主人公!草は質よりも数だぞ!
さぁ不穏な気配になって参りました!
果たして主人公はどのような体験をし、どのような被害に会うのか...
目の前に草A、草B、草Cが現れた!どうする?!ってふざけてる場合じゃねえ!草むらからなんか草...でいいのか?取り敢えず背の高い動く草達が出てきた。取り敢えず【鑑定】...
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【グラスウォーク】(個体名:なし)
Lv.9 職業:未定
所属:なし
体力:190/190
魔液:78/78
力:21
守:82
精:87
敏:8
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グラスウォークって...なんて安直なって守高っ!進化前の俺なんて10だったのに...まぁ多分こいつは守りに向いた種族なんだろうな。敏に至っては8という、どんな速さだよ!って言いたいレベル。実際こちらに近づいているがあれはにじり寄っているわけでなく、ほんとにあの速さでしか進めないようだ。まてよ、ならどうしてシュッて草むらから出てこれた?んな速さこいつにないはず...まさか!【鑑定】スキル!
そう俺は必死に今持っているスキルの効果を思い出そうとした。
そのために瞬時にスキル欄を表示し、お目当てのスキルを見つけ出した。
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【魔力感知Ⅱ】
熟練度が規定値を上回り、さらに魔力を感じられるようになった。その感知力は生き物の魔力さえ感じることができる。
《さらに慣れれば武器に宿る魔力を感じられる。》
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よしこれだ!
ーー【魔力感知Ⅱ】!!
そう俺は魔声を高らかにして周りに広まるようイメージしながら【魔力感知Ⅱ】を放った。すると...
・・・こりゃぁ、やばいな
【魔力感知Ⅱ】を使った途端大気に漂う魔力とは違う異質な魔力が近づいてくる気配を感じ取れた。すげぇ!って感心したいところだがそれはできそうにない。なぜなら、感じ取れる異質な魔力の数はざっと100、いやそれ以上かもしれない。取り敢えず数えられないほどの魔力が近づいてくるのを感じた。だがその魔力には一つ共通点があり、それは目の前の草とおなじ魔力を、近づいてくるやつも持っているという事だ。多分こいつらの仲間、同族だろうな。
そう考えているうちに他の魔物達もすぐ側まできて、ついにその姿を現した。
ザザザザザーー
その音は連続でずっと聞こえ、このまま永遠に続くんじゃねえかと言うぐらいその出てきた草の行列は凄かった。それはもう落ちてる草を押しながらグルグルと目の前の草の周りを回って...ってなんでお前らがのってきてんだよ!ぶはっ、その走る草に乗りながらこっちを見てくるのやめろ!
言い忘れていたがこの草たちには1本の草と草の隙間に目のようなものがあり、こちらを見ているのがわかる。ただその目は虚ろであり作り物のようにしか見えない。そして俺はそんな奴らが俊足で移動しながら草からでたり入ったりしているそのシュールさに笑ってしまった。
てかなんなんだほんとにこれは。まだまだ集まってくるみたいだし。ここ幅2mぐらいしかないんだけどなぁ...1回離れるか...
そういって俺は物量に潰される前にその場から離れた。その合間にもどんどんと草が巻き上がって高く、高く...というかあの下の走ってる草鑑定してなかったな。あまりのインパクトに忘れてたわ。取り敢えず【鑑定】ーー
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【ラングラス】(個体名:なし)
Lv.8 職業:運び屋Lv.5
所属:なし
体力:86/95
魔液:20/20
力:105
守:5
精:21
敏:136
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ラングラスって...走る草ってことか?また安直な...。わかりやすいはわかりやすいがもうちょっとこだわろうぜ。てか敏たっけえな!力も高いし...職業通りのステータスと言ったところか?
ん?なんで影がかかって...ん?!
この時俺は、いつものくせで下を向きながら考え込んでしまった。その行為は後のトラウマとなる苦い思い出となるとは知らずに。
何故ならば目の前には...
ーーた、たっけぇ...
高さ1kmにもなる草のタワーができていたのだから。
いや、高すぎだろ!これ高さ何メートルあんだよ...ってなんか倒れてきてないか?気のせいだよな、きのせ...いや全然気のせいじゃねえ!こっち倒れてきてやがる!
高さ1kmの草が徐々に倒れてくる姿はなんとも壮大な光景だろう。目の前にいるネクトはそんな気も起きやしないが。
いや、でも幅はそんなでもないしちょっと横にずれれば問題なし...。って?!普通に位置調整できるのかよ?!これも草のやわらかさからってか?!ふざけんな!
『相棒!グラスカッターであのでかい塔を切り裂け!草特攻も持ってる相棒なら行けるはずだ!』
『いや、あれはどう見ても草じゃないだろ?!魔物だし!』
『だから言ったろ?イメージだって。あれが草だと思えれば容易く切れるはずだ!』
そうキチに言われてあれは草だあれは草だと思っても、やはりこの迫力のせいで草と言うより魔物だって意識が高くなってしまう。
『だ、だめだ。やっぱりあれは魔物だと思ってしまう。』
『くっ、相棒でも今回は無理か。なら飛魔刃をありったけ放て!草特攻Ⅱもあるからどうにかして切れるはずだ!』
そう言われてふんっと腕をないで飛魔刃を二発塔に向かって放ったのだが...
