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骨は食料なり得るものだ

骨って美味しいんですかね?皆さんは骨単体で食べたことがありますか?

作者は軟骨しか食べたことがありません。



ーーそんじゃ直してくれねえか?流石にこのままってのもプレルに悪いしな。

「いえ、そんなこと...むしろ私にはご褒美...。んん、なんでもありません。」


 なんでもありませんって...プレルの身体の中に響いてるから丸聞こえなんだが...。まぁ言わずが花ってやつだな。俺は聞いてなーい、聞いてないったら聞いてなーい。


 そう今は手もない、塞ぐ耳もない俺は心の中で耳を塞ぐことしかできなかった。


「実は先程溶かしてしまった時にネクトさんの身体がある程度私の身体に溶け込んでしまって...今直しても、数箇所骨がない所が出るかもしれません。」

ーーえ?それって...?

「言葉通り手が無くなっていたり、足が無くなっていたりするかもしれないということです。」

ーーま、マジか...

「ええ、恐らく。ほんとに...すいません。」


 その言葉と同時にプレルの体液が煌めきを無くし、まるで心が沈んでいるかのように...。


「いや!気にしてないから!別に元に戻れる手段もあるし、だからプレルはそれを手伝ってくれればいい。」

「...ええ、分かりました♪」


 そうすると機嫌が戻ったのか体液に煌めきが戻ってきた。いけねぇ、さっきのことを思い出させてしまった。キチと約束した手前気をつけなきゃな。それに悲しませたいわけじゃないし。


「それで直すっていいますと、【骨吸収】のことでしょうか?」

ーーあぁ、恐らくな。それで吸収すれば減った骨も元に戻るだろうさ。それとプレル、なんで俺の身体が溶けちまったんだ?俺【消化無効】を持ってるんだが。


 先程からずっと気になっていたことだ。もしプレル以外にも俺をとかせる奴がいたら気をつけなければならない。そのためにはその手段を知らないと...。


「あ、それは私の生産スキル【分解液】のせいだと思います。効果は素材ならなんでも溶かすことができるというものです。本来は生物には効かないものなのですが...。もしかしたら今のネクトさんは生物ではないと認識されているのでしょうか...。実際私の【素材鑑定】ではこう出てますし。」


 そう言って体液内にウィンドウが映し出された。【素材鑑定】という方も気になるがまずはこっちだ。えーと、なになに...?!


 そこにはこう書いてあった...


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

【特・骨ジェル】

 そのジェルをただのジェルと侮るなかれ。その中には元が骨と思えないほど旨味が凝縮され、口の中でとろけるような味わいを引き起こす。一度でも食べた者はこの虜となってしまうだろう。

 ただその旨味は毒でもあり、人型にとってはその命と代償に味わうこととなるだろう。

《空腹度10%回復 守50%up1時間》

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


・・・俺って食用だったの?!そんでもって毒って...自ら食べに行かれるべきか?いや、俺が目指すは首切りチョッパーなんだ、寄生虫になりたいわけじゃねえ!!

『はははは!いいじゃねえか寄生虫!相手の身体ん中に入って中から首切れば1発だぜ?』

『そんなにいいって言うならお前がやれ!』

『それはごめん被りたい。流石に人型の身体ん中に入って殺すってのはな?人を捨てたみたいで嫌だわ。』

『お前は幽霊だろ!まぁ人格は人だが...。はぁ、俺ももう人間すててるし今頃かなって思う話だけどな?』

『ま、確かにそうだな。じゃ、次寄生虫になったら声掛けてくれよー?笑いに行ってやるからァ!』

『誰がなるか!!』


 その返答がフラグとなるのはいつなのか、それはネクトにも誰にも絶対知りえないことだった。


「美味しそうですよねー♪」

ーーいややめてくれ...虚しくなってくる。

「別にいいでは無いですか、減っても補充できますし。」

ーーいやこっちは痛いんだからな?!溶かされる痛みは...一気に溶かされるときつい...あっ。

()()()ですか?ならゆっくりならいいのですね?」


 俺がそう口にした途端プレルの体液の煌めきが最高潮に達し、視界が光に支配された。まぶし!


ーーあ、ああ一気でなければな。うん。

「ふふ、ありがとうございます♪」

ーー・・・


 な、何も言えねえ!んな嬉しそうな声でお礼言われたら訂正するのもな...。てか、俺食べられるの許容してねえか?もしや、新しい性癖に目覚めた...いやいやいや!食べられることに興奮するって...ありか?


