表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
35/42

34【優勝候補】~小笠原浬~

優勝候補、九星学院高校の試合を見る市立船戸高校チームのお話。

浬視点でお送りします。

 斎藤から連絡があったのは、ちょうど昼食を食べ終わる頃だった。浬たちは、おにぎりとドリンクゼリーを自販機で買ったお茶で胃袋に流し込んでから、慌ただしくアリーナへ向かう。九星学院高校は二回戦を迎え、同じ九州の強豪と対戦するようだ。相手は、鹿児島県立風早高校。両校は今、目の前の試合会場で整列し、向かい合って立っている。選手たちの表情からは、ピリピリとした緊張感が伝わってきて、浬は思わず身(ぶる)いをした。


「うぅ……、ドキドキするー……」

「なんで浬がドキドキしてんだよ」


 楓にそう言われて、頬を(ふく)らませる。浬にしてみれば、ドキドキしない方が不思議だった。なにしろ、この試合で勝った方が、市立船戸高校の次の相手になるわけで、しかもその片方は、昨年のこの大会で、三位まで上り詰めた強豪なのだから。ただ、浬は思う。勝負はやってみるまでは本当のところはわからない――と。


「はじめえッ!」

「うりゃあああッ!」

「せぇええやぁあああッ!」


 先鋒の試合が始まる。試合会場の周辺には、両校の応援が響き、歓声と拍手が鳴る。だが、開始数秒。早くも悟ってしまった。この試合は、おそらくさほど時間がかからないうちに終わってしまう、ということ。そして、九星学院高校の先鋒はタダモノではない、ということも。


 なんだ……、この人……。


「面りゃあああッ!」

「小手ぇええ!」


 えんじ色の面タオルに、紺の胴着と(はかま)。漆黒の胴。腕のあたりに赤い印字。九星学院高校の先鋒の垂れネームには「立花(たちばな)」とあった。


「立花……」


 彼は背丈(せたけ)が低く、たぶん、浬と同じくらいの身長しかない。百六十八センチ。体つきも特段、筋肉隆々な体つき――というわけでもなく、パッと見た感じは細身で、身軽な印象だ。それなのに、彼の攻める(するど)さ、スピード、打突、気合いの声は、どれをとっても恐怖を覚えるほどに凄まじく、風早高校の選手とは圧倒的な差があった。――いや、そうは言っても、相手の方が未熟なわけでもなければ、弱いわけでもない。彼らだって、十分、この大会で勝ち進んでいっても不思議はない。それだけの実力はありそうだが、九星学院高校の立花という彼が、ずば抜けているのだろう。


「メンりゃああッ!」

「面あり!」

「おおっ!」


 試合開始時間、わずか十秒ほど。明らかに二十秒はなかった。あっという間に、九星学院高校の立花が一本を取る。互いに攻め合う中、一瞬の(すき)をついて打ち込まれた面。まるで、ピストルの(たま)のような差し面だった。浬はあんぐりと口を開ける。


「すっご……」


 そう呟くと、隣で航が「うん」と短く返事をした。たったそれだけの返事だが、その声は緊張を()びているせいか、わずかに震えたように聞こえて、浬はちら、と航の顔を気にする。そうして、その緊張気味な横顔を見て、確信した。


