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爺さんとのごたいめ〜〜ん!!

未だ腹の中、いつ腹の中から出られるのかお楽しみに!


 朝飯を食べて暫くして母親は仕事に行ってしまった。さぁここからは俺のターンだ!


 それを思うと同時に俺は歯を磨きトイレを済まして自分のへやに特攻!そこからベッドにダイブイン!そしてバーチャライズ装着!


「ベッドよし!トイレよし!下の電気などもよし!さあ行こうか!」


ーーリンク!!


 そこで俺の意識は一瞬閉じ、気がつくと目の前はオレンジのような、ピンクっぽい色。上も下もその色で埋め尽くされていた。


 何があった?!てっこの色はまさか!


ーー【鑑定】


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

【神海龍の肉壁】

 ニルヴァーナで覇王と謳われる龍の肉壁。ただの肉壁と侮るなかれ。表面には攻撃魔法、弱体化魔法を反射する結界が張られ、その硬さもその弾力性で刃を通すこともなく、何者も傷つけることはできない。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 おぅ...。なんで閉じ込められてんの俺?うわっぷ?!


 いきなり足元から粘っこいものが吹きあがってきた。だが俺の中身のないスカスカな骨の体のおかげか隙間をすんなり通って上に上がっていった。


 もしかしてここって...消化液出すところだったのか?よく無事でいられたな俺。丸1日ぐらいここでずっと放置されてたんだもんな。骨の身体って案外丈夫?

 て、あまり考えてる場合じゃないな。どうやらここは消化液が出る時以外は上が閉じているようだし、さっさとここから出るか。っておいまだ閉じるなよ!


 どうやら一歩遅かったようで上がゆっくりではなく瞬時に閉じてしまい、出ることが叶わなくなった。


 え、って?!なんか周りが狭まってるんですけど?!このままじゃ潰される!ってログアウトしてた時の身体はどうやって生き残ってたんだ?もしかして障壁か...?それなら一度耐えられてもおかしくはないが...


 そう考えてるうちにも周りの肉壁が近づいてきて、もう手を軽く前に出せば届くぐらいだ。やめろ...ん?全然痛くないてか潰されてない?


 この肉壁の締まりは案外ソフトタッチだったようで潰されることは無かった。てか攻撃を通さないほどの弾力性を持つって書いてあったじゃん!しくった...てどうしようか。このままじゃまたしばらくでられないぞ?


 そう俺は脱出方法を考えていたのだが...


『相棒、ここで早速新しいスキルの溶骨操作使って奥の方を刺激してみたらどうだ?たぶんだが、消化液の噴出口があるはずだからな。あれ、鼻を刺激したらくしゃみが出る時あるだろ?あんな感じだ。』


 ここでキチからいい考えが伝えられた。


『確かにそれならいけそうだな。取り敢えずダメ元でやってみるわ!ありがとな!』

『よせよ、礼なんて要らないぜ。これも見ていることしかできない俺様の罪滅ぼしってやつだからよ!』

『馬鹿野郎。普通に話してんじゃねえかよ!』


 そんなやり取りをしながらも、俺はどうするか思考の中で考えていた。取り敢えず...魔液【鑑定】


魔液:200/250


 よし、これなら細かい作業しても大丈夫だろう。ではいくぞ!


ーー【溶骨操作】


 イメージするはティッシュのようなあのソフトな感触。

 まずは自分の腕の骨を溶かし、細く細く伸ばしていく。ただティッシュぐらいに柔らかくすると上手く入らないので、そのまま足元のとても細い隙間に通していく。するとその伸ばした先に何かが当たる感触が。


ごぼーー


 その瞬間足元から消化液が少し吹き出してきた。そして上も少し緩んだが直ぐに固く閉まってしまった。でもこれでハッキリわかった、この方法なら出られると!