 そう俺が自分の性癖について考えている間にもプレルはどこかへ向けて移動していた。


ーーなぁプレル前みたいに胃に入れないのか?

「いえ、あれは胃というより収容袋ですから、普段は開けておくのです。それでも消化器官でもありますから溶かせますけど、もしかして食べられたいのですか?」

ーーいや、なんでもない聞かなかったことにしてくれ。

「そうですか、それは残念です。」


 残念って...。あ、そうだ。


ーーなぁプレル、さっきの【素材鑑定】ってなんだ?普通の【鑑定】と何が違うんだ?

「そうですね...。ネクトさん、私全体を意識してではなく私の中を意識して鑑定してみてください。」

ーーん?まぁやってみる。


 そう言われた通りに意識を変えて【鑑定】をした。というかこれ前にどこかでやったような...あ、そうだ。フェイルの胃の中にいた時になんだったかのヒレに向かってやってたな。まぁ復習がてら挑戦っと。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

【プルジェル】

 クラゲ型魔物の中によく含まれているジェル。その弾力性、保温性、耐久性はトップクラスを誇り、よく健在の加工に使われている。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 なんというか...万能だな、俺ら。


「できました?同じ【鑑定】でも見方によっては変わるのです。細かく区別してるのでは【素材鑑定】【品質鑑定】など、焦点を絞ればほとんどが可能ですよ。」


 いや、万能なのは鑑定だったわ。


ーーてかプレルどこ向かってるんだ?もう草刈りはいいのか?

「それよりもネクトさんの方が大事ですから。それに大半はネクトさんが草の塔と戦っている間に終わらせましたから。」

ーーそうか、ならあんし...ん?いやまて()()()()()()に?もしかして見てたのか?あの時。

「・・・さぁ早く進みましょう。それではまたあの森を通るので胃の中に入ってもらいますね?あとそれではまだ入りにくいので失礼して...。」

ーーちょっまだ答えて...ふぁ...。


 その質問に答えることなくすっとぼけたプレルは話を変えるために無理やり俺の身体を揉んできた。だがその効果は絶大的で直ぐにその事は忘れてしまった。


「ではいただきます♪」


ゴクンーー


 そして俺は来た時と同様に胃の中に招待された。だが別にとかそうというつもりはなさそうで俺の身体にすごく柔らかくなったということ以外何も異変は感じられなかった。

 それとこの状態を鑑定したらもう俺は俺でなかった。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

【ボーン・ローション】

 骨を最大までに柔らかくし、高級品のものとも変わらないほどに加工された骨のローション。だが何故か柔らかくれる前よりも旨味は凝縮され、このローションを塗ったものは全ての生き物に追われることになるだろう。だがこのローションは骨を吸収することがあり保存には注意が必要である。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 もうれっきとした素材らしい。だがこれでこの状態なら俺はプレイヤーと認識されないことがわかった。なにせ素材と表示されるんだもの。ステータスが見えないんじゃプレイヤーかどうかなんて判断できるわけないじゃん。


「ではとばしますので少々お待ちくださいね?あぁ、それにしても...美味しい♪」


 ドキッ...んな甘い大人の声出されたら心がドキンって言っちゃうでしよ!こっちは健やかに育つ青少年なんだぞ!


 そう悶々とした気持ちでいる間にも外の景色は流れるように過ぎていき、数分後には先程の家が見えてきた。その様子は出た時と何ら変わりなく、ただそこにぽつんと建っていた。

 そしてプレルはだんだんとスピードを落としていき、家の玄関の前にふよふよと漂って行った。


「さて、着きましたよ。それでは私は昼食を作りますのでもう暫く待っていてくださいね?何かの容器に入れて置いてもいいのですが...もしもの事があったら嫌ですので。もし賊が入ってきたらと思うと...怖いです。あなたが触られそうで。」


 いや触られる方かい!と突っ込んでしまうのもしょうがないだろう。てか賊って...この世界にもいるのか?プレルが管理する世界なのに...


ーーなぁプレル、この世界には賊なんているのか?ここはプレルが管理してるんだろう?