 航も、気づいてる……。この人がタダモノじゃないって……。


 九星学院高校がこの試合を勝ち進めば、市立船戸高校と当たる。つまり、この立花という選手と最初に戦うのは、先鋒の航なのだ。


「織田先生から聞いた話じゃ、九星学院は今年、全員が二年らしい。去年のメンバーはほとんど一年だったんだって」

「えぇっ、じゃあ……。去年、三位獲ったのは一年生で、今、その全員がここにいるってことっすか?」


 大地が驚いた様子で()くと、羽柴は頷いた。


「そうだね。主将は三年生で、あと――……もう一人くらい三年がいたって話だけど」

「すげえな……。この人も去年のメンバーなんすかね?」

「たぶん。ちなみに、みんながビビるからあんまり言うなって言われてたけど――」

「言われてたけど?」

「九星学院、今年の優勝候補、らしいよ」


 浬は思わず「ひ……」と声を上げた。大地はあまりに驚いたのか、返事を忘れてしまったようだ。九星学院高校は、去年のこの玉竜旗大会で三位まで勝ち上がったが、そのメンバーのほとんどが一年生だったらしい。大将だけは違うものの、この立花という選手も、去年のレギュラーだったという。去年、優勝した高校を差し置いて、優勝候補と期待されるのも納得がいく。


「この人、去年のポジション、どこだったんだろう、な……」


 精一杯に気遣ったような楓の問いかけにも、航はまた「さぁな……」と返すだけだ。その返事はあまりにそっけなかったが、無理もない、と浬は思う。たぶん、航は余裕を失くしているのだ。それほど、立花の剣道は鋭く、速く、とにかく俊敏(しゅんびん)だった。楓も、おそらくはそれに気付いている。


「コテぇええッ!」

「小手あり!」

「おおぉぉーーーーッ!」

「勝負あり!」


 あっという間に、立花は二本勝ちをして、蹲踞(そんきょ)をする。対する風早高校の先鋒は、まるで、辻斬(つじぎ)りにでも遭ったかのような顔をして、試合場から去っていった。試合時間は、およそ一分足らず。浬はごく、と生唾(なまつば)を飲む。


 すごい……、試合場の外にいるのに、圧倒される……。


「……優勝候補か」


 航が呟く。その表情はやはり硬く、声にも緊張が感じられた。浬は咄嗟(とっさ)に笑みを作って返す。このままでは、航は次の試合で実力を出しきれないかもしれない。


「たしかにすごいけど、で、でもっ、相手だってなにも怪物じゃないんだから――」

「ドォォオオーーーーーッ!」

「胴あり!」


 いや、怪物かも……。


 なんとか緊張感を(ぬぐ)おうとした会話が、華麗な胴打ちによって(さえぎ)られる。立花の快進撃は止まらない。彼は今、次鋒を相手に引き胴で一本を獲ったようだった。風早高校の次鋒は、完全に委縮してしまっているらしく、動きが硬く、鈍くなる一方だ。ついでのように、応援席までがしゅんとしている。まだ前半戦で、勝敗がついたわけではないのに、誰もが絶望感に満ちた表情で立っていた。


「なんか、兜山と戦ったときのこと思い出してきた……」


 楓が呟いた。すると、航がため息混じりに答える。


「……たしかに。兜山の応援、すごかったからな」

「ったく……、風早のやつら、しょぼくれてる場合じゃねーだろ。応援が負けてどうすんだ、もっと声出せっつの」


 楓はぶちぶちと文句をこぼし始め、浬は下唇を突き出して、大地と顔を見合わせた。言いたいことはわかるが、彼はまったく、呆れてしまうほどに沸点が低い。気に食わないことには、なんにだって苛立(いらだ)ち、文句を言う。彼は少々、気も強ければ正義感も強すぎるし、性格も真っすぐすぎるのだ。だが、そんな楓に、航は穏やかに()いた。


「楓は、風早を応援してるのか?」

「……別に、そうじゃねえ。オレはただ、戦ってるやつらが必死なのに、先に応援席が(あきら)めんのは好きじゃねーんだよ。なんのための応援だっつー話」

「楓は厳しいなー……」


 大地が苦笑する。厳しい、というよりも、楓のそういうところは、共感できても、ちょっとチンピラっぽい、と浬は思う。


「だって……、そうだろ」 

「まあね。オレなんか、剣道の大会に来るようになってまだ数ヶ月だけど、強い学校って、応援も強いんだなーって思うよ。兜山と対戦したときだって、応援席すんごかったし」

兜山(あいつら)はちょっと大げさなんだよ」


 千葉県立兜山高校は、千葉県の強豪であり、インターハイ出場の常連校だ。市立船戸高校とは、知名度も、過去のトロフィーの数も、応援する父母会のメンバーの数も、勢いも、まったく違う。それを知る審判の旗の重さも、おそらくは違う。ちょっと触られたら、一本になりかねないくらいには違う。それを狙ってか、否か。応援席も、少々大げさになるのだ。しかし、九星学院は、一見そんな兜山と似ているようで、どこか違う雰囲気があった。