 そこから先の作業は早かった。奥に通した骨の先をティッシュのように変化させ、コチョコチョとひたすらくすぐった。だが龍自信が抵抗しているのかなかなか吹き出てこない。でもそれが狙いなのだ。

 我慢すれば我慢したものほど、それを解いた時の反動は大きくなるだろう?ほらきた。


ゴボォーー!!


 そして俺の猛攻のくすぐりに耐えられなくなったのか徐々にコポコポと消化液が出てきて、次の瞬間、勢いよく噴出した。そのおかげで俺は窪みから脱出することができ、その勢いで上へ上へと昇っていった。


ドプン!


 うぉぁぁ!?勢い強すぎるぞ!このままじゃ壁に...!


ブヨンーー


 ぐほぁ!?い、意外と弾力性強いな...


ドポン!


 ぶへぁ?!もうやだ...


 飛んで跳ね返ってとなんとも忙しい脱出方法だ。もう疲れた...暫くこのままでいたいってなんだ?あれは...人影か?なんでここに人が...。それに他の魔物の悲鳴も聞こえないし、一体何が?


 そう気になったのだが、現状脱出したばっかりで頭の整理が追いつかない。ここで人影が動き俺の手を引っ張った。


トプーー


ーー・・・

「・・・」


 引っ張られた先でその人影とご対面。その顔は無精髭を生やしたダンディなおじ様って感じだ。全体的に高貴な服装をしており、その風貌と格好でどこかの王族とも見て取れた。

 それにどうやら相手は面食らっているようでこちらを見て少し口を開き、暫く相手との無言のやり取りが行われた。


 このまま運悪く溶けなかった骨として放っておいてくれないかなーと思ったのだが願い叶わず...


「なんか言ったらどうだ?新人よ。」


 相手から話しかけられた。って新人?この言い方はノーシェと同じ...もしかしてこの人。


「まぁ新人を食べてしまった張本人じゃからな、警戒するのも無理なかろう。ではその警戒心を晴らすためにも自己紹介をしようかの。あとこの身体は分身だ。」

「改めて、儂はこのニルヴァーナの世界の海の覇者、神海龍フェイル・ドラゴノートだ。ちなみに義遊魔王軍の魔王の祖父でもある。新人を食べてしまった手前あれだが...よろしく頼むの。」


 そんな申し訳なさそうに俺に自己紹介をする爺さん、もといフェイルさんは案外近しい人...いや人ではないし、まぁ近しい龍だったようだ。

 まぁ、俺を食ったことに変わりはないが。


ーーこれはご丁寧にありがとうございます。それで何故私を食べたのですか?別になんの旨みも無い骸骨(スケルトン)でしょう?

「お、存外魔力念話を上手く使うのぉ。おっと失礼。何故新人を食うたのか、だったかの。それはただ珍しいと思ったからだの。儂は昔から刺激に飢えてての?珍しいことや可愛いこと、特にナージャちゃんの成長を見守ることは何よりも刺激になっとった。だがそんなナージャちゃんも今は自立した身。儂もかまいすぎていかんと思っての?心を鬼にしてナージャちゃんの元を離れたのだ。」


 どうやら心を鬼にしたってのは本当のようだ。まぁそれはナージャさんに対してって訳じゃなさそうだ。

 だってこの爺さん...目から血涙流してるもの。どれだけ我慢したって話だよ。そんなに我慢するならたまに会えばいいのに。


ーーなら会えばいいじゃないですか。子供の頃から面倒見たのなら別に邪険にしないと思いますよ?

「そうじゃろうか...。前にナージャちゃんに行ってもいい?ってきたのじゃが、『おじいちゃんの身体の大きさを考えてほしいのじゃ!おじいちゃんのせいで魔王城が壊れてしまうのじゃ!』と断られてしまった...。ぐすん。」


 あー、納得だ。この爺さん(もう心の中ではこう呼ぶことにする)の本体の大きさはバカでかかったからな。今の俺が100人いても歯を囲うことはできないだろう。


 ちなみに龍の大きさはニルヴァーナ最大級ではなく、さらに大きいものまでいる。何故そいつが最強じゃないのかって?大きいだけが強さの全てではないってことだ。リアルでも小さい者が大きいものに勝つことは多々あるだろう?


