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転生先で生活能力ゼロ騎士団に保護された結果、僕がおかんになりました〜誤解されがちな騎士団を立て直します〜  作者: k-ing☆5シリーズ書籍発売中
第二章 戦うショタおかん

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66.兄ちゃん、魔物討伐の見学に行く

「ソウタ、明日の予定なんだが町の外に行かないか?」

「町の外にですか……?」


 夕飯を食べている最中、エルドラン団長が町の外に行かないかと誘ってきた。

 町の外って僕が魔物に襲われた時以来出ていないが、何か行く理由があるのだろうか。


「魔物討伐の見学をしてもらおうと思ってな!」

「ソウタも黒翼騎士団の一員だからね!」


 今まで後務騎士として働いていたが、確かに黒翼騎士団がどんな感じで働いているかは知った方が良いだろう。

 それに見学だけだから、僕が危ない目に遭うことはない。

 それに魔物がどういうものか、実際に見たら勉強にもなる。


「私とゼノは町で予定があるので見回りをしますね」

「えー、せっかくソウタにかっこいいところを見せるチャンスだったのに……」


 エリオットさんとゼノさんは何か別の予定があるらしい。

 一緒に行けず、ゼノさんはどこか寂しそうな顔をしていた。


「青翼騎士団は私に任せてください」


 青翼騎士団はキッシュさんが手伝いに行ってくれるらしい。

 結局、僕が青翼騎士団の庁舎に行くより、キッシュさんの方が往復している気がする。


「明日大丈夫かな……」


 少し不安はあるけれど、黒翼騎士団の仕事を見る良い機会かもしれない。

 そう思いながら、その日は早めに床に就いた。

 そして、翌朝――。


「ほら、ゼノ行くよ!」

「ソウタアアアアアアアアア!」


 ゼノさんはエリオットさんに引っ張られるように出かけて行った。


「じゃあ、俺たちも行こうか!」


 準備ができた僕たちも庁舎を後にする。


「それにしても荷物多くないですか……?」

「いや、せっかくソウタに見てもらうんだからな! 張り切ったぞ!」


 僕も緊張して気づかなかったが、朝から大量のお弁当を作っていた。

 たくさんのお弁当を持って、どこかピクニックに行くような見た目だが、今から行くのは魔物の討伐だ。


「ソウタは離れるなよ」

「俺が守るから大丈夫っすよ!」


 左右にエルドラン団長とジンさん。

 周囲を黒翼騎士団が警戒して僕を囲む。


「これはピクニック……ピクニック……」


 騎士たちがいるから問題はないだろうが、正直緊張する。

 ピクニックに行っていると思うことにしたけど、外は思ったよりもピクニックに適していなかった。


「右から魔物が近づいてきます」

「行ってくる……」


 影が薄いアルノーさんが素早く魔物を倒しに行く。

 さっきからずっと魔物が出てきているため、騎士たちが順番に狩っている。


「ここなら魔物も少ないから安全に見学できそうだな」


 エルドラン団長は麻の袋を切ってシートにしたものを地面に置くと、僕に座るように勧めてきた。

 座って待っていると、人に反応するのか魔物が集まってきた。


「あれが魔物ですか?」


 中型犬サイズのうさぎが目の前に出てきた。


「あれはラビヘッドだな」

「なんか可愛らしいですね」


 あれぐらいならそこまで怖くはないだろう。

 僕が初めて見た魔物はわけのわからない見た目をしていたからね。

 ラビヘッドの見た目は愛らしい姿をしており、むしろ殺すのが可哀想に思うほどだ。


「あれでも人を見ると頭から齧ってくる別名頭喰い――」

「今すぐに倒してきてください」


 僕と目が合うと、口を素早くガタガタ動かして笑っている。

 絶対に僕を頭から食べる気なんだろう。

 エルドラン団長は一瞬で距離を詰めると、剣を横に薙ぎ払う。

 すると、ラビヘッドの首が円を描くように僕の目の前に落ちた。


――ガシガシガシガシ


「うっ……」


 頭を齧られるのも嫌だが、目の前でラビヘッドが歯をガシガシと音を鳴らしていた。

 死んでもなお僕の頭を齧ろうとしているのだろうか。


「次はテツガチョっす!」


 遠くから砂煙を立てて近づいてきている魔物がいた。

 見た目は全身が黒鉄色で、大きな牙が生えたイノシシだ。

 体長は1メートル以上はあるだろうか。


「あれも頭を踏み潰すとかですか?」

「違うっすよ? あれは姿形がなくなるまで踏んできます」

「ジンさん! 素早く処理してきてください」

「イエッサアアァァァ!」


 ジンさんは嬉しそうに前に出ると、突撃してくるテツガチョウの牙を勢いよく掴んで地面に投げつけた。


「ジンさんって力持ちですね……」

「あれぐらい黒翼騎士団の騎士はみんなできるぞ?」


 みんなの顔を見ると頷いていた。

 想像以上に黒翼騎士団の騎士たちは力持ちのようだ。

 みんなマッチョだとは思ったけど、町の人たちに怯えられていたのも納得できる。

 そのまま何度も叩きつけると、テツガチョウは動かなくなっていた。

 その後もクジャクに似た見た目で羽を広げると、鋭利な羽を飛ばしてきたりと思っていたよりも魔物は凶暴なものが多い。


「魔物って想像以上に危険ですね」

「動物よりかは凶暴だがそんなに変わらんぞ」


 エルドラン団長にとっては動物も魔物も一緒のようなものなんだろう。

 確かにここにライオンとかが出てきても同じような感覚にはなるが……。


「あっ、ちなみにあれが猫っすよ!」

「ねっ……こ……?」


 目の前には大きなヒョウが現れた。

 僕たちを見ると、ジーッと睨みつけている。


「ソウタはバリーが猫みたいに可愛いって言ってたから猫好きだよな?」

「いや……あれは……」


 エルドラン団長は猫の元へ向かうと首元を掴んで引っ張ってきた。

 猫も暴れているがエルドラン団長の力が強いのだろう。

 手は明らかに僕の頭と同じぐらいあるし、全く可愛くない。

 いや、顔はネコ科だから可愛いよ?

 だけど見た目は完全にヒョウだからね。


「好きなら庁舎で飼うか?」

「いやいや、懐かないし食べられちゃいますよ」


 そんな凶暴な動物を飼うぐらいなら、バリーさんを飼ったほうが安全だ。

 あの猫はちゃんと言うことを聞くし、最近は褒めたら嬉しそうにしているしね。

 それに今にも猫はエルドラン団長を食べようと襲っている。

 確かに魔物も動物もそこまで変わらない。


「そうか……」


 少し残念そうな顔をしてエルドラン団長は森に猫を戻しに行った。

 バリーさんのことを猫って言ってたけど、全然可愛くなかったな……。

お読み頂き、ありがとうございます。

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