「ええ、賊がいるにはいますよ。あのスティール貝も群れを組めば十分賊となりえますし、ほかの魔物だって群れを組めばそれは賊です。あと管理してると言っても全てを管理してる訳では無いですよ?することといったら魔物の間引き、自然の調整など間接的なことしかできません。あと特殊なものと言ったら自我が芽生えた魔物の回収ですかね。ここの世界ではほとんどの魔物が本能のままに従って生きてますが()()()()に、自我を持つことがあるのです。その例がこの私です。」


 へー、プレルって元々ここで生まれ育ったんだなーって前言ってたっけか?ふむ、覚えてないな。


ーーそれでプレルの他にも自我を持った魔物っているのか?プレル以外の姿は見ないが...


 もし居るのなら会って話してみたい。そいつだけの文化ってのを聞いてみたい。


「いえ、いるのは私()()です。もしかしたら他にもこの世界にいるかもしれませんが...知っているのでは私一人ですね。」

ーーえ、それってどういうことだ?


 それを語り始めるとプレルの身体から煌めきが少し消え、その残りの煌めきは豆電球のような光で今にも消えてしまいそうだった。


「ここの世界は確かにフェイル様がお創りになった世界ですが...全てを見通せる訳では無いのです。見れるのは生物の数、気候、天気などただ世界の状態を見れるだけで直接干渉することはできないそうです。ですからもし自我が芽生えたとしても回収するまでに殺される、もしくは精神が不安定になり死んでしまうなど、間に合わない時がほとんどなのです。そしてその中でも唯一間に合ったのが私だけ。回収された時も私の精神は壊れかけていて、危ないところでした。あと数刻でも遅ければ自ら命を絶っていたでしょう。」


 ・・・かなり重い。ここがゲームだと思えない話だ。やはりここはユッカ...皆それぞれの暮らしがあるんだな。


 そう思いながらも俺はひとつ聞きたかった。


ーーそれでプレルはどうやって今の状態になったんだ?


 それはどうやって心を取り戻したのかだ。友達の昔を気にしすぎるのは悪いと思うが...自分から話してくれたら心配するのは当たり前だろう?


「それは...最初私がフェイル様に助けられた時はとても情緒不安定で、ここの家に連れてこられる途中もずっとフェイル様を攻撃していました。あの時はほんとに馬鹿だったなとつくづく思います。なにせその相手はこの世界の神だったのですから。」


 俺はその言葉に苦笑いすることしかできなかった。あんな分身の状態でも勝てないって思う相手に攻撃?ありえない。


「そして家に連れてかれ、私はまず最初にお風呂に入れられました。その泥と血に塗れた身体を丁寧にあらい、私の心が安らぐようなのかゆっくり、優しく洗ってくれました。そのおかげで私の心も落ち着いて暴れることは無くなりました。途中泡を吹き飛ばしてしまったり水を飛ばしたりしてましたが。」


 そしてプレルの体液はこの物語を話す度にだんだんと煌めきを取り戻していった。


「お風呂を上がった後私は次に書庫に連れてかれました。そこで多くの絵本を読んでくれました。一日に何度も何度も、毎回毎回新しい物を読んで下さりました。それも毎日欠かさず。そのおかげで私は言葉を学び芽生えた自我もはっきりとした物になったのです。最初芽生えた時は大変でしたよ?ここはどこだ、私は誰だと自問自答の毎日でしたから。」


 それは考えるだけでも恐ろしいな。ある意味記憶を消されてほっぽかれるってことだろ?そんなことされたら生きてられる自信が無い。それでもフェイルさんって優しいんだな。まぁ見た目通りだが。


 あのおじいちゃんのような顔つきは見ただけでその優しさと威厳が伝わってくる。


「それは大変だったな...俺から何か言うことなんでできないが、まぁ今のプレルに会えて俺は嬉しいぞ!フェイルさんに感謝だな!」


 そう俺はプレルを祝福した。実際会えたのは俺にとって運命であり、とても嬉しいことだ。


「ええ、私もここにネクトさんを連れてきてくれたフェイル様に感謝です♪」


 同じ人物に感謝するその声は嬉しげであり、それと同時に体液の方の煌めきは強い光を放っていた。


ーーまぶしぃ!!!

さぁ一日遅れの小説投稿。寝そうになりながら書いたものなので、誤字・脱字がございましたら遠慮なく指摘してください。

おねがいします!!!


さぁ次回は昼食だー!

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