三十三話
エイダンと話す日が来た。
テリーザに連れられ、アンジェラと一緒にこの間と同じ店に行く。
店に入ると既にエイダン達は席についていた。
私たちも席につく。
「やあ。テリーザから聞いたよ」
「そうですか、じゃあ早速なんですけどー…」
私は母の語った話を聞かせた。テリーザから概要は聞いているかもしれないが、念のため。
「母の学生時代に行方不明になった女の子がいたらしいんです。だけどそれから数日後、転校したって処理されたそうです。それでみんな納得したそうなんですが、その数日後に、彼女は死体で発見されました。…ひどい目にあったのが分かったそうです。それから、その子が見知らぬ馬車に乗ったのを見たって子もいたらしくて。母はこの事をとても悩みながら話してくれました。」
真剣な顔でうなずくエイダン達。
「その話、君のお母さんに詳しく聞くことはできるかい?」
「…あのようすだと話してくれないと思います。」
「そうか、ありがとう」
ふー、とエイダンはため息をつく。
そのようすを見ていたら、ひとつの考えが浮かんだ。
「…また何か分かったらテリーザに知らせますから」
だが、私はその考えを口にしなかった。
そのままエイダンと別れ、アンジェラと帰路に着く。
夕方のオレンジに染まった町を一緒に歩く。二人とも無言だ。その沈黙を私の声が破った。
「アンジェラ、私ね。この事件について調べてみようと考えているの」
「…やめておいた方がいいと思うけど、狙われるよ」
アンジェラは止めてくる。だけど、私は級友を今回の事で二人も亡くしている。
「もう一度は狙われてるもの」
それに、私自身一度狙われている。こんなよく分からないまま厄介ごとに巻き込まれているのは気持ち悪い。
「だったら、どんな事に巻き込まれているか知る権利があると思わない?」
「…そんなに知りたいの?」
アンジェラはため息をついた。そして、私を見つめる。
「…ついてきてよ、あなたがどんな目に合ってるのか、教えてあげる」
手を取られ、アンジェラの家に連れ込まれた。




