0616 大アンジュへの道
ロナバール新地での治安の方が一区切りついたので、俺はしばらく大アンジュの方に目を向ける事にした。
大アンジュではかなり町の形が出来てきた所なので、次はいよいよ道路つくりをする事となった。
何しろ現状では大森林の中央近辺にポッカリと街が出来ているだけで、どことも繋がっていない。
しかも一番近郊の村や街まですら1000カルメル以上もあるのだ!
これでは話にならないので、大アンジュまでの道を作る事となった。
まずは西側、つまりアムダール帝国側へ向けて道路作りだ。
これは手始めに森林を荒く吹っ飛ばして平地を作って行く事にする。
最初はエレノアとアンジュが毎日大アンジュから西へ向かって森林を吹っ飛ばして道を作っていく。
幅はほぼ120mほどだ。
俺の予定している道幅があまりにも広いのでみんなは驚いたが、これには理由があった。
俺としては将来、この道には鉄道なども引くつもりなので最初から道幅を広くしたかったのだ。
それに直近の現実的問題として、あまりにも幅が狭いと道の横から出て来る魔物を察知するのに遅れてしまう。
しかし平地が道の横に広がっていれば、いきなり森なのと違って魔物の接近をすばやく察知できる。
その間に旅人は逃げるなり、迎撃をするなりの余裕が出来る訳だ。
もちろん、道を作ると同時に、森林との境に魔物の進入防止柵も作っていく予定だ。
そして最終的にはその防止柵に魔石を使って結界を作り、魔物の道への侵入を可能な限り防ぐつもりだ。
そうすればより安全なのは言うまでもない。
その事を説明すると全員が納得した。
最初の数日は様子を見るために、俺も付き合う事にした。
当然の事ながら護衛としてミルキィ、豪雷、疾風も一緒だ。
それとライラもだ。
俺とエレノア、アンジュとライラの4人で森林を景気良く吹っ飛ばしていく。
アンジュは攻撃魔法の中でも爆裂系の魔法が一番好きなので、この作業はかなり楽しそうだ。
ライラも憂さ晴らしなのか性格が向いているのか、そこそこ楽しそうにやっている。
森林を切り開くついでに魔物も倒していくので、多少はレベルも上がり、一石二鳥だ。
アンジュは楽しそうに森林を吹っ飛ばしていく。
「いいですね!
御主人様!毎日こんな作業が出来るなんて楽しいです!
しかも魔物も倒し放題なんて最高です!」
そう言ってアンジュは毎日森林を吹っ飛ばす。
うん、こいつ、本当に爆裂呪文好きだな~
ライラもそれなりに楽しそうだ。
「いや~御主人様、この仕事は私にあってるよ!
ただ吹っ飛ばすだけなら、何の気兼ねもないしね!
魔物相手にも遠慮する事はないし!」
俺たちが休憩する時には、アルジェントや豪雷が代わりに森を吹っ飛ばしている。
数日間、俺も付き合った結果、あまりにもアンジュとライラが楽しそうにしているので、結局この仕事はアンジュとライラに任せる事にした。
アンジュはエレノアよりも精度は悪いのだが、どのみちこれから舗装して整地をしなければならないので、今の段階であまり精度を高くする必要もないと気づいたからだ。
それにエレノアには他にして欲しい事がたくさんある。
エレノアの代わりにアラベルとアランが手伝う事となった。
この二人も今の所、大アンジュではあまりやる事がなくて暇を持て余していたからだ。
アラベルは火力はアンジュとほとんど同じなので助かる。
もちろんアランもそれなりに強い。
俺はライラに自由にドラゴンになれるようにしておいたので、ライラは気が向くとドラゴンになって森林に向かって火を噴いていた。
「あ~こうして久しぶりにドラゴンになって思いっきり火を噴くと何だかスッキリするねぇ」
それを見ていたアランとアラベルは目を丸くして驚く。
「おいおい!あいつが天竜なのは知っていたが、本当にこうしてドラゴンになって火を噴いているのを見るとまた格別だな!」
「私もまさか天竜と一緒に仕事をする日が来るとは思わなかったわ」
「全くだ!本当にあの子爵様はとんでもねぇな!」
ライラの行動に驚きながらも二人は森林を焼き払って仕事をする。
そして自由日には大抵キャロルもシャペロと一緒にやってくる。
キャロルはエレノアに比べれば100分の1の威力も無いが、本人が手伝いたがっているし、アンジュも一人でやるよりも話し相手がたくさんがいた方が良いので手伝ってもらう事にした。
さらに夜間も作業を進めたいので、アメシス1体とオリオン、セイメイたちも数十体導入する事にした。
これにより、昼夜兼行で道作りをする事になり、かなりの速度で道路作りが進んだ。
ある程度道と言うか、幅の広い溝のような物が出来ると、今度はそこを土木ジャベックと土木タロス部隊で整地して道を作っていく。
計測した所、大アンジュの西側の端からガーリン親方たちの砦までは約1200カルメルあったので、その間を幅80メルほどの道を作って行く事にした。
両幅20メルは予備幅だ。
これは将来を考えて車線の幅を6メルとして、片道3車線、往復6車線と計算して、さらに歩道や、遠い将来、鉄道などを通す場合の予備の幅を考えた結果だ。
また両幅を20メルずつ取ったのは、道の両脇から魔物などが出た時に備えて、距離を取っておく必要もあったからだ。
そのあまりの道幅の広さに、みんなは少々驚いたようだが、別に反対する事もなく、道を作って行く。
そして10カルメル毎に中継点、つまり「宿場」を作る事にした。
何しろ大森林の端から大アンジュまで1200カルメルもあるのだ。
馬車で移動するとして1日の移動距離を50カルメルとしても、24日もかかる計算となる!
これはかなりの距離だ。
その間、食料や水など何も補給無しではいくら何でも無理があるし、大アンジュへ来る者はいなくなってしまうだろう。
そこで「宿場」だ。
10カルメルおきに設置して、そこでは水、食料の補給を可能にして、宿泊地としての安全も確保する。
周囲に魔石で結界を敷いて、魔物が入って来れない安全地帯を作るのだ。
こうすれば旅人の馬車も安心して眠れるという訳だ。
水は大アンジュの西側に流れている大きな川から水道を引く事にした。
この川は大アンジュにも水を供給している。
そして50カルメル毎には大きな宿場も作る。
ほぼ馬車の半日の移動距離の場所に作る訳だ。
これなら大体、一日の旅が大きな宿で終わる事が出来る。
そこには風呂も完備した大きな宿も作る予定だ。
要は高速道路のサービスエリアとパーキングエリアのような物だ。
こうして安全な場所が確保されれば、旅人や商人もやって来るだろう。
俺は小さな宿場を「小休憩所」大きな宿場の方を「大休憩所」と命名し、道を作りがてら、そちらの方の設備も整えた。
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