0610 審判の魔女(ジャッジメント・ウイッチ)爆誕!
しばらくして「審判の騎士」のお披露目があった。
俺たちもその関係者として呼ばれた。
お披露目の場所はロナバール魔法協会本部の広場だ。
そこにはこういう場合のステージもあり、そこでお披露目を行うのだ。
「審判の騎士」は特権の一つとして、自分の考案したオリジナルの甲冑を発注して身に纏う事が出来る。
壇上に出てきたエトワールさんは恐ろしく派手な格好だった。
その甲冑は甲冑と言うよりも可憐なドレスと言った感じで、特に下半身の部分は細いピンク色のひだのついたドレスのような甲冑だった。
兜も鎧も籠手も全てピンクだ!
しかも透明金属アレナックと組み合わせてあるので、蛍光ピンクのようになって、全体がキラキラと光っている!
持っている剣すらもピンク!鞘もピンクだ!
う~ん、凄いな?
まるで地球のピン○ハウスに鎧を発注したみたいな感じだ!
エトワールさんは元々一見おっとりとした御嬢様に見えるので、この鎧を装着すると、まるでどこかの御姫様の戦闘服のようだ。
そして出てきたエトワールさんは呪文を叫ぶ。
「アニーミ・デク・エスト!」
途端にエトワールさんの周囲には桃色甲冑姿のエレノア式甲冑騎士型タロスたちが10体現れる!
それはまるで桃色の主人を守る親衛隊のようだ。
これはどう見ても魔道士というよりも、完全に姫騎士とその親衛隊御一行様だ!
準備万端整うと、いつもの黒と銀の超人の格好で黒い仮面をした本部長であるゼルさんが宣言をする。
「本日ここにお集りの皆さま!
私、ロナバール魔法協会本部長、ゼルバトロス・コールドウェルは、ここに新たなる「審判の騎士」の誕生を報告いたします!」
紹介をされた全身ドピンクのエトワールさんが挨拶をする。
「ただいま御紹介にあずかりました魔法協会ロナバール本部所属の「審判の騎士」第七席のエトワール・メッソンと申します。
皆様、よろしくお願いいたします」
そう言ってエトワールさんが頭を下げると、配下のタロスたちも一斉に頭を下げる。
いや、これもう完全に、御姫様の近衛部隊の結成式でしょ?
こうして全身がキラキラと光るピンク色で、見た目がお姫様戦士の「審判の騎士のエトワール」が誕生した!
これは目立つ!
御披露目の後は御供の桃色甲冑タロスたちを連れて、ロナバールの町に繰り出して初めてのパトロールだ!
もちろんエトワールさんのこの全身ドピンクの格好は恐ろしく目立つ!
それこそ男爵仮面の真っ赤な全身姿よりもだ!
しかも桃色甲冑姿のタロスまでがお供でついているのだ!
以前からエトワールさんを知っている町の人たちはいかにもそれらしいと感心し、知らなかった人は一体何者だと驚く。
途中で通りがかりの古い知り合いらしいおばあさんが、エトワールさんに話しかけてくる。
「おや、エトワールちゃんかい?その格好はどうしたんだい?」
「こんにちはアラサおばあちゃん、私は今度審判の騎士になったの。
今まで同様によろしくね?」
「まあまあ、そりゃ凄いねえ?
あの小さくてかわいかったエトワールちゃんがねぇ?
立派になったもんだねぇ?」
「ええ、何か困った事があったら言ってね?」
「ああ、たよりにしているよ」
ううむ、こういうおばあさんって、全く動じないのが逆に凄いな?
相手は天下の審判の騎士だぞ?
人口50万人以上もいる大都市で、魔道士が千人以上もいるロナバール魔法協会本部にだって十数人しかいない強豪だ!
それでいいのか?
いや、それでいいのだ!
エトワールさんも納得しているしな!
そして町の片隅でもコソコソと話しをしている連中がいる。
「おい!ありゃ一体なんだ?」
「どうも新しい審判の騎士らしい」
「あんな馬鹿みたいにドピンクで派手なのがか?」
「そうだ!しかもよく見ろ!
あいつはあの、「鬼のエトワール」だぞ!」
「何!エトワールだと?」
「あいつは普通の戦闘法務官だったはずだが・・・」
「ここ数年、見かけなかったんで、俺はてっきり魔法協会を辞めたのかと思っていたぞ!」
「どうやら別の場所に異動していただけらしいな?」
「それがここに帰ってきて、ロナバールの審判の騎士になったのか?」
「冗談じゃねぇ!俺たちは一体どうなっちまうんだ?」
「ここで無事に暮らしたけりゃ、おとなしくするしかないだろう?」
「ああ、さもなきゃこの町から逃げるしかないな」
「それしかあるまい」
たちまちその話しはロナバール中に流れ、エトワールさんは瓦版の主役となった。
“無敵の女審判の騎士誕生!”
“姫騎士堂々の誕生!”
等々、紙面をにぎやかに飾った。
しかもどの瓦版も御丁寧にエトワールさんの姿はピンク色で印刷してある!
しかし町のゴロツキたちはこの話に震え上がった!
何しろ単なる戦闘法務官の時ですらエトワールさんにはどうしようもなかったのだ!
「鬼」が無敵の「魔女」になって帰って来たと噂しあった。
審判の魔女の爆誕だ!!
町の人々もその審判の魔女が一体どういう仕事をするのだろうと興味津々だった。
しかしその最初の仕事は驚くべき初仕事になったのだ!
当小説を面白いと思った方は、ブックマーク、高評価、いいね、などをお願いします!
ブックマーク、高評価、いいねをしていただくと、作者もやる気が出てきますので是非お願いします!