「たしかに、兜山は大げさに応援してることも多いけど、九星学院はちょっと違うみたいだね。この人は、技の選択もタイミングも、全部バッチリだし。無駄なとこいっこもない――……」

「浬ィ……」


 楓にジトっとした目で(にら)まれ、ハッとする。思わず本心をそのまま、口にしてしまったが、こんなに九星学院をべた()めしてしまっては、航にプレッシャーを与えるだけだ。


「ご、ごめん……。航も羽柴先輩も、次に当たるのに……」

「いいよ、気にすんな」

「そうそう。ここで気休め言ってもらったって、おれたちが急激に強くなれるわけじゃないしね」

「はぁ……」

「だけど、立花(このひと)、ほんとにすごいなぁ。おれと同じ二年で、去年玉竜旗で、三位まで上がったんだもんな……」 


 羽柴が感心したように言った。九星学院の立花には、無駄な動きや打ちが一切なかった。応援席の拍手と歓声も、余計に派手にしているわけではない。ただ、立花の狙いどころやタイミングが、すべて確実なのだ。だから、応援席はオーバーに歓声を上げているわけではなく、ただ、いい技に湧いているだけだった。


「この人、兜山の武田より、強そう……」

「へえ。浬、なんでそう思うの?」


 羽柴に(たず)ねられ、首を(かし)げる。だが、感覚的にそう思っただけで、うまく言葉にできなかった。


「うーん……、わかんないけど、なんとなく……」


 浬はじっと立花を見つめる。攻めのスピードは常に相手よりも速く、距離の取り方にもメリハリがついている。中途半端な動きはひとつもなく、迷いも全く見られない。相手が出てくるときの反応は素早く、わずかな(すき)があれば打ち込んで、打ち込んだ以上は確実に一本にする。たとえれば、彼の剣道は風林火山の火。その(するど)い攻めが、最大の防御であることを体現しているかのようだ。ごうごうと燃え盛る火のような勢いで、相手を巻き込み、試合の主導権を握る。そんな戦い方だった。


「メンやあああッ!」

「面あり!」

「あ、また……」


 試合展開はこれまでになくスピーディーだ。そう思ったのは、浬だけではなかったらしい。羽柴は(あき)(あき)れたように頭を掻く。


「やれやれだ。この調子じゃ、あと十分くらいで五人抜いちゃうかもしれないな」

「五人抜き……ですか」

「うん」


 羽柴は頷き、少しだけ航の表情を気にしたようだった。航はあいかわらず、じっと立花を見つめている。浬はため息を吐いた。それでなくても、さっき航はわずか数秒で負かされ、自信を失いかけていたというのに、その次の試合でこんな強敵と戦わなければならないなんて、あまりに(こく)だ。


 航の気分がまた下がっちゃったら……、どうしよう……。また秒殺なんかされたら……、航が立ち直れなくなっちゃったら……。


 本心で、本当のことだとしても、さっき余計なことを言ったのを猛省する。味方の緊張とプレッシャーを(あお)ってどうするのだ、と。ところが、そんな浬に気付いたのか。航は不意に、浬の肩を叩いた。


「浬、どうしたんだよ?」

「あ、いや……。なんか、その……、圧倒されちゃってさ……」

「だよなぁ。俺もだよ」

「だよね……」


 航も羽柴も、きっとわかりすぎるほどわかっている。立花も、おそらくは九星学院も、これまでにない強敵だろう。ただ、浬が心配なのは、勝敗よりも、航が実力を出しきれるかどうか、だった。航が全力で、実力を出し切って戦えば、結果は絶対についてくるはずだ。立花も九星学院も、間違いなく強いのだろうが、航だって強い。問題はそうさせてもらえるかどうか、だ。


 もし、航が普段通り、全力を出しきって戦えば、絶対、この人とだって互角に戦える……。あの面をうまく武器として使えれば……!