ガシュッ!
何か鉄のようなものに当たった音が聞こえ、そこを見たら若草色の草に混じって色の濃い草が混じっていた。その身体には深い切り傷ができているが死んではいないようだ。【鑑定】...くっここからじゃ届かないか...。なら魔声で!
ーー【鑑定】
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【グラスHG】(個体名:なし)
Lv.28 職業:オールウォール
所属:なし
体力:456/580
魔液:15/50
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グラスハイグレード?おそらくグラスウォークの進化したやつだとは思うが...。てかなんだこの体力は...俺とは桁違いじゃねえか。もしかしてこいつ、二回以上進化してるのか?
今の俺でも100以上を超えたのは精しかない。というか精が何を表すかわからない現状意味はほとんどないようなものだ。
くっ、なら別のところにもう一発!飛魔刃!
〈【飛刃】を会得しました。〉
ここでスキル習得か...。これで少し威力は上がるか?てかあと飛魔刃何発放てるんだ、【鑑定】魔液
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魔液:80/200
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あと片手で4回か...それでもあの厚さの塔を刈るには少なくとも2発...いや3発か?
ガシュッ!
は?嘘だろ?!さっきよりもかなり下にはなったぞ。一瞬のうちに移動したってのは考えられないしどうして...
そう思って見てみると飛魔刃を放った場所の少し下にはまた深い切り傷を負った色の濃い草の姿が。だがその切り傷もだんだんと塞がってきており大して驚異にはなってないようだ。
もしかして...と思って幅2mの塔の中心ラインを見てみると間を空けて色の濃い草の姿が点在していた。恐らく攻撃を己に引き寄せるスキルを持っているのだろう。職業がオールウォールだしな...もう俺詰んでるじゃねえか!
そう思ってもう一か八か走るか【溶骨操作】でとことん柔らかくなろうか迷ったが、ここであるスキルを思い出した。
そういえば、【溶解液】なんてスキルもあったな?効果はなんだっけか?【鑑定】【溶解液】
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【溶解液Lv.1】
己の中で生成された溶解液を外に射出することができる。
《レベルが上がるにつれてその溶解力は強まる。》
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ふむ...これなら溶かせるか?でもレベル1だしな。少ししか溶かせそうにないんだが...まぁ一か八かためしてみるか...【溶解液】
そう念じると手のひらにだんだんと水の粒が集まり綺麗な球体になったと思ったら勢いよく手のひらから発射されたって、うおぁ?!
そういって放った水球は俺の首を掠めて飛んで行った。間違って手のひらをこっちに向けてしまっていたからだ。
・・・気を取り直してお次はあの塔に向かって【溶解液】!
そう念じると先ほどと同様水の粒が掌に集まり綺麗な球体となると勢いよく発射された。
バシュッー
発射された水球、溶解液入りは綺麗に色の濃い草に向かっていき、着弾した途端その水球は破裂し辺りに飛び散った。やったか?!って思ったが、それは昔のフラグ発生原因だということを思い出し注意深く見ていた。
たがそのフラグは正しかったらしく溶けるには溶けるが直ぐにその回復力で治ってしまっているようだ。てかもう間に合いそうにないな...
もう塔の傾きは地面と平行に近くなっておりあと数秒で潰されそうな位置だ。もう...使うしかないか...。【魔翔】!
シーン...
ん?なんでだ...何故発動しないって...あ!俺今何も防具装備してないじゃん。あーしくったー!!!うぉぁぁ!!
それを気づくと同時に俺は高草に沿って走りだした。だがその努力虚しく、だんだんと位置が調整されて確実に俺を潰そうとしている。
〈【移動速度上昇】がレベルアップしました。〉
有難い、有難いがレベルが1上がったくらいでこの塔の位置調整を撒けることはできねぇ!!
そう思っているうちにももう首から1mぐらいに草の塔が迫ってきている。
くっ!こうなったら【溶骨操作】!【核溶硬化】!もう戻れなくてもしょうがない!今は生き残ることだけ考える!
そして俺は潰される直前にプレルに飲み込まれた時よりも柔らかくなることをイメージして【溶骨操作】を使用した。それに【核溶硬化】も使い核も柔らかくした。プレルの時は使っていなかったが気づいてなんとか対処してくれたのだろう。
そうして走れなくなった俺はその場にドシャリと倒れ込み、地面に水溜まりのように広がった。
ーーこの草達が!次あった時は覚えてろよ!
次の瞬間この世とも思えない押し潰される感触を味わうと共に、俺の視界は緑に包まれた。
さぁ草刈りどころじゃない展開となって参りました。
ここで何か一つが絶大な効果を誇る!なんて考えた人残念!そんな運良きことは滅多に起きないのです!
あくまで主人公はまだ進化して一度の身。物量には勝てないのです。