ーー【鑑定】


〈【鑑定】が無効化されました。〉

「なんじゃ新人..あぁそろそろ名前で呼ぼうかの。ネクトよ儂を鑑定したいのか?それは永遠に無理だと思うぞ?」

ーーあっさりバレたな...それは何故です?


 なにか理不尽な力が働いているのなら愚痴のひとつでも零したいが...てか普通に俺の名前知られてるのな。まぁそりゃ当然だと思うがな!何せ神がつく程の龍だし...


「何せ儂のレベルはニルヴァーナ世界での最高レベル100に到達しているからの!それに【鑑定遮断】のレベルもマックス、もう何者も儂を盗み見ることはできないのだ!まぁ例外はあるがの...」

ーーその例外って?


 そのレベル100、聞いたことも無い【鑑定遮断】というスキルのレベルもマックスな爺さんを見ることができるんだ。気にならないわけがない。


「それは【体内鑑定】といっての?自分の体の中に入れたものならば、どれだけレベルが高かろうが鑑定遮断のスキルレベルが高かろうが、見れてしまうスキルなのじゃ。」

ーーそれはかなりストイックなスキルですね...

なにせ結局は体の中に入れなければ鑑定できないのでしょう?それが毒物なのかも分からないのに...俺には怖くて扱えませんね。


 一瞬凄いって思ったがよく考えてみると使うのが難しいスキルだった。体内に入れるまでは毒物なのかも分からないし、果てにはその食べたものによって身体が壊されるかもしれない。怖すぎて欲しくないわ!そんなスキル...


「その通りじゃ。儂も最初のうちは苦労したぞ?耐性スキルをあらかた上げて大丈夫だろうと思いきや中からの魔法によってダメージをくらう。本当にネクトら旅人(プレイヤー)はいいのぉ。障壁があって。羨ましい限りじゃわい。」

ーーえ!?爺さん...じゃなかった。フェイルさん達には無いのですか?てっきりあるものだと...ん?


 そういえば前にゴブリンを切った時も障壁がある気配はなかったな。


「その様子だと気づいたようじゃな。そう儂ら、確かネクトの世界ではえぬぴーしー...といったかの?とにかく儂らには障壁なんて便利なものは無い、あるものはただの体力のみじゃよ。それに復活するなんてものもない。儂らは死ねばそのまま大地に還り、ニルヴァーナの世界の一部として廻り続けるのじゃよ。」


 そうか...こいつらには一度きりの生って訳か...ということはあのゴブリン達もあそこで俺が生にに幕を閉じさせたのか...うぇっ。


〈現実の身体に嘔吐感が発生。これより悪化すれば強制的にログアウトします。〉


 急に吐き気がしてきたが決して吐いてはならない、そんな気がした。これが命の重みであり、奪った者への責任なのだ。


〈現実の身体の嘔吐感が消失。〉


「吐かなかっただけでも偉いぞ、女神様には旅人(プレイヤー)に話すと大半が吐いてしまうだろうと言っておったからの。

 さて、これは女神様からの伝言じゃ。

『ここをただのゲームと侮ることなかれ。このゲームに暮らす生き物達は文字通り生きている。それぞれの暮らしがあり文化もある。それを奪うソナタらはなんだ、悪か善か?否どちらでもない。ソナタらは生き物だ。生に執着する者なのだ。生きるために足掻き、苦しみ、そして努力せよ!ソナタの頑張りを期待しておるぞ?』

と、仰っていた。」


 それを俺に話してくれている間爺さんは俺の背中をさすってくれていた。頭がないからよしよしと撫でられる場所がないので代わりに背中をさすってくれているようだ。まぁ骨と骨の隙間があるからたまに入ってしまってるがそれもご愛嬌と言うやつだろう。


ーー助かりました、フェイルさん。うぷっ...暫く休ませてもらって良いですか?