 航の差し面は、全国レベルにも十分に通用する武器だと、浬は信じている。ただ、それを試合でうまく使うには、心と体のバランスが整っていない状態では難しい。戦う相手がタダモノでない場合は、特にそうだ。


「あの、航……」

「うん?」

「あ、いや……、なんでもない……」


 どうにか航のモチベーションを上げなければ、と浬は声をかけるが、なんと言えばいいのかわからなかった。「がんばれ」も「大丈夫」も、なにか違っている気がする。仲間を鼓舞する、最適な言葉はもっとほかにあるはずなのに、パッと頭に出てこない。だが、浬が悶々(もんもん)としていると、航は明るい声で言った。


「なぁ、浬。優勝候補ってことはさ……、九星学院を倒したら、俺たちが優勝する可能性が高くなるってことだよな」

「あ、うん……。そうかも……」


 航のそのひと言で重くなっていた、その場の雰囲気が一気に軽くなったような気がした。大地は嬉しそうに笑って言う。


「航、いいねぇ。スーパーポジティブ!」

「だって、優勝候補だぞ。それくらいのメンタルでいかなきゃ、戦えないっつーの。ですよね、羽柴先輩」

「おう。それに、どんな相手だって怪物なわけじゃない。同じ人間だし、同じ高校生だ。俺たちにも絶対に勝機はある。やる前から、ビビってる場合じゃない!」


 羽柴がそう言った。浬は途端に頬を膨らませてみせる。


「……それ、さっきおれが言おうとしたのにィ」

「知ってるよ。ありがとうな、浬」


 羽柴には、さっき立花の一本に(さえぎ)られた浬の気遣いが、ちゃんと聞こえていたらしい。浬のふくれっつらを見て、航がまた笑う。それを見て、大地も楓も、また少しだけ、ホッとしたように笑みを浮かべていた。ようやく場が(なご)んできたとき、航が言う。


「すごいよな……。全国にはこんなに強い人たちがいるんだ……」

「そうだね」

「この人たちが優勝候補で、俺らはたくさんの挑戦者のうちのたった一校……。(はた)から見たら無謀なのかもしれないけど、でも、勝ちたいな……」

「うん……!」


 無論だ。浬は頷いた。目の前にいるのが強敵だと知っても勝ちたいし、まだここで終わってほしくない。もっとも、この会場の全員が、おそらく同じことを思いながら、戦っている。だから、勝ち進むのはカンタンじゃない。少しでも、誰かひとりの気が緩めば、誰かひとりが(あきら)めてしまったら、きっと負けてしまうだろう。優勝候補だろうと、去年の優勝校だろうと、それは等しく同じだ。しかし、同じだからこそ、浬たちにも必ずチャンスがある。


 そうだ。おれたちにも可能性はある。どんな試合にだって、決められた結果や、勝利なんかないんだから――……。


 だが、そう思ったとき。脳内に自然と浮かんだその言葉に、かつて父がくれた言葉が重なった。


 ――いいか、浬。どんな試合にも、決められた結果や、勝利はないし、強いヤツだって完璧なわけじゃない。だから、誰にでも勝つ可能性はある。お前にだって、あるんだぞ。


 そういえば……。昔、子どもの頃……、市民大会で強い人とやる前、怖くなって泣いたことあったな……。


 浬はふと、幼い頃のことを思い出す。初めて出場した市民大会で、いかにも強そうな相手と当たったときのことだ。浬は戦う前から、恐怖でべそをかいていた。とは言っても、相手が怖かったのではない。負けることが怖かったのだ。


 ――負けちゃうのやだよぉ……。もう帰りたいぃ……。

 ――浬、なにを言ってる! 泣くんじゃない!


