弁当を食べることにした。


「くぁー、やっぱり弁当は美味いな!」

「今日は大盛りっすね!」


 たくさん作ったお弁当を勢いよく食べていく騎士たち。

 作っている僕としては嬉しいけど、やっぱり道の真ん中で食べるのは抵抗がある。

 ほら、向こうから何かが近づいて――。


「みなさん、馬車が来てますよ!」

「はぁん?」


 遠くから馬車が近づいてきているのが目に入った。

 明らかにこのままいけば、こっちに向かってくるだろう。


「エルドラン団長、あいつら襲っちまうか?」

「ソウタの弁当タイムを邪魔するやつは処刑だな!」


 何やら騎士の中から物騒な声が聞こえてくるぞ。

 これじゃあ、まるで――。


「盗賊じゃんか!」

「あいつら盗賊か!」


 何かを勘違いしているような気がする。

 僕が言ったのは物騒なことをいう黒翼騎士団の騎士たちに対してだ。


「お前ら行くぞおおおお!」

「「「イエッサアアァ――」」」

「ちょーっと待ったあああああああ!」


 まさか外で久々に大声を出すとは思わなかった。

 いや、外だから気分良く声は出たけど、全く気分は良くない。

 久しぶりに怒らない方が良いと思ってたぐらいなのに、自ら悪役ルートに走っていこうとするから仕方ない。

 それも一番しょうもない盗賊とか。


「みなさん、食事中は立ち上がって遊ぶのは――」

「「「あっ、すみません」」」


 騎士たちはすぐに座ってお弁当の続きを食べ始める。

 やはり聞き分けが良いのは、今までの教育成果だね。

 きっとこんなところでお弁当を食べているなんて、向こうは思わないだろう。


 しばらくすると、馬に乗った人が近づいてきた。


「お前たちこんなところでなにをやってるんだ?」

「げっ……」


 隣いたエルドラン団長は嫌な顔をしていた。

 小さな僕には見上げても、太陽の光が邪魔してうまく顔が見えない。


「お弁当を食べてました」

「お弁当……?」


 馬に乗っていた人は降りると、僕に近づいてきた。

 金色の髪色に青の瞳。

 そして、白色の騎士団服を着ていた。

 きっと白翼騎士団の人なんだろう。


「これがお弁当か……」

「食べて……みます?」


 なぜか食べていない僕のお弁当に興味を示していた。


「なら一ついただこう」


 ロールパンで作ったサンドイッチに手を伸ばすと、男は一口食べた。


「柔らかなパンに挟まるふんわりとした卵とレタスが絶妙なハーモニー……」


 あっ、この人おかしい人だ。

 しかも、初対面でいきなり人のお弁当を疑わず食べるほどおかしい人だ。


「君、最高の料理人だね」

「いえ、ただの少年です」


 こういう人には近寄らない方が良いよね。

 さっきからエルドラン団長が犬のように唸っているし。


「フォルテ副団長ー!」


 遠くの方から声が聞こえてくる。

 この人白翼騎士団の副団長なのか。

 今も僕のお弁当からもう一つのサンドイッチを食べようとしているけど……。


「君もこれを食べてみたらどうだ?」

「フォルテ副団長、そんなことよりもすぐにルシアン様が通りますよ」

「あぁ、あまりにも美味しいお弁当とやらに私の鍵盤がメロディーを奏でいた」


 やっぱりおかしい人で間違いないのだろう。

 あとで呼びにきた部下っぽい人も若干呆れた顔をしているからね。


「黒翼騎士団なら話が早いですね。今から第三王子のルシアン様が通るので道を開けてください」


 やっぱり道の真ん中にいて、邪魔だから声をかけにきたのだろう。


「ほら、みなさんもう少し寄りましょうね」


 僕は騎士たちを道の縁に動かして頭を下げる。


「ご協力感謝いたします!」


 ハキハキとした彼には好感を覚えるな。

 真面目な騎士もいるんだと安心したぐらいだ。

 僕が出会った騎士って喧嘩腰の人か騙そうとしてくる人しかいないからね。


 しばらくすると、豪華な馬車が目の前を過ぎて行く。

 中には僕よりも少し大きい少年が座っていた。

 あれがこの国の第三王子のルシアン様って人だろう。


「少年よ、また私と一緒にメロディーを奏でよう」


 変わった人も一緒に馬に跨って町に帰っていく。

 世の中本当に関わってはいけない人って、すぐにわかるもんなんだね。

 若干、今でも鳥肌が立っている。


「ちっ、黒翼騎士団の分際で」


 次の瞬間、馬が強く地面を蹴り上げた。

 乾いた砂が舞い、僕の弁当に降りかかる。


「あぁ、ゴミか……失礼」


 謝罪の言葉はあった。けれど、馬は止まらない。

 振り返る者も誰一人いなかった。

 それに今僕たちをゴミと言ったような気がする。


「ソウタ、大丈夫か!?」

「ええ、馬が勢いよく地面を蹴ったんですね」

「白翼騎士団め! 今度あったら殴ってやるっす!」


 手に持っていたお弁当は砂まみれになっていた。

 でも、さっき聞こえた声はなんだったんだろう。

お読み頂き、ありがとうございます。

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