「あぁ、しばらく休め。それとここでは気が滅入るだけであろう。場所を移すからじっとしているんじゃぞ?」


 じっとしてと言っても俺はあなたに腕を掴まれているのだが...暴れればまた落ちるしな。別に実害がなくても消化液に落ちるって言うのは気分的にいやなのだ。


「対象【ネクト】我が家に【身体間転移】」


 次の瞬間俺の見る景色がぶれ、視界が暗転した。だが直ぐにその暗闇も消え、目の前に家が現れた。


「ようこそ、儂の家へ。ここでゆっくり休むといい。」

ーーそうさせてもらいます...ってなんだここ?!


 そこはパッと見草原の中に家が建っているだけだ。青色の屋根に白いレンガで作られた壁。それに煙突がついており、何かを焼いているのかそこから煙がもくもくと立ち昇っている。今のリアルではこんな景色、作り物でしか見られないだろう。

 だがこれで驚いてはいけない...なぜなら。


ーーさ、魚?ここ、水の中じゃないよな?


 そう何故か魚が()を泳いでいるのだ。水の中ではないのに。そういう魚なのかなーって思って【鑑定】してみたのだが...


【クマトノミ】

 暖かい海の中に住む、白とオレンジのシマシマ模様の魚。その皮膚は針を通さないほど厚く、耐久性に優れている。また、性格は至って温厚でこちらから刺激を与えない限り襲っては来ない。

 1度怒らせれば最後...群れという名の暴力にやられるだろう。


 至って、普通...まぁ普通ではないが宙は浮かないようだ。てかクマトノミってクマノミだよな?

 何が違うんだ?


 パッと見その魚はリアルの博物館でよく見る魚で、何かヒレがゴツゴツしてる感じ以外は同じだ。


「なんじゃ、その魚が気になるのか?刺激せんよう気をつけての?その時はそのヒレで頭をかち割られるからの、あぁネクトには頭がなかったの!まぁその代わり骨という骨が砕かれるがの。」


 どうやらヒレがリアルのノミのように硬い魚のようだ。てかリアルではノミって削る道具なんだがな...何故鈍器に。まぁゲームだし少し違くしているのだろう。きっとそうだ、うん。


 てかそろそろ本当に休みたいんだが。


「あぁ、暫くその木の下で休んでいるとよい。今中を片付けてくるからの。」

ーー頼みます...

「任せるのじゃ。まぁ儂の世話人に任せているがの。ただ少し片付けねばならん部分もあるからしばしまってくれ。」

ーーいえ、私は休ませてもらう身。感謝はあれど文句はありせんよ。

「それはよかった。でいってくるからの。」


 そして俺はその家に入る爺さんも見送り、爺さんに言われたとおり近くの木の下に寝転んだ。

 そのままあたりを見回してみると魚が宙を泳ぐという不思議な景色が広がり、そして空はなく全てが海に囲まれていた。その速さからか横に横にと一瞬で景色が流れてしまうが、時折でっかい魚の顔が張り付いたりでっかいタコがまとわりつくなど海の中でしか見られない光景が見られる。(いやリアルで見られる訳じゃないけど)


 そして俺はゆっくりと意識を閉じ、しばしの間仮眠を取る事にした。さらに海に囲まれているのに程よい風も吹き、ポカポカとした太陽の光が木漏れ日となって俺に降りかかる。

 その心地良さに身を任せながら俺の意識は思考を閉じた。


というわけで腹から脱出できた主人公。


だが旅はここで終わりじゃない。

新しい発見、体験が君を待っている!


とその前に一度ほのぼのパートに入りマース。



前にアクセスが急上昇した時あったのだけど...何があったんだ?


(2018/11/20)

ーーキチとの会話にて

『例なんていらないぜ』→『礼なんていらないぜ』


誤字のご指摘ありがとうございます!これからも何卒...お願いします!!(ノ_ _)ノ

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