 面をかぶったままでべそをかき、駄々をこねる浬の頭を、父は竹刀で叩いて、(かつ)を入れた。もちろん、年齢で細かく分けられた子どもの部だったので、相手は自分と同じ歳の子どもだった。だが、浬は知っていたのだ。相手が自分よりも強いこと。いい試合をして、勝ち進んできたことも。


 ――だって、あの子強いから負けちゃうもん……ッ。


 よその道場の、名前も顔も知らない子だった。だが、直感でカンタンに勝てる相手ではないと感じとり、浬は怖くなった。負けるのが怖くて、戦うのも怖くて、試合場に入れなかった。すると、もう相手も会場係も審判も、みんなが待っているのに、なおも駄々をこねる浬に、父は言ったのだ。

 どんな試合にも、決められた結果や、勝利はないし、強いヤツだって完璧なわけじゃない。だから、誰にでも勝つ可能性はある。お前にだってあるんだぞ――と。


 父さんって……、ごく(まれ)に、(まれ)にだけど……、まともなこと言うよなぁ。


 普段は騒々しく鬱陶(うっとう)しい父だが、ときに頼もしい言葉をくれ、激励をくれる。それは成長とともに、浬にとっては耳の痛い説教であり、鬱陶(うっとう)しい小言のようになっていったが、気が付かないうちに、少しずつ自分の体に染みているのかもしれない。


 いっつもうるさいし、お節介だし、ムカつくけど……。あの人も一応アレで、道場の大先生だもんなぁ……。


 浬はぐっと拳を握る。結局のところ、幼かった浬は当時、散々に駄々(だだ)をこねたあと、敵わないと思っていた相手に勝ったのだ。


「航ッ!」

「え?」

「この人たちが優勝候補で、どんなに強くたって、なにも完璧なわけじゃないし、勝つことが最初から決まってるわけじゃないよ……!」

「あぁ、おう……」

「無謀だとしても、今、おれたちにできること全部、出そう! そしたら、絶対チャンスはある!」


 浬は言った。それを自分にも、言い聞かせるように。すると、航が頷き、みんなもまた、それに続くように深く頷いた。


 完璧な人なんかいない。誰だってそうなんだ。だから、立花にあるように、航にも勝利のチャンスはある……!


 もしかしたら今、優勝候補として注目を浴びている九星学院も、去年は一年生ばかりで結成された、挑戦者チームだったのかもしれない。前年度優勝した高校や、強豪を相手に、こんな気持ちにもなったのかもしれない。だが、勝って、入賞した。絶対的王者も、敗者も存在しない。実際に戦うまでは、結果なんて誰もわからないのだ。


 その後は、誰もがしゃべるのを止めて、ただ、じっと立花の試合を見ていた。立花は、次鋒戦も一本勝ちで勝ち抜き、中堅へ進む。彼の勢いは止まる気配がなく、待機している仲間もまた、余裕の表情だ。結局、羽柴が予想した通り、彼はそのまま大将戦まで勝ち抜いてしまった。試合時間はわずか、ニ十分だった。九星学院の歓声と拍手が湧く。


「……決まりだな。みんなのとこ戻ろう。たぶん、上でイチ先輩たちも見てる」

「はい!」


 すぐにミーティングだ。浬は緊張感を(かか)えながら、二階の応援席へ戻った。


 おれは試合に出て戦うわけじゃない。みんなの横で、スコア書いて、応援する。それくらいで、大したことなんかできないかもしれない。でも、これは団体戦だから。みんなで戦ってるから。だから、おれも。九星学院に勝つために、できることを、できるだけ精一杯やるんだ……!

ここまでお読みいただき、ありがとうございます。

よろしければ、続きをお楽しみいただけますと嬉しいです。


いなば海羽丸

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